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適時、適在、適所。
この家には中心が不要と考えました。二人の距離感を体現するのに、核となる大きな空間が必要ではなく、お互いの関係性が適切に保たれる丁度いい空間と、さほど広くない家具の設えが必要と考えました。
それはリビングが広く主室に感じられる一般的なLDK形式の空間では、その関係性が一過性のものになってしまうため、それぞれの室の大きさを均質にしました。リビングやダイニングにいても、キッチンにいてもその丁度いい距離感のなかで何でもない会話がうまれる暮らしは豊かではないでしょうか。
ほぼテレワークのご主人。コロナ化の最前線で医療に従事されている奥様。お仕事のスタイルは対照的ですが、休日の過ごし方もそれぞれといいます。好きなことをお互い自由にしているけれど、その距離感がとても近い。私たちが最も印象的だったのは、そんなご夫婦のつかずはなれずの絶妙な関係性でした。家というとどうしても家族の居場所としての中心を創りがちですが、居場所としての中心はあえてつくらず、家族の過ごす場所が自然と中心になる暮らしをご提案しました。
空間に中心をつくらないことで、住み手である夫婦の居場所が中心となります。いつも家の中心に住み手がいることを目指しました。そのためにLDKの空間だけでなく、将来の子供部屋のスペースや階段までも広さを均質に揃えました。大きくない空間がズルズルと繋がることで、どこでも二人の丁度いい距離感がうまれ、住み手はいつでも部屋の中心に自分がいると感じられます。各室は窓の距離と天井高さの変化で多様な広がりを演出します。
人生の大きな買い物になるのだから、間取りに縛られず自分たちが長く住み続けたいと思える家を建てたいという思いがありました。ただ、私たちは建築に関しては素人なので、要望が100%通ってしまうのは少し怖くって。だからこそプロ目線できちんとNOを言ってくれる、選択肢を提示してくれるラ・カーサさんの進め方が好印象でした。他社より打ち合わせ回数が多いですと事前に言われていましたが、私たちのことを知ろうとしてくれている姿勢を感じて、その方がありがたいですとお伝えしました。デザイン提案についても自分たちの想像をはるかに超えていて、「ここで過ごしたらきっと楽しいんだろうな」とワクワクできたことが印象的でした。
リビングでもダイニングでもない居場所。腰掛けたり、寝そべったり、寄りかかったり。階段という段差に着目し、その段差を居場所づくりのきっかけにしました。階段も小さな居場所の拠点となります。
上部からのふんわりとした明りをまとう気持ちいいキッチンです。下をむいた作業が多い場所だから、時々上を向きたくなる居場所としました。また、キッチンからは家全体を見渡せ、家族の気配をいつも感じられます。
深い軒で守られた屋外テラスは、ふとした時に足が向く居場所です。ソトでもナカでもないテラスは、緩やかに暮らしに陽射しや風を導きます。また幼少期にブラジルでハンモックを使い過ごしていた体験を引き継いでいます。
将来の子供部屋として用意したリビング横のスペースは今はご主人のワークスペース。視線は通し、音だけを遮る間仕切りによって仕事中も家族の気配を感じられます。少しだけ籠るを体現したワークスペースです。
暮らしを街に開くために、隣家の配置や窓の位置に配慮しました。内向きの暮らしにならないこと、ふと顔をあげれば青い空や動く雲が見える、でも暮らしは見えにくい。そのために建物の配置を計画したら、特徴的な外観になりました。