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設計、監理、インテリア、エクステリア(庭・外構)を担当
Oさん家族が心地よく暮らすために、4つのことを考えました。
1)アウターリビングにイロハモミジの日傘をつくる
庭に広めのデッキスペースを設けることで、光と風を感じながら食事や読書を楽しむことができます。
つまりデッキスペースはアウターリビング(屋外のリビング)です。
そして、アウターリビングでの時間をより心地よく過ごすために、アウターリビングに樹木の日傘をつくりました。
渓谷の樹木が光を求め川へせり出すように、建物際に植えたに樹木の枝葉でアウターリビングの上空を覆います。
アウターリビングからLDKを望む日傘の役割を担う樹木は、横へ横へと流れるように生長していくモミジが最適です。
春は新緑の若葉、夏は木漏れ日、秋は紅葉(こうよう)を楽しむことができ、
落葉する冬は、リビングの奥まで届く日差しで日向ぼっこを楽しむことができます。
(冬は太陽高度が低い&遮る葉がない)
2)「LDKと庭の境界=窓」の機能を最適化する
窓の機能を分解すると次のようになります。
1.採光(光を取り込む)
2.通風(風を取り込む)
3.眺望(LDKから庭を眺める)
4.開放(窓を開け放して庭とリビングを一体化する)
5.虫除け(網戸で虫が入らないようにする)
ご主人のKさんからは、窓を開け放して使うために、窓が戸袋(壁の中)に引き込まれる「引き込み窓」のご要望がありました。
奥さんのMさんからは、庭の景色が網戸越しのものにならないよう、網戸が戸袋(壁の中)に引き込まれる「引き込み網戸」のご要望がありました。
大きな2枚の窓と片側の網戸が戸袋に引き込まれる形式は、木製サッシでは珍しくはない仕様ですし、先ほどの5つの機能を全て満たすことができます。
しかし、実際の使い勝手をイメージしてみると、通風時、大きな網戸の使い勝手が悪いので、「通風」「虫除け」の機能を「眺望」「開放」から物理的に切り分けることにしました。
左側の窓は常に網戸が入った状態になるので、その分、眺望が劣りますが、総合的には機能性が格段に上がったと考えています。
3)ロフト空間を活用する
屋根勾配を少し大きくすることで、ロフト空間を広々と確保しました。
変形した平面形状ですが、物置エリアとご主人の秘密基地エリアを分けて利用することができます。
また、換気装置としての役割も果たします。
下階の階段室・廊下・サンルームとは吹き抜けを介して繋がっています。
暑い時期、1階や2階で温められた空気はロフトへと移動し、換気窓から排出することができます。
(重力換気や温度差換気と呼ばれています)
4)床下暖房レガレットで暖かく過ごす
1階のLDKをより心地よく過ごすために、床下暖房レガレットを採用しました。
床下空間に張り巡らせたダクトに暖かい空気を循環させ、基礎コンクリート全体を温めることで、床下からのじんわりとした輻射熱を得るというシステムです。
玄関や納戸、トイレの床下も温められるので、ヒートショック対策としても有効です。
Instagramを中心に家づくりの情報を集めていたOさんはある一枚の写真に心奪われたそうです。
食卓の傍に大きな窓があり、窓には輝く青葉が一面に映し出されているこぢこぢが手掛けた『こもれびハウス』にお住まいの@fuka_0718さんが投稿したものでした。「美しい自然を身近に感じながら暮らしたい」と思い、家づくりのパートナーとしてこぢこぢを選んで下さいました。
▼ こぢこぢさんにお願いした3つの理由
1)お客さんに寄り添い、時間をかけて一緒に家づくりができそうだと感じたこと。
2)家づくりの段取り、お金の支払時期などがHP上でクリアになっていたこと。
3)お客さんにも施工会社(工務店など)にも贔屓なしの対等な立場でいらっしゃるところ。
子どもが産まれ、そろそろ一軒家をと考えていたタイミングでした。
インスタグラム上で、こぢこぢさんが手掛けられた「こもれびハウス」の写真に目を奪われ、こぢこぢ一級建築士事務所のドアを叩いたのが始まりです。
当時は、「家探し=ハウスメーカー」といった感じで住宅展示場をまわっていましたが、ハウスメーカーのようなスピード感は自分達には合いませんでした。
しかし、こぢこぢさんはこのスピード感とは真反対の進め方で、集めた写真から、大切にしたい家庭像から、主人と私の雰囲気から、私たちの“心地いい”が何なのかを、じっくり、ゆっくり、一緒に探してくださいました。
また、ホームページ上では家づくりの工程やお金の支払時期が明確に記載されており、分からないことは細かく説明してくださり、ハウスメーカーでは感じなかった「透明性」を感じました。
さらに、工務店さんや造園屋さんなど家づくりに関わる方々をとても大切にしており、お客さんを贔屓して工務店さんに無理を言ったり、逆に工務店さんを贔屓したりすることもなく、「いい家をつくろう」という真っ直ぐな心を感じました。
▼ 庭が与えてくれたもの
毎日色が変わる庭の景色を楽しんでいます。
都内のマンションに住んでいたときは、ベランダで育てている鉢植えや切り花を飾り楽しんでいましたが、常に緑に飢えているような感覚でした。
この家に越してきて庭を持ち、自然の隣で暮らすことで、心が豊かに潤ってくるのを感じています。
以前は「庭=手入れが面倒」という印象がありましたが、実際は、ひとつひとつの木や草が我が子のように可愛くなり、様子を確認せずには居られない、手入れせずにはいられない、といった気持ちです。
次第に、「ここの部分はこういうイメージにして新しいものを植えたいな」といった気持ちが湧き起るようになり、今までは手に取らなかった庭木の本を読んでみたりお出かけしては他の家の庭の木々を眺めたり、SNSでもグリーンの投稿を頻繁に見るように。
素敵なお庭を作ってくださったおかげで、趣味がひとつ増えました。
長くなってしまいましたが、本当にこの家はお庭が無くてはならない存在です。
こぢこぢさんの設計は、「家を建てる」だけではないなぁと常に感じています。
▼ こぢこぢさんへの信頼
こぢこぢさんは、お顔を見るとホッとする、そんな方です。
技術力・建築工法・家の雰囲気など、家づくりのパートナーの決め手は沢山あると思います。しかし一番大切なのは、その人を信頼できるか、じっくり向き合ってくれるか、だと思います。
こぢこぢさんにお願いして本当に本当に良かった。
家が完成して1年以上が経った今でも、心からそう思っています。
( 2022年 9月)