家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討に役立つ機能や情報が満載!
アカウントをお持ちの場合
(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)
設計、監理を担当
東京から電車で二時間、1983年に建てられた木造の住宅のリノベーションです。
1980年代に量産された郊外の木造住宅の多くは、できるだけ大きな床面積を確保し、その中に6畳から8畳程の大きさの部屋を詰め込み、個々に仕切られた構成となっていて、部屋の中にいると全体の構成や他の部屋の様子がわからないものが多く、この住宅も同様でした。
平日忙しい家族が、小さなつながりを共有しながら住むために、建物を一直線に縦断する大きなコモンスペース(リビング)を配置し、そのコモンスペースを囲うように、外のような部屋、中の様な外のテラス、はなれのような部屋、アトリエ、寝室、読書室など、建物の中に様々な性質を持った一日の中でも一年の中でも様々に表情が変わる場所を用意しました。
コモンスペースは場所ごとに天井の高さを変化させ、一部は上部に吹き抜けを設置することで面積を調整し二階と一階をつないでいます。それにより内部に多様な視線の交差と、様々な空間の質をつくり、どこにいても家族の気配を感じることができます。1階のリビングダイニングの空間は梁を補強し可能な限り柱を撤去することでひとつながりの空間とし、2階は既存の柱をできる限り残すことでプライバシーの高い二階の個室を緩やかに仕切り空間にメリハリを生んでいます。
共用部を建物内に巡らせ吹抜で上下をつなぎ、住宅内に共用の空間をめぐらすことで、家族は、生まれ育った建物で、新しい生活を新しい発見をしながらを送り、この家をもう一つ先の世代につないでいくことが出来るのではと考えています。