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場所は郊外の古い住宅街に位置し、角地で約 100 坪と比較的大きい敷地です。施主は昔からこの地域に住んでおり、顔見知りも多く、プライバシー を確保しながらも周辺に圧迫感を与えない住宅を望まれました。また、この辺りは過去に床下浸水したことがあり、施主はその事を気にされていました。プライバシーを確保するため中庭形式としながらも周囲への圧迫感は抑えるという相対する問題に対して、居室の分割とそれをつなぐ渡り廊下で解決を図りました。通常、中庭形式の住宅は風通しや日当りが悪かったり、廊下部分が増えるのでコストアップに繋がりますが、この住宅では5つの棟に居室を分け、渡り廊下で繋ぐ構成とし、最大限の広さを確保した中庭を最小限のボリュームで形成し、各棟へ十分な通風と採光を獲得しています。 5つの棟を繋ぐ構成から生まれた5つの渡り廊下は、ウッドデッキや ダイニングの延長、家事室、内縁、中庭へのアプローチ、中庭越しに 最長距離を持って別棟を見る空間など、それぞれに違った特徴を持っています。また各棟はそれぞれ天井の高さ、屋根勾配方向、建築面積を変えており、場所によって全く異なる体験ができるように計画しています。ある棟から別棟を見ると隣家のように見えたり、浮いている渡り廊下の下から散歩をしている犬や人の足が見えたり、この住宅ならではの体験が沢山あります。渡り廊下部分には基礎がないので、通常の中庭住宅に比べるとかなり経済的です。また、大雨や床下浸水時には、排水がスムーズに行うことができます。分棟のボリュームは周辺のスケールと馴染んで、塀を設けなくても十分にプライバシーが守られ、近隣への圧迫感を最低限にしています。