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法律上建てることが可能な、
建坪16坪ちょっとの中に、
二世帯5人が暮らす場所を確保するために、
「広い家」を目指しました...。
住宅密集地に建つ二世帯住宅です...。 法律上建てることが可能な、 建坪16坪ちょっとの中に、 二世帯5人が暮らす場所を確保するために、 「広い家」を目指しました...。
出来るだけ広いスペースをつくり出すために、 まず、可能な限り大きな四角形で、 敷地全体を囲いました...。 そして、 その一部を刳り貫くようにして、 駐車スペースと、玄関へのアプローチを、 確保しました...。
家全体を見ると、 敷地を出来るだけ大きく囲った、 四角形になっていますが、 道路から見ると、 左右2つの部分に分かれています...。
左半分は、通常の外壁と窓、 右半分は、鉄と木で出来た格子になっています...。
駐車スペースの部分は、 玄関へのアプローチを兼ねています...。 そして、 1階親世帯の部屋の窓も、また、 この駐車スペースに向かって設置されているため、 この場所は、 庭の代わりにもなっています...。 住宅密集地に、 出来る限り広く、家を建てるために、 なかなか確保することが難しくなる、 貴重な屋外空間は、 駐車スペース、玄関へのアプローチ、庭、等々、 様々なものを兼ねた場所となっています...。
駐車スペースの部分には、 鉄の格子(グレーチング)の、 「屋根」が架かっています...。 「屋根」といっても、 スケスケの格子なので、 雨も通せば、光も通します...。 そのため、 この「屋根」があっても、 1階の窓から、 十分に光を採り込むことが出来ます...。
この鉄の格子(グレーチング)の「屋根」は、 スケスケであるため、 法律で規制される面積には入りませんでした...。 そのため、 この「屋根」を、 敷地全体に渡って、 架けることにしました...。 というのも、 下から見ると、 特に邪魔にもならない、 スケスケの、透明な「屋根」ですが、 2階から見ると、 家を広くする、貴重な「床」になるからです...。
2階にあがると、 駐車スペースの上に架かっていた、 鉄の格子が、テラスの床になります...。 この鉄の格子は、 光も雨も通す、スケスケの状態であるため、 「建ぺい率」の制限で、 規制されることはありませんでした...。 スケスケの床なので、 何もないのと同じ、というわけです...。 この、「透明な床」によって、 2階にある、リビング・ダイニングの広さを、 倍以上に、広く感じられるようにすることに、 成功しました...。
周囲からの視線に対しては、 敷地全体を大きく囲うことで、 目隠しをしています...。 レースのカーテンなどを使って、 窓のところで、目隠しをしてしまうと、 部屋の広さは、 カーテンのところまでしか、 感じることが出来ません...。 しかし、ここでは、 窓よりもずっと先の、 テラスまでを含めて、 大きく囲うことによって、目隠しをしているため、 レースのカーテンなどは必要がなくなり、 常に、視線は、その先の、 敷地境界線ギリギリまでを見通すことが出来、 リビングルームが、 倍以上の広さに感じられます...。
テラスと反対側の壁は、すべて、 収納になっています...。 収納といっても、 扉を付けてあるだけで、 内部は、 自由に使ってもらうようにしました...。 コストを下げながらも、 部屋全体の統一感を保つようにするためです...。 また、 天井は、部屋の奥の壁に向かって、 わずかに傾斜しています...。 厳しい斜線制限を回避しつつ、 部屋の奥行を強調したい、 と考えました...。
テラスは、 木の格子で、完全に囲われていて、 光と風は通しますが、 周囲から、のぞかれることは、ありません...。
リビング・ダイニングから、キッチン、 そして、洗面所へ...。 水廻りは、 最短距離の、一直線の動線で、 結ばれています...。 子供室は、 テラスを取り囲むようにして、 配置しています...。 リビングから、 いつでも様子をうかがうことが出来、 また、テラスを介して、 容易に、行き来することも出来ます...。
テラスに面した子供室の部分は、 法律上、可能な、 出来る限りの高さにして、 3階部分となる、ロフトを設けました...。 「広い家」にするために、 様々な部分に、工夫を凝らしています...。
キッチンは、 廊下や階段に向かって、 ガラス張りになっています...。 幼い子供や家族の動きが、 いつでも、目に入るように...。
キッチンと廊下との境を、 ガラスにすることで、 廊下や階段が、 何となく、明るくなりました...。 単なる通路ではなくて、 部屋の一部という感じに...。 また、 廊下の天井には、 天窓(トップライト)を設けたため、 さらに明るく、居心地がよくなりました...。 そこからの光は、 ガラスを通して、キッチンの方まで届き、 キッチンの方も、 単なる作業場ではなく、 明るく、居心地のよい場所になりました...。
一部に、 法律の面積制限にかからない、 地下室を設けました...。 この反対の面に、 大きな窓がとれるように、 テラスも一緒に掘ってあります...。 (ドライエリアといいます) そのため、 地下室であっても、 それほど暗くはなく、 圧迫感もありません...。 縁なしの畳を敷いて、 ちょっと和風の、 趣味の部屋になっています...。
住宅密集地の、 広いとは言えない敷地と、 厳しい法律上の制約...。 そうした中で、 屋内と屋外を、一体につなげて、 敷地全体を、広く使うことによって、 「広い家」を実現しようと考えました...。