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静かな住宅地に建つ木造2階建の家です。坂の下にある敷地は、約28坪の広さの土地。南東角で比較的広めの道路に接し日当りには恵まれた土地ですが、形が少し不整形になっています。はじめにお客さまは住宅メーカー2つからプランと見積をとっていましたが、納得いかず、その時タイミングよくお話しできる機会があり、当事務所からプランを模型とともにご提案し、仕事をご一緒することになった言えです。
住宅メーカーからの提案での問題点は、駐車スペースを確保するために建物を建てる面積に制限がでてしまったこと、その結果、寝室とリビングなどのパブリックなスペース、子どもたちのスペースの関係がチグハグになってしまっていたことでした。私たちは日当りが良くて道を通る人の視線もあまり気にならない2階にリビングを持ってくること、そのリビングに接したスペースに小さな子ども室を作ることを提案しました。当時小学生だったお子さんたちはリビングに顔を出して自分たちのスペースに行くことになります。
面積を確保して、かつ建物の周囲に無駄な空地を設けないようにしたため、建物は敷地なりの不整形な形状になりました。 建物の一部はもっと高くすることもできましたがある程度周囲のスケールに軒を合わせています。 2階のリビング・ダイニングの中央部には採光と通風を確保するためにハイサイドライトを付けています。(上記写真 )また2階の南側にはリビングとつながった約7mの長さのある屋根つきのバルコニーがあり、遊びにきた人たちにも好まれるスペースとなっています。 オープンなリビング、ダイニング、キッチンはロフトで子供たちのスペースとつながり、ひとつの大きな屋根に覆われた居心地の良い空間ができました。
リビングの壁は珪藻土塗り、床は桧のフローリング、床暖房を設置しています。断熱材として屋根と壁にセルロースファイバーを充填し断熱性能を向上させました。
バルコニーのある外観 建物の幅いっぱい、約7m連続します。リビングに接しています。すべて屋根付。
玄関側の外観 駐車スペース上には片持ちで部屋があります。 1階の木で囲まれた部分が玄関。
7m連続する幅1.5mの屋根付のバルコニー。訪れる人にも好評の場所です。グリーンを置いたり、一服したり。ウッドデッキはイペを使っています。
フラットになるテラス窓を採用して、バルコニーのウッドデッキと室内のフロアを連続させました。外部ウッドデッキはイペを使用。写真のリビングのフローリングは桧の無垢材です。
外壁のガルバリウム鋼板とは少し趣を買えた玄関ポーチ。防火下地のの上に杉の壁材を貼っています。玄関ドアは採光を重視してガラスの框ドアに。もちろん防犯合わせガラス、ツーロックの仕様です。
玄関の中はガラスドアのおかげで、日中の時間帯は照明不要です。明るくて気持ちよく出かけられます。ここでは日常使いの収納が中心で、予備のものは別に大きなクローゼットを用意しています。床はモルタルの仕上げですが、後日工夫ができるように3cmほど床を下げています。
廊下から2階へ上がる階段部分。このスペースの壁は木のチップ入りの紙壁紙。
1階の寝室。タタミの部分は予備室的に使用、奥のフローリング部分はベッドが置かれる予定です。正面奥の壁は全開します。すべて押入れサイズの収納になっています。奥左、出窓のようになっている部分にも収納があります。
1階にある少し大きめの洗面室。1階部分を2階より少し出すことでトップライトを作りました。壁面が明るくなる事によって、窮屈さを感じない空間になりました。「1階の北側」という一般のイメージとはまったく違う空間です。換気用に縦に細長い窓も設置しています。広めの洗面台は集成材を塗装したもの。引出しはやめて、既製品のカゴを置くことにしました。家族各人の着替えやタオルが置けます。配管のある部分には脱衣カゴやゴミ箱を置く予定。
タイル貼りのシンプルな浴室。GROHE製のシャワー水栓を使用しています。洗面室に隣接し、同様に1階の張出した部分でトップライトを設け、採光しています。壁面が照らされて明るく圧迫感のない浴室となりました。
階段を上がった2階のホール。左右で子供部屋やトイレなどと、正面でリビングとつながります。リビングとの仕切りはオープンな本棚&飾棚。天井はスノコ状で上はロフトです。手洗の洗面も設置しました。
2階のホールにある洗面台。子どもたちや大人も、外から帰ってきて手の洗えるスペースです。歯磨きなどにも重宝。シンクとトイレ以外の水を使えるところがあることはとても便利です。ロフトの上にハイサイドライトがあるのでとても明るいスペースです。
キッチンからリビングの方向を見たところ。大きな屋根に囲まれている空間の一角です。キッチンは少し変形していますのですべてオーダーです。配膳用のカウンターも集成材で作りました。立上がりは低めに200mmほどの高さに。ダイニング側との一体感を損なわず、手元も少し落ち着く高さです。 天井は米松の合板。壁は珪藻土塗。
キッチンのダイニング側からリビングやロフトの方向を見たところ。大きな屋根に包まれている感があります。
キッチンの奥、出窓部分にも収納があります。出窓にすることで横から採光と通風を確保し、正面には棚をつけることができました。
シンクのあるステンレスのワークトップ背面にも収納。腰から上の部分の収納はオープンな可動棚を多用しています。普段使いはこれが便利。引出しには細かいもの、扉のある部分はそれほど頻度の多くないものをしまいます。カウンターの上には用途に合わせてコンセント等を設置。こことは別に食品ストック用のパントリー収納も用意しています。
ダイニングテーブルが置かれる場所からキッチンをみたところ。キッチンカウンター下にはマガジンラック、ダイニングの壁際には収納をつけました。下部のあいている部分は椅子が入るようになっています。ママ用のスペースです。
ダイニングからリビングの方向を見たところです。上部にはハイサイドライトがあります。いえの中央部に光を落とすと同時に上部に淀む温度の高い空気を抜く役割もあります。
リビングからの風景。ロフトが見えます。ロフトの奥に子供部屋。部屋の奥がハイサイドライトのおかげで明るくなっています。天井は米松、床は桧、壁は珪藻土塗りです。ナチュラルで心地いい空間になりました。
リビングとホールを仕切る棚。左奥は書斎のコーナー。掘りコタツ式になっています。
ホール上のロフト。窓のある明るい空間となりました。ハシゴでアクセスします。
リビングのロフトとつながる子供部屋のロフト。子ども部屋は小さいのでこのスペースが布団を敷けるスペースです。子ども部屋どうし、子ども部屋のロフトとリビング側のロフトがつながるのが面白い。子どもの友人がくるととりあえず、探検!走り回ります(笑)
リビング側のロフトで遊ぶ子どもたち。親のいる空間とはつながりながらもちょっと違う空間です。ここは明るい。
子ども部屋の1。奥のハシゴからロフトへ行くことができます。ハイサイドライトからの光がここにももれてきます。 変形した敷地に合わせた部屋の形状なので、机の板は作り付けとしました。
ホールを挟んだ反対側にある子ども部屋2。こちらも同様にハシゴからロフトにアクセスします。いえの角の部分ですので、屋根の隅斜めに囲まれた空間です。
2階のホールからリビングとダイニングの壁仕上げは、珪藻土です。プラスターボードの上の薄塗りですが、調湿、防臭効果がなかなかいいです。見た目も写真ではわかりにくいですが、表情が豊かです。塗壁は「和」だけでなくモダンな空間にもよくマッチします。
1階の廊下などに使われた紙の壁紙。木のチップを漉き込んだ表情が面白いものです。本当の紙なので若干の収縮がありますが、ビニルクロスとは違う質感があります。今回は無塗装で使用。汚れが目立ってきたら塗装をしましょうとお話しています。(本来は塗装下地用の壁紙)