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設計、監理を担当
東京新宿、曙橋駅から歩いて5分程の場所にある若い夫婦と子供2人が住む小さな住宅である。この辺りはいわゆる住宅地ではなく、中層マンションやテナントビルが混在した街なみを形成している。敷地は22坪の小さな角地であるが、周囲は5~10階建てのビルが近接しており、前面道路も狭く、庭は取れず、採光の確保が難しい。このような環境で単純に快適な住宅をつくることを越えた都心の住宅のあり方を模索しようと考えた。
建物の平面は6.5m四方として隣地側に寄せて配置した。道路側にできた空地を狭い前面道路へ還元するとともに道路斜線制限に天空率を用い、建物の外形は勾配屋根をもついわゆるイエ型ではなく、都市的な周りの建物に馴染むように腰壁付き陸屋根をもつ直方体のビル型とした。庭の取れないこの敷地に対して、陸屋根のすべてをテラスとすることにより都心の空を大きく獲得した。内部は外形と入れ子構造にし、2つの腰壁付き直方体が路地をつくるように間隙を与えて仕切る。外形を含めた3つの腰壁付き直方体が内部に街路を引き込み、街なかを通り抜けるように、建物から建物へ移るように内部の各領域をつなぐ。
各領域の配置について、まずいちばん時間を多く過ごすパブリックなLDKを採光通風上環境の良い上階へ街路から連なるように配置した。LDKは曖昧な広さのワンルームになることを避けるため、L・D・Kを腰壁によりカスケード状に床高さを変えながら仕切った。床座でくつろぐリビング、椅子座で食卓を囲むダイニング、立ち作業で料理するキッチンのそれぞれにちょうど良い広さと天井高さ与え、機能に特化した領域とした。腰壁により仕切ることで街が天空を共有するように6.5m四方の天井をそれぞれが共有している。目線の位置を変えることによりそれぞれは独立性のある領域から、伸びやかに繋がった一体性のある領域へと変容する。このことにより住まい手はひとつの領域に集まることはもちろんのこと、一人ひとりがL・D・Kのどこにいても互いの気配を感じながら適度な距離感、密度感のある居場所をもつことができる。寝室は就寝するという機能に特化した。開口部を小さく抑え、この建物で最もLDKから離れた静かな位置に計画した。プライベートを必要とする収納、水廻りは直方体の内部に配置した。収納は納戸、床下収納としてリビングのある腰壁付き直方体に収納コアとしてまとめて大きく確保し、将来の間取変更に対応できるようにした。浴室などの水廻りはキッチンのある腰壁付き直方体に水廻りコアとして配置した。収納、水廻りをコアとしてまとめることで建設コストを抑えた。
この住宅は3つの腰壁をもつ直方体によりつくられている。この建築形態により窮屈になりがちな都心の小さな住宅に開放された街なかのような人、視線、光、風の流れをつくり、気配、距離、密度を変えて住宅の多様性を獲得すること、そして都市と建築、人と建築の心地よい関係を生みだすことにより都心の小さな住宅のあり方を示したいと考えた。
近隣商業地域(非住宅地)である立地から、外観は小さなビルの様なシンプルな佇まいとした 人や車の通りが多い前面道路に対し、プライバシーを守りつつ、建物規模や内部の間取が外に現れないように配慮した 屋上はすべて腰壁付きの陸屋根となっており、道路からのプライバシーを守られた開放的なルーフテラスとなっている
近隣商業地域(非住宅地)である立地から、外観は小さなビルの様なシンプルな佇まいとした 人や車の通りが多い前面道路に対し、プライバシーを守りつつ、建物規模や内部の間取が外に現れないように配慮した 屋上はすべて腰壁付きの陸屋根となっており、道路からのプライバシーを守られた開放的なルーフテラスとなっている
近隣商業地域(非住宅地)である立地から、外観は小さなビルの様なシンプルな佇まいとした 人や車の通りが多い前面道路に対し、プライバシーを守りつつ、建物規模や内部の間取が外に現れないように配慮した 屋上はすべて腰壁付きの陸屋根となっており、道路からのプライバシーを守られた開放的なルーフテラスとなっている
外部を建物内に引き入れるように、玄関アプローチから玄関、玄関ホールまで舗装材が連続している
玄関ホールは吹き抜け空間となっている 2階のLDKと吹き抜けでつながった明るい玄関 屋上へ上がる階段塔屋が玄関を明るく照らす 写真の正面2階の奥はキッチンとなっており、キッチンから玄関や1階の家族の気配を感じることができる
玄関ホールは吹き抜け空間となっている 2階のLDKと吹き抜けでつながった明るい玄関
1階玄関ホールから2階を見上げる 玄関からつらなるタイル張りの階段を上がるとダイニングスペースとなっている 上部階段とダイニングの窓からやさしい光が降り注ぐ
2階ダイニングから屋内を見わたす 建物中央の階段塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の奥はリビングスペースの腰壁、右手はキッチンスペースの腰壁 LDKのそれぞれが床高さを変えたスキップフロアとなっている 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階ダイニングから屋内を見わたす 建物中央の階段塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の左手はリビングスペースの腰壁、右手はキッチンスペースの腰壁 奥は玄関上部の吹き抜け LDKのそれぞれが床高さを変えたスキップフロアとなっている 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
ダイニングから外をみる 右手は床高さを変えたリビングスペースの腰壁
2階ダイニングから屋内を見わたす 建物中央の階段塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の左手はリビングスペース、右手はキッチンスペース LDKのそれぞれが床高さを変えたスキップフロアとなっている 多様な居場所を計画 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階ダイニングから屋内を見わたす 建物中央の階段塔屋からやさしい光が降りそそぐ 腰壁がキッチンやダイニングとの距離を調整している ソファに座ると読書や映画などに集中できる落ち着いた空間
2階リビングから屋内を見わたす 建物中央の階段塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の左手はダイニングスペース、奥はキッチンスペース LDKのそれぞれが床高さを変えたスキップフロアとなっている 多様な居場所を計画 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階キッチンからダイニングスペースを見る 階段上部の塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の右手にはリビングスペースが見える スキップフロアによる多様な居場所を計画 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階キッチンから屋上へ上がる階段を見る 階段上部の塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の奥にはリビングスペース、左手にはダイニング、右手には階段上部の吹抜が見える スキップフロアによる多様な居場所を計画 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階キッチンから屋上へ上がる階段を見る 階段上部の塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の奥にはリビングスペースが、右手には玄関上部の吹抜が見える 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階リビングから屋上へ上がる階段を見る 階段上部の塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の右手にはキッチンスペースが、奥には玄関の吹抜が見える 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階リビングから屋上へ上がる階段を見る 階段上部の塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の奥にはキッチンスペースが、左手には玄関の吹抜が見える 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
2階キッチンから屋内を俯瞰する 階段上部の塔屋からやさしい光が降りそそぐ 写真の右手には階段上部の吹抜、奥にはリビングスペース、左手にはダイニングが見える スキップフロアによる多様な居場所を計画 家族の気配や光、風を伝える吹き抜けワンルーム空間
家族の成長に対応し、将来2部屋に間仕切ることを想定した寝室 2段ベッドや高さのある収納家具なども置けるよう天井高さを2.6m確保 床仕上げは将来の間仕切り設置などに対応しやすいコンクリート
1階収納スペース このスペースに既製の収納ラックなどを並べ、広い収納部屋として使用する 将来の家族の成長に伴い、寝室の追加も視野に入れた窓や建具などを計画 上部は2階の床下収納と吹き抜けでつながる 明るく風通しのよいスペース
スキップフロアの床段差を使用した床下収納スペース 1階とは吹き抜けを介しつながり、2階ダイニングとはすりガラスの引き戸を介しつながる明るく風通しの良いスペース
屋根のすべてをつかったルーフテラス 都心の小さな土地では十分な庭を設けることが難しいが、本計画では屋根のすべてをルーフテラスとすることで大きなアウトドアスペースを獲得した 外壁から連続した腰壁が前面道路からのプライバシーを守り、大きな空の下、開放的に余暇を楽しむことができる