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設計を担当
京都市北西部に位置する築40年のヴィンテージマンションの改修である。
与えられた駆体は十字型の平面を持ち、マンションでありながら東西南北に窓が有るという一風変わってはいるが、極めて魅力的な「地形/じがた」をしていて、片廊下ではない新しい住戸配列にチャレンジした当時の設計者の姿勢に強く惹かれた。
しかし、解体前のプランは各個室に窓が与えられるだけで室ごとに完結してしまい、「地形」の良さを活かしきれておらず、どのようにすれば東西南北の窓を連動させた一続きの風景を獲得できるかを模索した。
まず初めに、十字型のグリッドに象徴的に現れる柱と梁を間仕切り壁から自由にさせてコンクリートのまま露出し「地形」を明らかにした。
次に、収納と2段ベッドを覆うL型の塀を窓の無い駆体の出角からオフセットして立てることで、出角を増幅させ、リビングから玄関とワークスペースをガラスの框戸で仕切って東西を繋いだ。
十字型中央の天井のみラワン張りとし、キッチンの高さは梁との離隔距離を図って緊張感を生み出している。
不特定多数を想定したnLDKから、夫婦とネコ1匹という具体的なパーソナリティーを得て、40年振りに「地形」を活かした住まいを掘り起こすことが出来た。