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軽井沢の別荘地に建つ歯科クリニック兼用住宅をデザインした。
これまで、10年以上の間、都内で歯科医院を経営してきたベテランの医師による、超郊外型の歯科医院という提案を具現化した。
前面道路から崖を下がった平地に2階建ての建築を新築し、2階の住居へは崖上の道路からブリッジを渡って入り、1階部分にあるクリニックへは、崖をなだらかにしたスロープをつくり、入り口近くまで車で乗り入れられるようにした。
建築の周囲には樹木や小川など、自然も多くあるが、隣接する別荘や、道路を走る車などが視界に入る位置にあるため、大きな開口をあけて、外の景観をそのまま大きく取り込むのではなく、構造からデザインすることで木製の構造体がガラスの内側にルーバーのように入るようにし、視界を程よく制限するフィルターとして機能させた。
また、軽井沢というか建築にとっては苛酷な環境を考慮して軒を深くし、ルーバーのような構造体と共に、外の景観の見え方を制限し、景色として切り取る仕掛けとした。
クリニックは完全予約制で、診療空間は、医院長先生の住空間と断絶されているのではなく、壁面に沿って床に空けられたスリット状の開口から上階の光のみが通ることで、緩くつながりを感じられるようにデザインされている。
医師と患者という関係が、より近く、親密に感じられるような空間をつくった。
主要用途: クリニック兼用住居
設計:AIDAHO
構造設計: OUVI
施工: 株式会社新津組
所在: 長野県北佐久郡
敷地面積: 124.02㎡
延床面積: 420.86㎡
規模: 地上2階
構造: 木造
竣工:2012年4月
写真: 太田拓実/太田拓実写真事務所