注文住宅

BRUN

面積:

93㎡

エリア:

東京都杉並区高円寺南

実施時期:

竣工 : 2011年12月

内容:

敷地は都心の大通りから程近い閑静な住宅街の一角。小さく分割された東南の角地は、わずか65㎡ほど。建主は建築好きの30代カップルで、タイムレスなデザインをこの小空間に求めていた。
間口が狭く奥行きの深い敷地の横には奥の敷地へ繋がる通路の余白があるため、直射日光を取り込めるようランダムに開口を設けた。その一方で、道路面はプライバシーを考慮し、木製ルーバーで閉鎖的に仕上げている。開口部と濃茶色のガルバリウム鋼鈑外壁のコントラストが落ち着きのある角地のファサードをつくりあげている。
ピロティーには小さな駐車場と玄関を用意。1階には夫婦の寝室に加え、奥にはご主人の趣味である自転車が陳列された倉庫兼ギャラリーがある。2階に設けたファミリールームは斜線制限による斜壁を活かした吹き抜けに面しており、天窓からは安定した拡散効が室内に降り注いでいる。細長い一室空間に高さを与えることで、間口の狭さを感じず奥行きを強調することにも一役買っている。
吹き抜けと階段エリアに面した3階の廊下部分を活かして設けたのはスタディルーム。その両脇に設えた2つの趣味空間は、斜壁を活かした屋根裏部屋のような雰囲気で、陽光を浴びながら心地良く籠ることができる。
延床面積わずか93㎡の都市小住宅だが、縦に連続するワンルームとしてひとつながりの空間が展開している。外部を見るかぎりでは、この驚くほど豊かな内部空間を想像することは難しいだろう。

■DATA
敷地面積 :64.70㎡(19.57坪)
建築面積 :37.70㎡(11.40坪)
1F床面積 :30.09㎡(9.10坪)
2F床面積 :37.70㎡(11.40坪)
3F床面積 :25.64㎡(7.75坪)
延床面積 :93.44㎡(28.26坪)
構造 :木造
規模 :地上3階建
用途 :専用住宅

この住宅事例を手掛けた建築家

黒崎敏

建築家 / @東京都

建築には安全性や機能性、意匠性などが求められますが、それだけで十分とは言えません。我々建築家が創り上げる空間には、何よりクライアントや社会が求める豊かな精神性を表現しなければならないと考えています。  人間や自然、あらゆる人工物との関わりの中から導き出される空間は、社会や環境と結び付きながら時代と共に緩やかに進化し、それに呼応するように人々も変化を遂げます。このようなゆらぎのある生命体との共存こそが建築の本質的な役割であり、設計における導線のあり方や光の扱い方、風の導き方や素材の選択手法などのデザインを決定付ける大きな要因となることでしょう。  大胆さと繊細さの両極を意識し、人間としての視野を広げ、洞察を深めながら、時に流されることのない品格のある建築を目指して、一つひとつの建築に丁寧に向かい合いたいと思います。

黒崎敏

建築家 / @東京都

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