別荘

鋸南の家

種別:

別荘

実施エリア:

千葉県

実施時期:

2008.5月

延床面積:

121平米

築年数:

5年

内容:

都心に住む夫婦の週末住宅として、またリタイア後の終の住処としての計画である。老後を考え起伏が少なく気候が温暖な南房総の山間に位置する田園の敷地が選ばれた。
最初に敷地を訪れた時に、南に流れる水路の土手一面に咲く草花、その土手越しに広がる田圃、背景に遠景の山並みという四季折々に豊かな表情をみせるであろう風景の構図に強い印象を受けた。これを十分に生かすために床面を田圃の高さまで持ち上げ、風景を大開口で切り取る構成が瞬時に決定した。開口を決定付ける庇高さを現場で慎重に調整して切り取る風景を決定した。庇がつくり出す深い陰影との対比によって、庭先、土手、田圃、そして遠景の山並がより鮮やかな色彩となって映し出される。
来訪した近隣の住民が「普段何気なく見ている風景がこんなにも美しいものだとは知らなかった。」と感動していた。この建築によって人と風景との関係をリセットし、その場に埋もれていた価値を再発見できたとすれば設計者として喜ばしいことである。

石井 秀樹

5年前、10年前に現在の生活を正確に想像できましたか? 同様にこれから将来の生活を正確に想像できますか? 行動や生活はとても曖昧で変化に富んだものだと思います。一方、建築は一度建てると簡単に建て直すことはできません。流動的な生活を固定した住宅で包み込むには、自由を許容する包容力のある住宅であることが重要だと考えます。 そこで、長期的に変化の少ない要素(=敷地の持つ特徴、自然の風、自然の光)を大切に、伸びやかで変化に対して柔軟に対応できるシンプルな空間構成を心掛けております。 建て主の夢や希望の実現のため、何が重要かを対話の中で見極めながら、一過性の計画で終わらない、永く愛される建築を設計する、それが私の考える建築設計です。