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設計、監理を担当
屋敷林に囲まれた築35年のマンションの一住戸です。水まわりの家事動線を回遊させ作業向上させると共に、坪庭にひらかれた天井の高い浴室空間を作る事が出来ました。
この改修計画のきっかけは、集合住宅の一住戸の転居に伴い、水回り設備機器の更新が目的の一つでした。
浴室・洗面・トイレ・キッチンといった水回りは家事作業の連携が必要とされる機能空間です。この機会に家事動線を再考した間仕切変更をして、動線リニューアルすることが今回のメインテーマとなりました。
1) 洗面・浴槽・トイレが一体となっていた浴室は家族で使うには同時利用がしにくいため、今回それぞれ分離しました。
2) 奥まった行き止まりの納戸は無造作に物が詰め込まれてしまい使い勝手も悪いため、坪庭付の入浴空間に刷新します。
3) キッチンから浴室への直行経路を作り、キッチン・納戸・洗面・浴室の回遊経路が複数できました。
4) 納戸が回遊動線上にあるため、必然的に整理して収納する仕組みになっています。(雑然と詰め込むことを防ぎます)
5)各部屋は元々のしつらえを継承し、素材のリニューアルをしたうえで、各部屋換気扇を用意しました。
6)居間から続く廊下の入口は、木製の門型のしつらえを作りました。集約したスイッチと配線経路の要となり、又居間のアクセントとなっています。
そして、
7)今回の動線改修の副産物であった浴室ですが、坪庭が出来たことで、天井の高い、トップライトから自然光が反射する沐浴空間が出来ました。
竣工後にオーナー様も、沐浴体験し気持ちよさを実感されました。
竣工後の賃貸募集ですぐに住み手の方が見つかりました。
竣工時の構造設計図があったため、構造設計者に相談しながら経路確保のため壁に開口部を開けたり、浴室坪庭にトップライトの開口部を設けています。(構造上重要でない壁と屋根部分です)
構造の状況把握で計画プランの可能性が拡がりました。
既存改修で、躯体へも手を入れたことで手間はかかりましたが、その分今に即した使い勝手の向上と、プラスアルファで贅沢空間の追加ができました。用と美、双方を更新でき、永く住み継がれるための改修ができました。
北側のバルコニーに面したサッシを3枚引きペアガラスサッシに交換。北の光りが反射するバルコニーと一体利用できる空間になりました。
居間に面した北側のバルコニー。南のバルコニーは木漏れ日を映し、北側のバルコニーは反射光を取り込む。3枚引きのサッシへ交換したため、広い開口幅を確保でき、居間と一体利用できます。既存の窓開口を利用し、飾り棚をはめ込みました。(内部側に断熱材を充填しています)風と反射光に満たされたくつろぎ空間です。
タモ材の門型は廊下の入口。リビングのアクセントになっています。調度、リビングとキッチンのコーナー部は更新した電気配線が集中し(ドアホン・スイッチ)配線スペース確保する必要がり、そのスペースを門型のデザインにして解決しました。
門型の廊下側は棚とスイッチボードになっています。
集合スイッチを門型造作の棚内に組込みました。 スイッチは神保ニューワイドスリムスクエアのダークブラウン
キッチン本体はリニューアル。扉面材・壁タイルなどライトグレーのカラースキムを組み合わせました。
回遊動線のサービス側廊下、キッチンから洗濯機・パントリー・収納・浴室に至る事ができる。
ダブルシンクの広い洗面台。 四角形のボウルは水がためられるため、実用的で多目的な利用が可能。
洗面所から浴室に至る脱衣コーナー
屋根勾配に合わせ天井の高い浴室。
坪庭に面して、外の風と天窓の光を感じることのできる浴室。 屋根勾配に合わせ天井は高くしました。 バスタブにつかりながらオーバーヘッドシャワーで打たせ湯的に使う事も可能です。
浴室正面のタイルはベージュのモザイクタイルをヘリンボーン貼りとしています。
坪庭を見上げると空が見えます。 屋根は構造の確認をした上で、開口部を開ける改修を行いました。 敷地内の樹木の新芽が見えます。
間接照明で柔らかく照らす浴室。 正面の扉はキッチンにつながり、浴室左手からは洗面所につながる、ツードア。家事の回遊動線の一部になっています。
今回の間仕切変更で、浴室エリアから独立したトイレ。背面の曲面壁に間接照明の光が回り込みます。
玄関は北側バルコニーにもアクセスできます。 正面はもう一つのトイレ。
玄関脇のトイレ。既存の飴色タイルをいかし、白い手洗いボールを新規に設置しました。
寝室は各室、壁の色を変えてリニューアルしました。正面には敷地にある高木の若葉が見えます。