家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討に役立つ機能や情報が満載!
アカウントをお持ちの場合
(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)
光の移り変わりを感じる器として
東京都品川区の密集した住宅地に計画された住宅である。周囲は西面の道路とその向こうにある小公園のほかは隣家に囲まれ、さらに道路面より1mほど下がったレベルにこの敷地はある。
敷地形状は2カ所の鋭角コーナーを持った変形敷地であり、ますはこの敷地形状に沿った外壁を配置し、レベル差はスロープを設けることで対応している。周囲に対して存在感が突出しないよう2層のボリュームでおさえ、コーナーに3カ所の外部(坪庭)を配置。プライバシーを保ちながら外部に対して開いていられる生活空間をもたらしている。
内外を貫通する曲面壁は、主要な動線を導くと同時に季節における太陽軌道を意識して決められている。具体的には、夏の特に夕方の直射光は室内に導かず、冬季は長く陽光を室内に届け、暖かさをもたらすように計画している。
RCで大きな骨格をつくり、内部の間仕切りは家具工事で入れ子状になっており、将来的な用途可変にも対応できる。また、家具が建築に占める領域の拡張を意図しており、間仕切り的な役割からダイニングテーブルなど置き家具の領域までシームレスに繋がる。それにより、「建築」が住み手に対して手をさしだし、境界を曖昧にすることで、トータルに空間のイメージを構成していくことが可能となっている。
(廣部剛司)