2024/06/06更新1like196041view

著者:SUVACO編集部

古民家リノベーション事例40選

日本の伝統的な工法で建てられた古民家を訪れると、どこか懐かしくホッとする人も多いのではないでしょうか?
古民家や古い町家の情緒に憧れて、古民家をリノベーションして住んでみたいといった要望や、趣の良さを活かして人が気軽に集まれるカフェとして活用されているケースもみられます。

ここでは、味わいや趣を活かしつつ、現代の生活に合わせて新たな価値を生み出した古民家リノベーションの事例をご紹介します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

古民家リノベーションとは?

古民家とは、伝統工法で建てられた築50年以上を経た建物のこと。太くしっかりとした柱と梁などの部材を用いて空間を構成し、柱と梁の接合部は金物を使わず、仕口(しぐち)と継手(つぎて)によってつないでいます。伝統工法を用いた古民家には、先人たちによる快適に暮らすための知恵と工夫がつまっているのです。

古民家の魅力は、なんといっても、歳月を重ねたからこそ生まれる趣や佇まい。
とはいえ、現代人が古民家にそのまま住むのには不便な面も多く、現代のライフスタイルに合わせて設備などをリノベーションする必要があります。

既存建具を上手に再利用

1階は、和室だった2部屋をつなげた居間を中心に、キッチンとも一体的に利用できる間取りにリノベーション。2階は、間取りの変更を行わずそのまま活かしています。
古民家は「夏を旨とすべし」という考えから、冬は寒い空間となりがちなため、天井は構面補強と断熱材を付加。古民家リノベは費用が高いイメージもありますが、必要な設備のみ刷新し建具などは再利用をしてコストを抑えています。

Jパネルによる新旧素材のコラボ

築70年の古民家の再生事例。
国産杉の構造用合板「Jパネル」を用いて階段を造作し、新旧の素材のコントラストを楽しんでいます。手すりと棚を一体にしたデザインはモダンで、趣ある住まいの中でシンボル的存在となりました。

古材の丸太を現し仕上げに

天井を取り払うと現れた古材の丸太をそのまま見せて、伸びやかなLDKにリノベーション。
家の中心に設置した大きなテーブルは掘りごたつ式。キッチン側とひと続きになっていて作業台としても使用できます。

伝統工法ならではの小屋組の美しさ

古民家リノベーションで見どころになるのが、立派な柱や梁の構造です。特に大屋根を支える小屋組は、見どころの一つと言えるでしょう。
こちらの築約100年の古民家は、垂木と力強い小屋組が見どころだったため、天井を取り払ってその美しさを見せています。

京町家を改修した旅館

こちらは築100年の京町家を旅館へとリノベーションした事例。
玄関ホールが吹き抜けになっていることで、開放感のあるプラン。吹き抜けに設置したスポットライトがモダンなアクセントとなっています。

新旧素材のコントラスト

古民家リノベーションでは、新たに取り替えた木材と古木材をどのように組み合わせるかがデザインのポイントになります。

こちらの事例では、新たな木の部分に古色仕上げを施すことはせずあえて無塗装のままにすることで、新旧の素材のコントラストを楽しめる空間に仕上がっています。

通り土間と光庭を再生

築80年の長屋をリノベーションしたこちらの事例では、現代の暮らしに合うよう土間に床暖房を設置。
さらに光庭をつくることで、光と風が通り抜ける気持ちのよい空間に生まれ変わりました。

独自で開発した耐震フレーム

古民家をリノベーションする時に一番気になることといえば、耐震性ではないでしょうか。
こちらの築200年の町家リノベーションでは、独自に開発した耐震フレームをバランスよく配置することによって、伝統的町家の美しさを損なうことなく耐震補強をすることができました。

モダンな家具をレイアウト

築80年の古民家をリノベーションし、事務所兼住まいとして使用しています。
土間に置いたモダンな白い家具や透明感のある照明が、天井と壁の炭黒とほどよいコントラストを描きながら時を重ねた空間に馴染んでいます。

町家特有の寒さと暗さを解決

古民家リノベーションは住まいだけでなく、商業施設にもよく利用されます。
こちらは空き家だった京町家を、一棟貸しの町家旅館にリノベーションました。全面床暖房で、寒い冬も過ごしやすいリビングやバスルームから坪庭が眺められる明るい旅館へと生まれ変わりました。

町家をリノベーションしたブックカフェ

町家をリノベーションしたブックカフェです。
2階を撤去して梁を現しにした空間に、施主自ら世界中で集めたアンティーク小物が見事に調和。新たに設置したオープン棚がそんな空間にとても映えます。

ダイナミックな吹き抜けのある空間

築100年、伝統構法の古民家リノベーション。
若い世代が受け継ぐために、大きく減築~内装変更をしましたが、古民家は在来工法に比べ、よく乾燥させた丈夫な柱や梁を用いており、この先数十年安心して暮らせる耐久性があります。

梁を塗装して西洋的センスをミックス

和の伝統的な空間をそのまま活かすのではなく古い梁に無光沢水性塗料をあえて汚すように塗装することで、個性的な古民家リノベーションに仕上がりました。

透明なダイニングセットやクラシカルなソファを選んで、西洋的なセンスを上手く和にミックスさせています。

空間に調和したモダンなインテリア

和の面影を残しつつ、現代の暮らしに合うようリノベーション。
モダンな木製家具や照明もしっくりと馴染み、縁側から見える庭とインテリアが調和して心地よい空間が生まれました。

フレキシブルな間取りに変更

古民家リノベーションでは、これまでの空間を大切にしながらも、これからの暮らしにも対応できるようアップデートすることが大切です。

こちらの事例は、リビングと隣の部屋の間仕切りを開くと、2部屋を合わせた広い空間として使うことも可能。目的に合わせてフレキシブルに対応できる、使い勝手のよいプランとなっています。

木をふんだんに用いた古民家リノベーション

築70年の古民家を大胆にリノベーションした事例。

柱や梁は活かしつつ、内装材は新しい木をふんだんに使って積層したようなデザインの壁に。天井に板を設けていないので、梁の間から光が差し込んで広く明るいリビングダイニングに。

天窓からの光と風が通る、古民家フルリノベーション

築90年超の古民家フルリノベーション。

伝統的な町家らしさを外観に残しながら、安心して住めるように耐震性能を確保した明るく快適な住まい。階段を登る度に天窓の空が目に入り、そのすぐ下の室内窓を通してトイレやWICにも自然光が入るようなプランニングがされています。

築500年の古民家リノベーション

築500年の古民家再生。

天井裏には約500年間この古民家を支えてた松の大きな丸太の梁があり、その力強い構造を活した美しい空間が叶いました。伝統工法ならではの力強さと刷新した現代の設備、そして、樹齢200年の梅の老木がある中庭に続く魅力的な土間のある住まい。

幾何学的な桟が美しい欄間

約築50年の古民家賃貸リノベーション。

既存の美しい欄間と障子がひときわ目を引きます。このような素材はもうなかなか手に入らないので、それらを活かして新しい空間を造ることができるのは、古民家ならではの魅力です。

ホームインスペクションは重要

築100年ともなると、既存部材がどの程度利用可能かを見極める必要があります。

こちらの民家はシロアリによって腐っていた部材があったため、その部分を撤去し骨組みの状態からのリノベーションとなりました。

新旧の要素をバランスよくミックス

段丘上の眺望の良い家。

家具工房のショールームでも利用するために、古民家の個性的な木構造を尊重しながら、家具作品のデザイン要素を織り込み補強・再生することで、展示物と一体となる建物をめざしました。新しいものもバランスよく取り入れながら新旧を調和させています。

明治時代の古民家をレトロモダンに再生

明治時代の古民家をレトロモダンな雰囲気にリノベーション。

建てられた時代の雰囲気を残しつつ、できる限りの改修を行ってます。薪ストーブがあるだけで、家族が集う場所になること間違いなしですね。
水野 友洋「建築士の家」

インナーテラスのある平屋リノベーション

築50年の思い出が詰まった木造平屋の住まい。

耐震補強にもしっかり対応しながら、住み継ぐために新しい住まいのイメージでリノベーション。インナーテラスからの光と心地よい風がリビングダイニングへ通り抜けるゆったりとした空間です。

テラスとつながるリビング

かつての光庭を再生し、明るいテラスへと生まれ変わらせた長屋リノベーション。

床がフラットにつながっており、テラスとリビングが一体的な空間になりました。

しっとりとした和の雰囲気

しっとりとした和の雰囲気を大切にしながらリノベーションした事例。

玄関土間から続く広い和室は、現代の住宅ではなかなかお目にかかれない、昔ながらの風情を残しています。

さわやかなイメージの洗面所

古民家リノベーションでは古材をそのまま活かすことも多くありますが、水廻りはその時に合った設備にするのが良いかも知れません。

懐かしいイメージのタイルなどの素材を選ぶなど、色々な工夫が可能。

ゆらぎのあるレトロなガラス框の建具

昔懐かしい揺らぎのある建具が印象的な古民家。

ステンドグラスや柱、玄関、庭、縁側などに建物としての魅力があるのも古民家ならではです。「傷んでいる部分はあるけれど、味わいがあって好きなところはそのまま残したい」と施主の希望。室内にほどよい陰影が生まれます。

構造を補強しながら開放的な空間に

築60年、先祖代々に住み継がれてきた古民家を、若夫婦家族の暮らしに合わせてリノベ ーション。

2階の吹き抜け手すりに既存建物で撤去した廃材(パイプ)をアクセントに取り入れたりするなど、素材・プラン共に既存の良さを残しつつ、現代的な暮らしができる住まいになりました。

次世代に受け継ぐためのリノベーション

古民家で多く見られる『田の字』の間取りをベースにした大規模な改修工事。

柱・梁・壁などの構造部分を柔軟に取込みながら、意匠・機能共に一新。一方で、建具など元々の素材を大切に残すために、積極的に再利用。懐かしさ・想い出などを継承するとともに新居のアクセントにもなっています。

伝統的な外観や素材を生かす

なんと江戸時代の約築150年の古民家。

通り土間の風合いを残すために、既存をそのまま活かした玄関まわり。大谷石の後ろはホール側と土間側の両面から使える収納、ホール側はコート掛けにして土間側は下駄箱収納とし、ともに収納不足の悩みを解決。4世代6人の施主家族の大らかな空気感にぴったりの家になったそう。

築55年、障子の趣のある団地リノベーション。

昔ながらの団地、台形の間取りの中央に幅600近い大梁が通る住まい。

大梁を軸に左右にスペースを設けてコーナー分けをしました。外からの視線によって閉じる必要がある場所には、障子や框戸を採用。開放感と障子を閉じたときの静かな安堵感を選びとれるようになっています。

ヴォーリズの建築と向き合う

戦前の日本で数多くの西洋建築を手がけたアメリカ生まれの建築家、ウィリアム・メレル・ヴォーリズの建築のリノベーション。

ごくシンプルな構成で、配置中央の回り階段とそこに沿うビルトイン暖炉が唯一の特徴。非常に素直な間取りとなっています。

120年の住まいを受け継ぐ

代々受け継がれた築120年以上の住まいを大規模にリノベーションしました。

「自分たちの世代で取り壊してしまいたくない」という住まい手の想いから、新築ではなくリノベーションという選択で生まれ変わった住まいです。

築100年、アーチ型の構造補強柱で耐震

築100年超の長屋を、単身者または夫婦世帯向けの別荘としてフルリノベーション。
この住まいの特徴となった束ね柱と柱頭のアーチ型ガゼット・プレートは、長屋の特性を考慮して倒壊の防止に絞った構造補強。玄関を入ると、アーチ型の柱の奥に坪庭が見える視線の抜けが素晴らしい間取りプランです。

ゲストハウスから古民家を臨む

彦根市芹橋にある、築100年を超える古い民家を利用したゲストハウスの計画。

古民家を利用しながらも、古民家に泊まるのではなく、快適な環境で庭越しに古民家を眺めながら泊まることができる施設です。

想いを住み継ぐ

前オーナーが大切にしていた50年の歴史ある家と出会い、新たな息吹を吹き込むリノベーション。

窓や現しの根太は既存のままを活かしつつ新しいものと調和の取れたデザインが実現しました。

スキップフロアでリズムのあるワンルーム空間に

傾斜地に、築46年と築80年の2つの木造2階建が接続された状態で建つ住まいのリノベーション。

デザイナーのご夫婦の美意識と、時を重ねてきた物に対する想いを空間で表現。傾斜地を利用したスキップフロアのあるリズミカルなワンルーム空間で、家族の距離感もゆったりとした空間になりました。

築100年の家で百寿の祝い

祖父の百寿の祝いを翌年に控え、長年住み続けた自宅の再生を計画したリノベーション。

キッチンにいながらお祖父様の部屋の様子が分かるような動線プラン。床はアカシア、壁は珪藻土を使用。隙間風対策として断熱材をしっかり入れてたことで、冬でも暖かく過ごせるようになりました。

趣味を追求する古民家リノベーション

古い日本家屋の雰囲気に魅力を感じて購入した古民家をリノベーション。

どこか懐かしい雰囲気を壊さずに、今の暮らしに合う快適さをプラスして計画。大型バイクが収まる玄関土間は、格子戸などは既存を活かして和の趣きを感じる空間であり、バイク仲間も訪れる猫たちにとっても楽しい遊び場です。

平塚の光が差し込む平屋

平塚市の海岸線のほど近く、海風の香りが届く住まいをリノベーション。

自身が育ったこの家を、ご両親から引き継いで新たな世代のライフスタイルに合うように。経年美化した素材をそのまま活かしながら家事動線をまとめて、吹き抜けや欄間をつけることで暗くなりがちな室内を光が差し込む様になりました。

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