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八角形星形の円柱の上に、八角形の寄棟屋根がムーミンの家のよう。八角の隅角の使い方がいろいろ楽しい!見比べてください。
(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)
瀬戸物で知られる愛知県瀬戸市に建つ、星形プランの住宅です。
坂の途中にあって、坂下を通る通学路から見上げる小学生たちの心象風景に残るような「塔のようなお家」を考えました。
クライアントは地元の作家さんの作品やマリメッコ等の北欧テイストがお好きなご夫婦で、大学の同級生です。
「派手で面白い家がいいな」という以外はほぼお任せでした 笑
同級生だから、というのもあったのかもしれませんが、瀬戸の作家さんたちとの付き合いも多いご夫妻は、「任せる」という事を楽しめる方々だったのだろうと思います。
勿論、好き勝手に作るのではなく、僕なりのイメージやプランをご提案して空間や使い勝手の方向性を共有しながら進めていきました。
平面図を見ると、一見「!!?」となる形状をしていながら
外から見るとその奇抜さは感じられず、内部プランも実は正方形でできているため、決して使い勝手を犠牲にしているわけではありません。
1階と2階の床は45度ずれており、大きな窓はありませんが全方位的に見える小窓から瀬戸の風景が感じられる空間です。
外壁と床の隙間は、網を張ってアスレチックネットにしたり、一段下がった書斎にしたりとニッチや吹抜けとして大事なスパイスになっています。
単純なカタチのはずなのに、空間を体験するとグルグルといろんな場所を巡るような感覚になります。見学に来たある方からは「小さなラビリンスだね」という感想をいただきました。
まず生活しやすいよ、というのが第一声。
家事動線をコンパクトに納めているのと、床下収納と屋根裏部屋があるため収納力も確保したことが奏功したようです。
断熱性能が高くしたおかげで、暑さ寒さを感じず快適という感想もいただきました。
また2階が仕切りのないワンフロアになっているため、お友達を呼びやすく、良く集まってお茶をしている(今はコロナで自粛中ですが)とのことでした。
最終プランの土地に出会う前に、別の土地でも検討をしていました。
それもあってか、最終プランのご提案をしたときにはすんなり受け入れていただけたように記憶しています。星形プランという方向が決まってからは、1/30の大きな模型をつくったり、スケッチを書いたりして、空間の特徴と居心地の良さをどう引き出していくかを検討しました。
見積は予算オーバーすることも無くほぼぴったり。
調整に手間取ることはありませんでした。
コストを抑えるアイディア・・・例えば建具を極力減らす、大開口は設けないなど、を柔軟に受け入れてくれた事が大きかったなと思っています。
ご要望のユニークさと、提案を受け入れる柔軟性に驚かされました。
なんせ「派手で面白い家がいい」なんていままで聞いたこと無かった 笑
途中途中でのやりとりでも、僕からの提案を「それもありだね!」と瞬時に理解、受け入れていただき、設計者をやる気にさせるのが上手なクライアントさんだったなと思います。
お持ちの食器やお洋服もおしゃれで作家性を感じるものをお持ちで、生活を楽しんでいるなあ、という印象でした。
この住宅はルームエアコンと循環ダクトを組み合わせた全館空調を行っています。
このために、断熱性能はコストバランスを取りつつ、高い水準を設定しました。
外皮性能(UA値)は0.35W/m2K、申請はしていませんがZEHやBELS☆☆☆☆☆相当の性能は十分有しています。
また、
耐震性能も等級3にプラスαの性能を確保することで、安心感にくわえて日々の風や道を通るトラックの振動を軽減。これは内装に使用した吹付け塗装のひび割れ軽減策にもなっています。
第32回すまいる愛知住宅賞で、名古屋市長賞をいただきました。
『生活の細部を反映せずミステリアス。住宅?それとも給水塔?見る者に想像の広がりを与える。』と選評をいただいています。
朝、小学生の登校時間にドローン撮影してもらったものです。目の前の道がちょうど通学の集合場所になっていることから、彼らの記憶の一部にもなって欲しいという思いから、おとぎ話の中の建物のような雰囲気も意識をしています。
2階のリビングダイニングは仕切りを設けずにワンフロアを使う事で、面積以上に広々とした印象になっています。いろいろな座り方の家具を用意して、気分によって居場所を変えられる、カフェライクな過ごし方ができるようにしました。手前のローソファはPENTA900という名古屋のソファメーカーのもの。
リビング側からキッチンコアを見たところです。 キッチンコアには左側がシンク前のカウンター、右側にはロフトへのはしごと、家事デスクが組み込まれた、ちょっと遊具のようなカタチにしました。 テーブルは無印良品のRealFurniture、椅子はコクヨのHangLikeというシリーズのものです。
階段下の間仕切壁を本棚にすることで、小さな読書スペースに。娘さんには螺旋階段のサイズ感が椅子がわりにぴったりのようで、毎朝ここで絵本を読んでから2階のリビングに上がるそうです。
八角形の寄棟屋根とギザギザの壁、ぽつ窓があいまって どこかムーミンの家のような雰囲気になりました。
階段を上って正面をみたところ。四方にある窓からは瀬戸の街が360度見渡せます。 2階は大きなワンルームになっていて、友人を招いても十分な広さ。 座り方の違う家具を用意して、気分によって居場所を選べるようにしました。
キッチンはシンクをカウンター収納にして、リビングダイニングとぐるぐる回れる同動線にしてあります。大工さんの造作にすることで極力コストを押さえつつ、カウンター長さを確保することで作業性の良い場所になっています。
1階の主寝室。1階といっても斜面地にたっているので、どうろから家の中は除かれない高さになっています。 写真左側は床下収納へ続くスペース、右奥にはニッチの書斎が見えます。 お子さんが大きくなったら、2部屋に仕切ることができるよう広さと2方向の動線を確保してあります。
壁の形状を活かしたニッチ状の書斎。床が一段下がっている事で、空間がつながっていてもこもる感じが出ます。床の仕上げもあえてクッションフロアとして、バーチのフローリングと四角的に切替わるようにしました。
三角形の吹抜けにアスレチックネットを張って、落下防止+遊具的なくつろぎの場所にしました。手すりが要らなくなるので、2階がスッキリ見えるのもプラスポイントです。
リビングのコーナーに置かれたカリモク60のソファ。オットマンと合わせてもリーズナブルで、サイズもコンパクトなのが良いですね。窓をあけると、坂下を流れる風からの風が心地よく抜けていきます。
玄関も三角形になっています。面積に対して玄関框の幅が3m弱と広いため、意外なほどに使い勝手は良好です。写真左側に見える扉が玄関収納。壁一面にとったので収納力があります。壁にはエルメスのスカーフが額装して飾られています。
1階の中央部に水廻りがまとまっています。階段のすぐ裏側に洗濯機置場。正面は洗面カウンターで、この右手に脱衣室とバスルームがあります。洗面カウンター上の収納は、扉を設ける代わりにロールスクリーンにすることで通気性確保とコストダウンを図っています。
斜面地に対して基礎を深くする必要があったため、それを利用して床下収納スペースを設けました。20m2あるので、相当な量のものが収納できます。
屋根裏を利用したロフト。八角形の寄棟屋根のカタチを利用したことで、 モンゴルのパオみたいな、変わった形状になりました。 くつろぎの秘密の部屋として活用いただいています。
リビングの夕景、吹抜けの間接照明をつけると、不思議な浮遊感が生まれます。「派手で面白く」のささやかな回答の1つとして・・・ホームパーティの時などにお使いいただいています。
天井側の間接照明だけをつけると、ホテルライクな雰囲気になります。コーナーを照らすことで空間に広がりが生まれます。
駐車スペースとエントランス付近の様子。軒を見上げると、星形のギザギザが良く見えます。駐車スペースは大小の砕石をミックスして単調にならないように配慮。建物に寄り添うようにお庭の木々を植えています。
昼の外観。周囲を空地や道路に囲まれ孤立した敷地特性に応答するように、塔やお堂のような独立した形態を採用しました。外皮に対して小さなポツ窓を全方位的に設けることで、周囲を見渡せると同時に防御性のある構えになっています。
昼の外観、建物の窪みに植栽が植わっています。外壁はジョリパット、軒はヒノキの羽目板にウッドロングエコを塗装。