二世帯住宅

街角バルコニー(都市型2世帯住宅)

面積:

104㎡

エリア:

東京都杉並区

実施時期:

平成25年6月

内容:

1.「文士村」に建つ都市型2世帯住宅: 
大正から昭和にかけて井伏鱒二や太宰治等の著名な小説家が多く住み「文士村」と呼ばれていた閑静な住宅地にF邸はあります。従前のお住まいも2世帯住宅であり、今回は新しい世代による2世帯住宅への建替えです。比較的高密な画地割の住宅街なので、特に1階の親世帯住宅において効率よく日照を得て通風を確保できる建物配置や形状を検討した結果、敷地南西の交差点と南東の前面道路がクランクする部分が最も日照条件が良いので、可能な限り南面幅を広く取って東西両端に主要居室を配したシンプルな横長の長方形のボリュームが導き出されました。限られた面積の長方形ボリュームの中に上下階に分かれた、玄関以外は完全分離型の2世帯住宅を、日照通風、プライバシー等の快適性能を確保したうえで、機能的に組み込んでゆくことが今回のテーマです。
2.室内空間に広がりをもたらす大きなバルコニー: 
 すぐ近所には区立図書館があり、スーパーも家の目の前、駅や商店街も徒歩数分という利便性の高い立地条件から、複数のテストプランをもとにしたご家族と議論の結果、自動車は所有しない、両世帯とも居間にはソファー等を置かずダイニングテーブル中心のコンパクトな空間とすること等が決まりました。限られた室内空間に広がりと快適性を与えるため、駐車スペースをなくして生じた敷地のゆとり部分に1・2階ともに広いバルコニーテラスを設けたことがF邸の大きな特徴です。バルコニーは建蔽率に加算されないスノコ状のウッドデッキ+鉄骨フレームで構成され。耐久性を考慮しデッキ材はにセランカンバツー、フレームには融亜鉛メッキ加工を施した鋼材を使用しています。
3.街角の景観をつくる: 
狭あい道路の拡幅協議事業によって拡張された南西側のT字交差点からの眺めを重視して、バルコニーは全面を板張りとし、街角にシンボルツリー(エゴ)を植えることで印象的な表情の新たな街角景観を創出しました。
 4.木の素材感を活かしたシンプルなデザイン: 
室内外にわたって天然木をふんだんに使用し、木の素材感が引き立つようにベースの部分は白系のシンプルな色調で統一しました。室内の主要部分の壁は珪藻土の塗り壁です。家具類もできる限り造り付けとして、統一した木質系のデザインとしました。特に子世帯の居間兼食堂には壁面いっぱいの書架があり部屋に個性と楽しい雰囲気を与えています。

この住宅事例を手掛けた建築家

宇野健一

建築家 / @東京都

空間から場所へ アトリエグローカルの目指す設計は、見た目の格好よさだけを重視したカタチ優先のデザインではありません。人が暮らし、様々な生活行為が営まれることで、はじめて空間は場所へと命を吹き込まれると考えます。 私たちは、心地よく、楽しく、安全で、夢や思い出がたくさん詰まった「場所づくり」を目指します。 地域から地球へ 建物の建つ場所の気候風土、まち並み、コミュニティなど様々な地域特性との調和を大切にした設計を心がけます。一方、ひとつの建物をつくることは、資源・エネルギー・温暖化などの地球環境、あるいは世界経済などとも深く関連します。私たちは設計活動を通して地域に根付きつつ、地球の将来に対しも責任ある態度で貢献したいと考えます。これは私たちの事務所の名の由来でもあります。 プロセス重視の設計手法 私たちは、お客様との対話や共同作業(ワークショップ)などを通して、お客様のニーズを的確に理解し、時にはお客様と一緒に新たなニーズを発見しながら設計を進めたいと考えます。建築家からの一方的な提案や、お客様のご要望を表面的になぞるだけの設計は行いません。 お客様とのコミュニケーションが、建物への思い入れや愛着を育む一助になるような設計プロセスを心がけます。

宇野健一

建築家 / @東京都

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