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大田区を流れる呑川に面する狭小住宅、それも計画河川によって削られ敷地面積は約9坪という極小サイズの住宅の計画である。周囲は閑静な住宅地であり、川沿いの桜並木が心地よく季節を表現している。
クライアントはかつて両親が住んでいたこの地に強い思い入れを持ち、狭さは覚悟の上で、むしろそれを楽しむことができるような住宅を希望し、ここに住まう決意をした。
建物は1フロア5坪強で地下を含めた4層から成る延床21坪。一見単純なプランではあるが断面形状は複雑で、敷地の小ささ故の厳しい斜線制限を機能ごとに分節したスキップフロアとすることでクリア、フロアとフロアを階段が繋ぐことによって構成される。レベル差と螺旋階段が空間に豊かな視覚的変化を与え、最上階では独特の屋根形状が天に通ずるかのような印象をもたらす。
その贅肉を削ぎ落としたマッスとストイックな佇まいは教会にも似た静かで凛とした空気を醸し出すことであろう。