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東京郊外に建つ住宅です。
かつて商店街の中にあった敷地は、通りと住宅は近接し、住宅同士が密集しています。前面道路は狭隘で歩行者も多いのですが、建主は日常の動線を重視して1階に居間を設けることを希望していました。敷地の大きさから庭を設けるのは難しく、通りに向けて居間の開口を設けても、人通りがあるためカーテンが閉まりきりで機能しないだろうと考え、居間を前面道路の反対側に配置しました。逆に通り側には水回りや収納など大きな開口が不要な諸室を配置し、その上部に屋根のある大きな屋外空間(テラスルーム)を設けました。
前面道路と居室の間に、1階はヴォリュームのバッファーゾーン、2階はヴォイドのバッファーゾーンがあるイメージです。そして、1階には小さな中庭を設け、2階のテラスルームと居間を立体的に繋ぎ、家の外にも内部をつくって全体が外と暮らす住宅となることを目指しました。
1階の収納や水回りは可能な限り天井高を下げ、同時に2階テラスルームの床レベルも下げています。逆に中庭の床や居間の天井はレベルを上げ、テラスルームへ大きく開き繋げています。それにより1階の居間に光や風、まちの音や気配を届けられます。
外観は隣地の家型ヴォリュームやバルコニーの形状を参照し、テラスルームにより、ひとかたまりのヴォリュームに切れ目が入り、背の違う家型が並ぶかたちとしました。
通りとのバッファーと室内外のふたつの階段、行き止まりのない平面により居室のプライバシーと暮らしやすさは確保しつつ、住宅全体が外と繋がり、まちの変化や気配を感じる住宅となることを目指しました。