別荘

城ヶ崎海岸の家

種別:

別荘

面積:

39㎡

エリア:

静岡県

実施時期:

2006.09

内容:

都内に住むご家族の週末住宅であり、将来はご夫婦の終の住処となる住宅の計画である。

敷地は国立公園地区に指定されている風光明媚な地域にありながら、その言葉から連想されるような雄大な海や山並と言った大自然は望めない、郊外型の分譲住宅地である。それでも、施主は週末住宅として、自然を感じてリフレッシュできることを期待していた。
そこで、遠くの景観として眺める自然ではなく、この場の空気としての自然を全身に感じられる、大地に大きな屋根を架け、その屋根の下で敷地と一体となる、そんな住宅を作りたいと考えた。
大屋根はできるだけその場の自然を感じられるように、元々の地形に馴染んだ形態とすることが望ましいと考え、起伏があった造成前の敷地形状になぞらえて屋根の形態を導き出した。アプローチ側から旋回しながら上昇して行くその形態は、建て主の「別荘に来たことが実感できる、気分が高揚するような外観」との要望にも応える結果となった。
さらに必要諸室とされた用途の違う三つの個室、水廻り、駐車場を各々の機能と敷地の特徴を考慮して大屋根の下に鏤めた。
各箱を配置した結果生み出される残された有機的なスペースは、諸室機能に縛られる事無く、多様性と変化に富んだ表情豊かな空間となって敷地と一体感を感じられる空間となっている。
刻々と変化するブロック群の隙間から見える空や緑、差し込む光、通り抜ける風を全身で体感できるこの住宅は、敷地の自然をより豊かに、そして鮮明に感じる新たな場を創り出している。

この住宅事例を手掛けた建築家

石井 秀樹

建築家 / @東京都

5年前、10年前に現在の生活を正確に想像できましたか? 同様にこれから将来の生活を正確に想像できますか? 行動や生活はとても曖昧で変化に富んだものだと思います。一方、建築は一度建てると簡単に建て直すことはできません。流動的な生活を固定した住宅で包み込むには、自由を許容する包容力のある住宅であることが重要だと考えます。 そこで、長期的に変化の少ない要素(=敷地の持つ特徴、自然の風、自然の光)を大切に、伸びやかで変化に対して柔軟に対応できるシンプルな空間構成を心掛けております。 建て主の夢や希望の実現のため、何が重要かを対話の中で見極めながら、一過性の計画で終わらない、永く愛される建築を設計する、それが私の考える建築設計です。

石井 秀樹

建築家 / @東京都

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