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設計、施工、土地・物件探しを担当
お仕事もプライベートも充実した日々をお過ごしで、更新のタイミングで住み替えしながら賃貸住まいを楽しまれて来たNさん、いつかは自分の住まいが欲しいと思っていました。そろそろ…と探し始めたとき、素敵な物件に巡り合いました。しかしそこは築41年という築古物件、もとの物件のいいところを生かした理想の住まいづくりが始まりました。
今回は、リノベーションのこだわりポイントをお伝えします。
大きな開口部の寝室は、一見、戸がないように見えますが、引き戸が隠れています。写真は引き戸を開いている状態です。既存の引き戸が規格外の大きさだったため、そのまま生かすことにしました。マットな質感のダイノックシートを貼ってリメイク。ダイノックシートは耐久性に優れた機能性の高い建材で、施工もしやすく、とても綺麗に仕上がります。
引き戸を開いていると、リビングとひとつづきの部屋のようです。ゆったりした寝室が欲しかったというNさん。大きなベッドの周りには、猫ちゃんの爪研ぎ場所や、寛ぎスペースが設置されていますが、それでもまだまだゆとりたっぷりです。
深いブルーの壁と木の組み合わせが美しい書斎。もとは和室だった場所の一部です。あえて扉は設置せず、リビングダイニングとシームレスに繋がっています。既存の障子をリメイクして利用、木枠を黒く塗装してモダンにチェンジ。壁の角度に沿って、タモの集成剤でデスクを造作しました。デスクには配線孔が開けてあり、下には配線隠しと収納棚もあります。お仕事柄、通勤とテレワークが半々というNさん、お仕事用PCとプライベートPCを並べられる広いデスクが欲しいと思っていました。「壁が斜めだったので、既製品じゃ難しかったと思います。希望のサイズで造作してもらえてよかったです。ここは中庭に面していて、窓から緑がいっぱい見えます。クリスマスには飾り付けしたもみの木も見られるんですよ。」とNさん。背面にはオープンな本棚を造作、お持ちだった無印良品の収納家具とも違和感なく合わせられました。
この黒い格子のフレームは、既存の親子扉の子側です。もとの間取りでは、玄関ホールとリビングを仕切る壁の扉でした。
「すごくお洒落な扉だったんですよー。どこかにこういう格子のガラスみたいなデザインを入れたいなと思っていて、ちょうどこれが格子だったので、そのまま使いたいなと思いました。」とNさん。
格子の中は透明ガラスで、リビングと収納スペースとをゆるく仕切っています。ダイノックシートでカラーを黒にリメイクして、リビングデザインの素敵なアクセントになりました。
インターフォンの出っ張り、気になりますよね。Nさん邸のインターフォンの部分には、柱型のニッチを造作しました。出っ張り解消だけでなく、飾り棚として使えば、インターフォンが目立ちません。
実はこのニッチに、既存のTVの配線隠しも兼ねています。ここは構造の壁なので、壁の中に配線を隠すことができません。飾り棚部分だけでなく、柱型に壁をふかすことで、配線も綺麗に隠しています。
飾り棚の板材はタモの集成材を使用。この集成材は、書斎のデスク・本棚など、全ての造作ものに共通して使っている材料です。無駄なく使えるようにサイズを決めたり、コスト削減を考慮しながら設計しています。
キッチンはPanasonicのシステムキッチンのシリーズ。ユニットはヴィンテージ柄のマットな黒をチョイス、家電類も全て黒で統一されていてシンプルで洗練されたイメージです。横の収納スペースは、家電類の大きさに合わせて、収納棚を造作しました。「ここ、スライド式の棚になっていて、炊飯器をこのまま使えるんです。めちゃめちゃ便利! ゴミ箱もすっきりおさまって、造作してくれた大工さんに感謝しかないです。」とNさん。キッチンのフロアタイルとキッチンパネルは石目調で揃え、Nさんのご希望でタイルとフローリングとの境に金属の見切りを入れました。細部にもこだわった美しいキッチンスペースです。
コストを考えて洗面台は造作ではなく既製品に。こちらもPanasonicのシリーズで、前面の黒いパネルはキッチンと同じもので揃えられました。水跳ね防止も兼ねて、アクセントに黒のタイルを設置。写真ではわかりづらいのですが、ここにもNさんこだわりの金属の見切りがタイルと壁の境に入っています。ゴールドのラインが横一直線に入ってキリっと美しいです。収納オープン棚を造作で設置。棚板下部に付けたハンガーラックはとっても便利!とリフォーム担当の日比もおすすめのポイントです。円形の鏡や、ちょっと個性的なマリンランプを合わせることで、オリジナルで造作したような洗面スペースになりました。
既存の間取りでは、トイレの扉が玄関ホールのデッドスペースをつくってしまっていました。そこで、トイレの扉の位置を変更し、デッドスペースだった部分に収納スペースをつくりました。造作したオープンラックの下には、猫ちゃんたちのトイレを設置、猫ちゃんの動線的にもちょうどいい場所にトイレができました。
「どこかに入れたいなと思っていたヘリンボーン貼りをトイレに採用しました。」とNさん。これはシートなのですが、一見本物の無垢板材のようです。壁にはグレーのアクセントクロスを合わせ、黒のアイアンのペーパーフォルダとタオルハンガーで、洗練された雰囲気です。このグレーのアクセントクロスは、リビングの柱型ニッチ、玄関のオープンラックにも使われています。統一感が出ると共に、無駄なく使ってコスパ的にも有効です。収納棚を高い位置に造作することで、スペースがより広く感じられます。
玄関を狭くしていた既存の収納キャビネットを撤去して、オープンラックを造作。靴の収納だけでなく、鍵などを置く飾り棚スペースもできました。一番のリノベポイントは、斜めの壁をつくって扉を移動したこと。既存の間取りでは猫ちゃんたちのトイレの位置まで玄関ホールだったところを、手前で斜めに区切りました。猫ちゃんたちが玄関から出てしまうことのないように、猫ちゃんの生活動線が扉の内側で完結するようにと考えられています。玄関ホール自体の面積は減りましたが、無駄のない空間設計で、玄関に入った時の印象はリノベ前より広く感じられます。
独立キッチンの壁を取り除き、奥の寝室まで視界が通り開放的に
大きな開口にすることで日中は開放的に、換気もバッチリ
カーペットは埃を舞い上げず、足元から感じる暖かさで質の良い睡眠を取ることができます
明かりを取り込みつつ視界は遮る障子は仕事に集中できて書斎にもピッタリです
お手持ちの収納とマッチしたオープンラック。たくさん収納できるので、好きな小物・かわいいものを飾って仕事の息抜きにも◎
あえて書斎を個室に区切らず、シームレスに
内覧時に気に入った親子ドアをリメイクして緩やかに空間を区切る仕切りに
既存の親子ドアはリメイクしてリビングと収納スペースをゆるく区切る間仕切りに
柱型のニッチを造作して、インターフォンを目立たないように。実はこのニッチに、既存のTVの配線隠しも兼ねています。
収納スペースは、家電類の大きさに合わせて、収納棚を造作。フロアタイルとフローリングの床見切りにもこだわった洗練された空間に
洗面台は既製品を使いつつ、タイルや円形の鏡、マリンランプなどを組み合わせて造作洗面台のようなオリジナルの空間に
トイレの位置は変更していませんが、扉の位置を変更することでたっぷりの収納スペースを確保。猫ちゃんのトイレスペースにもなりました。
どこかに取り入れたいと思っていたヘリンボーン貼り。小さな空間だからこそ取り入れやすいアクセントに。
玄関収納をオープンラックにすることで、広さと通気を確保。扉の位置を変えることで、独立した玄関ホールにすることで猫ちゃんが外にでてしまわない間取りになりました