注文住宅

中国黄土の家

実施エリア:

神奈川県川崎市

延床面積:

127平米

内容:

木造3階建ての都市型住宅です。周囲は3階建ての建物に囲われており、土地は30坪と、あまり広くありません。
厳しい条件の中、1階の母のための居住スペース、採光、プライバシーの確保が重要課題でした。
3階は温泉旅館でのんびりしているような空間です。
壁仕上げは、日本の伝統色に使われる顔料・中国黄土を混ぜ込んだ珪藻土を塗っております。
この壁が、プライバシーを守りながらも、優しい光に包まれた空間を形成しております。
外観にあまり窓はありませんが、内部に入ると明るく、開放的で、カーテン要らずの生活ができます。

癒しの空間

都市に居ながら、温泉旅館で癒されているような空間が欲しいというのが、 建主さんからの要望でした。

外観

住宅密集地で、採光・プライバシーを確保した都市型の二世帯住宅です。
周囲は3階建ての建物に囲われており、東側前面道路は4m弱の私道、土地は30坪とあまり広くありません。
そんな厳しい条件の中、車一台を駐車するスペースを設け、1階の母のための居住スペース、採光、プライバシーの確保が重要課題でした。
木製の縦ルーバーが、和のテイストを醸し出しており、その裏側は3層吹抜けの外部空間です。
1階は駐車スペース、2階・3階にはテラス・バルコニーが面しており、 風や光を取り入れる光庭となっております。
外観にあまり窓はありませんが、内部に入ると明るく、開放的で、カーテン要らずの生活ができ、気持ち良い風の流れを感じられる家になっております。

光の庭

3層吹抜けの『光の庭』の様子です。
敷地一杯に壁を立ち上げ、その内側に住居を配置し、容積率・建蔽率を最大限に活用した上での余白が、この光庭です。
南側(写真右側)に大胆に立ち上げた壁は、防火壁、防音壁、耐力壁の役割を担っております。
写真左側が2階LDK。正面の東側道路面に木製ルーバー、裏面西側にも木製ルーバーを取り付けることにより、この光庭は、半屋外的な中間領域としております。
この光庭に向かって、各階の諸室の大きな開口を設けることにより、プライバシーを確保した上で、明るく心地よい住まいを実現しました。
この地域は「準防火地域」です。通常、梁を表しに出来ないと思われがちですが、本件のように内部・外部ともに梁を現しにすることも出来ます。
川崎市の建築指導課曰く、準防火地域・木造3階建てで梁現しの住宅は10年ぶりかな?とか。要は、建築家としての熱意です。もちろん違法ではありませんよ。やはり、和テイストの家は、梁を現したくなりますよね。

玄関

玄関です。
右側の下足入れは、高さを低く抑えて圧迫感を無くしました。足元には間接照明を仕込み、浮いているような広がりのある空間を演出をております。
三和土(タタキ)は、モルタルに墨を混ぜて黒くし、目地を付けました。和の演出で、黒い陶板のようにも見え、とても趣きある仕上げとなっております。左官職人の腕にも左右される仕上げなので、職人さんには感謝、感謝です。
一階には、母のためのキッチン、バスなど全て整えており、玄関のみを共有した二世帯住宅です。玄関と母の居住スペースを仕切る建具は、ワーロンの太鼓張りです。
ワーロンとは、天然素材の和紙を樹脂で両面からラミネートした耐久性に優れた和風素材です。
照明を付けると、行燈のように光り、とっても雰囲気の良い玄関となりました。

階段室

2階に上がって振り返った階段室の様子です。
1階突き当たりのワーロン建具の向こうは勝手口。2階突き当たりのワーロン建具の向こうはトイレ。
トイレの扉に透過性があるため、当初建主さんは心配しておりましたが、出来てみると中は見えず、料亭のトイレみたいで居心地良いと喜んでくれています。
夜は電気を付けておくと、階段室を照らす行灯のような常夜灯にもなり、雰囲気が良い。
階段はストリップで、採光性・開放性を高めて広く見せております。
準防火地域における木造3階建ての階段は、防火被覆しなければならないため、 通常こんな開放性のあるスッキリした階段にはできません。

2階LDK

2階LDKの様子です。
畳スペースは40cmほど高くし、その下は全面収納としております。都市型住宅なので、収納面に工夫が必要です。
キッチンは大工さんによる製作で、足元には引出しや扉など無く、オープンです。背面が全面収納になっているので、充分な収納量です。冷蔵庫も入っております。
キッチンの高さは、奥さんの身長に合わせて82㎝(通常85cm)と低くしました。
キッチンに立った時にLD側からとの視線が合うように、作業スペースは15㎝ほど下げました。
こちらのお宅では、夫婦二人ということもあり、キッチンで食事します。ダイニングテーブルはありません。
というより、キッチンに食事カウンターが付いているのではなく、ダイニングテーブルにキッチンが付いているって感じの設計です。
料理を作ったら、そのままテーブルに並べて食事をし、食べたら流しに食器を投げ入れ、畳でゴロンと横になる。そんな生活が想像できます。

畳スペース

キッチンから畳スペースを見た様子です。
天井仕上げはシナベニヤで、梁は露出しております。畳から梁下までの高さは、1.6mと低く押さえております。正面(南側)の開口部も低く抑え、光の取り入れを絞っております。
和の空間としては、天井が高かったり、明るすぎると落ち着かないんです。ケースバイケース、空間のしつらいに応じて、微妙な加減が必要です。
右側の中国黄土を混ぜた珪藻土の壁からは、棚が4枚張り出しており、最下段はキッチンカウンターと連続して繋がり、一体感を持たせております。小物や盆栽などを飾り付けて、楽しんでおります。

リラクゼーションスペース

3階は、寝室とリラクゼーションスペースとが一体となった12畳のワンルームの空間です。
ベット2台が置かれ、寝転びながら見れる壁掛テレビが設置されております。
寝室とリラクゼーションスペースとの仕切りとして、パソコンデスクが設置されおります。パソコンデスク足元には、ミニ冷蔵庫置き場もあります。
浴室は3階南側のベストポジションに設けました。温泉旅館で癒されているような空間が希望でしたので、ココ大事です。
休日は一日中、3階で寛げる空間です。写真はリラクゼーションスペースから、外を見た様子です。
ご主人はお風呂上りにビールを飲み、奥様は趣味のウクレレを奏でて・・・。なんとも贅沢な時間と空間に包まれた暮らしではありませんかね。

浴室

3階南側のベストポジションに設けた浴室です。
脱衣スペースと浴室は、テンパガラスによって仕切られ、浴室の向こうはバスコートです。
脱衣スペースには、洗面・洗濯機・トイレが含まれており、浴室、バスコートとが一つに繋がる連続した空間となっております。
一坪の浴室ですが、開放的な広がりを持った空間になっていると思います。
床は十和田石、天井はヒバ材で仕上げております。壁材は、濃いグレーのタイルで仕上げ、これら二つの材料を際立たせるとともに、落ち着いた雰囲気に仕上げました。
浴室をタイル仕上げとした場合、カビを気にされる方々が多いですが、対策としては、風通しを良くすることが一番です。
風通しが悪ければ、どんな仕上げでもカビは発生します。もちろん、お掃除もしましょうね。
今回のように太陽の光も浴びれば、カビなんて心配になりません。

夜の浴室

夜になると、浴室はこんな感じになります。
右側の壁は、脱衣スペースから連続して全面鏡張りとし、空間を広く見せております。
計画時には、少し恥ずかしいかな?と抵抗を感じていた建主さんも、出来てみれば気にならないとのことです。
バスコートに向かって開かれた開口部にも、ブラインドや簾を下ろそうかな?と言っておりましたが、出来てみれば気にならないとのことです。どこからも見られませんから。
浴室内の照明は、真鍮製のマリンランプです。もともとは、船舶用の照明器具として使われてきたライトをアレンジしたものです。防水性、耐久性に優れ、素朴な感じが気に入っております。
バスコートには、信楽焼の和照明が置かれ、奥行きある空間を演出しております。

夜景

夜になると、こんな感じです。
内部の壁仕上げは、日本の伝統色に使われる顔料・中国黄土を混ぜ込んだ珪藻土を塗っております。
外部の仕上げも同色の塗り壁とし、プライバシーを守りながらも、優しい光に包まれた空間を形成しております。
落ち着いた雰囲気のデザインなので、昔からそこに建っていたかのような趣をしております。