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ご両親を亡くし空き家になりかけていた築80年超の古民家リノベーションです。
新築する以上の費用をかけて改装する価値があるかどうかの相談から受けました。
日常使用されない田の字の和室と廻り縁が大切に保存されるあまり、
居住部分の為の増築が周辺に繰り返され、生活動線ばかりが長くなっていました。
今回の相談当初もその範囲での要望でしたが、
工事希望範囲外の続き間の和室一部をLDK空間に取り込み、
座敷も含めて活用できる住まいを提案しました。
冬場の寒さ対策についてはコミュニケーションを取り、
断熱性と古民家の風合い両立する着地点を探し出しました。
新しく設けた欄間には、既存建具にある変わり組子をデザインに取り込みました。
親戚兄弟の反対にあい計画が頓挫しかけましたが、既存の佇まいや材料を活かす提案(プレゼン)内容に納得いただき無事に工事を行うことが出来ました。
家見には親戚兄弟が集まられ、完成した家を見られ大変喜んでいただきました。
母屋の田の字の和室続き間は、使い勝手が悪く、水回りや寝室などの生活空間は増築を繰り返し、動線が長くなっていた。
冬場は全体的に寒い家だが、特に寝室に行く廊下が長くて寒い。
母親の介護の為の同居ということもあり、夫婦の寝室から遠い母親の寝室の位置関係も気になっている。それらを改善したい。
私の提案は、施主が言葉にした要望とは違うが、生活空間をまとめ、母屋の庭の眺めることのできる良い場所を使用できるように設計した。
本家であり親戚も集まるので、続き間の造作や佇まいが崩れないよう、多くの人数が集まる時には、以前と変わらぬ使い方も出来るように提案した。母親の介護については、お互いのプライバシーも尊重しながら、且つ気配を感じ取れる距離感を開口部や間接的なホールなどで提案した。
キッチンがお店のようなお洒落な空間になり、家事が楽しくなった。
家具もインテリアに合わせてコーディネートしてもらい、和風の古民家、洋風、モダン、トラディショナルな空間が程よく調和した。
続き間を洋風に改装することで親戚の評価が心配だったが、今までの趣を残しながらのデザインだったので、皆、喜んでくれていた。
断熱性能と古民家の意匠、改装部と既存和室との取り合いの納めに神経を使った。
広縁は古民家の一番の意匠ともいえる一方、断熱性能に関しては開口部も広く性能向上が難しい。
特に虹梁と欄間の納まりは、曲線ということもあり、意匠的にも断熱サッシを取り付ければ良いと
いうものではないので、ペアガラスの存在を消しながら、真壁の仕上がりに相応しい納まりに苦労した。