家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討に役立つ機能や情報が満載!
アカウントをお持ちの場合
(OFFのときは写真にマウスオーバーで表示)
設計、監理、インテリア、エクステリア(庭・外構)を担当
空き家になっていた、築80年の長屋をフルリノベーションし、賃貸長屋として再生しました。リノベーションゆえの古材の良さを生かしながら、プライバシーを重視・心地よさを優先した現代的な生活を満喫できる間取りに変更しています。地域のランドマークになる様な、可愛らしい家の形の外観と、小屋の中の様な室内空間が評判の人気の賃貸になりました。
建物が古く、空き家になっており困っていた施主から相談を受けたことから、計画が始まりました。新築に建て替えるのかリノベーションをするのか検討した結果、長屋をリノベーションし、人気の賃貸に生まれ変わらせ、将来にわたって貸していこうと言う結論になりました。差別化できるデザイン・仕様・設備とする事、事業収支から住戸数を3戸から4戸に増やしたい事、見たことのない独自のデザイン性の高い外観にしたい事、賃貸ゆえにメンテナンス性も考えられている事がご要望にありました。また、古い住宅密集地の為、権利関係が複雑になっていたのですが、資産として継続的に維持する為に、周辺環境との権利関係を整える工事をする事も希望されました。
計画を進めていく中で、敷地いっぱいに建っている建物ではあるが、各部屋ごとに自転車置き場が欲しい、同様に物干しスペースが欲しい、耐震補強をし防水性も高めていくという方針になりました。
屋根を一部架け替え、家の形にした外観は、可愛らしい姿に生まれ変わりました。既存屋根は増改築を繰り返していたお陰で複雑に掛けられ、天井の中にも、も宇一舞古い屋根が隠れている程でした。そこで小屋を一部架け替え、シンプルな屋根とする事で雨漏りのリスクを減らし、切妻(三角屋根)の家の形にする事で、小屋感のある可愛らしい外観としています。屋根材を外壁に貼り、ウロコの様な模様のアクセント壁になっています。外壁のオレンジ色は施主と一緒に悩んで決めましたが可愛らしさを増しながら、家型の形もあって主張しながらも、周囲に馴染んでいます。
住戸数を3戸から4戸に増やす為に、苦心して間取りを変えています。さらに、自転車が置ける土間がある部屋、梁の出た・高い天井の部屋、ルーバーに囲われた部屋など、それぞれが個性豊かな空間の質を持っています。
道路そばの建物は、1階は部屋の目の前が道路でプライバシーが損なわれていました。そこであえて土間空間を設け、外部との干渉エリアかつ自転車置場・洗濯物干場とし、光を取り入れる明るい部屋でありながら、不安感をなくすプライベート空間としています。2階も同様に、外壁を部屋の中まで下げることでバルコニーをつくり、同じ効果をもたせました。生活する部屋をあえて小さくする事で、逆に住環境が良くなっています。
部屋の内部は、構造の梁を見せ、古い良さを出しながら、フローリングと木製合板の壁が、
シンプルな質感を保ちながらも、心地よい変化をもたらしています。
完成後、前の道を歩く女性、小さな女の子から大人の女性までが口々に、「いや~可愛いお家」と言いながら通って行きます。男性はなぜか、「かっこいい」と。デザイン性の高い外観は、周囲になじみながらも、近隣の方皆が知るランドマーク(目印)の様な家になっています。賃貸募集をしたところ、見に来ていただいた方が必ず申し込みをしていただけ、訴求力と人気があります。
リノベーションか、新築への建て替えかを検証し、リノベーションをして空き家活用をしようという事になりました。既存建物の調査に入ると、1階だけどうも真ん中にすき間がありました。元々は2つあった家を1つにくっつけ、その後2階は別の一つの住戸にしたり、また元に戻したりと、増築・改築を複雑に繰り返していたその名残の様でした。更に最も古い部分は、約80年前につくられた建物でした。実際工事を始めると、建物の中央の部分に弱い構造が出て来て、構造補強をしっかりしています。また構造的には、2つの建物に橋が架かっている様な状態だったのを、一つの堅固な建物に改修して工事を行いました。長屋の為、隣の家と壁を共有していたところを、権利関係を整理する為に、切り離して隣家と独立した建築に直しています。敷地境界も、隣地の方立ち合いの上確定させ、将来の不安が無い状態をつくりしました。施主は外壁タイル貼りも考えていましたが、タイルの重さによる耐久性の劣化を考慮し、屋根材を外壁に貼って、ウロコの様な・大きなタイルの様な壁のデザインを提案しました。
増改築が複雑繰り返され、隣家と共用していた壁を切り離すという、難易度の高い工事条件に、難しくて工事を尻込む工務店もありました。設計を進める中で、工事の手順・工事方法も整理・方針決めをする事で、難しい工事を正確に行う事が出来ました。
築80年の長屋をフルリノベーション。 屋根を一部架け替え、家の形に整えた外観は、可愛らしい姿に生まれ変わりました。 色彩が可愛らしさを増しながらも、周辺にはビックリするほど、馴染んでいます。正面・東側の人通りの多い通り側の窓は小さくし、プライバシーを確保し、南側窓は大きくし光を明るく取り入れながら、ルーバーテラスや土間空間を挟むことでこちらも、 プライベート空間を確保し、不安感をなくしています。
部屋から繋がっている土間です。自転車置き場にするなど、外置きのものを置けます。 また、サンルームとして使え、洗濯モノを干したり、観葉植物の育てる場所になったりします。 土間の窓を開けると、直ぐに道路になっている為、土間がクッションの役割を してくれプライバシーが守られつつ、半透明の引き戸が光を室内に取り込みます。 住宅密集地で快適に住む為の工夫として 新たに土間を作りました。
天井を無くし屋根 のしたの小屋梁を見せる事で、天井の高い空間の広がりが出来、圧迫感を無くしながらも、小屋梁で包まれているおこもり感が出来ています。 小屋梁は、構造材ですから、構造が直に見えその力感が伝わって来ます。力感を感いることが、守られている安心感につながっています。
リノベーションで、元々無かったところに、あえて土間空間を作り自転車も置ける様にしています。建物出たすぐ前が道路なので、土間空間を生活空間と挟む事で、外部とのクッションになるバッファ空間になり、外の道路を人が通っても気にならない。洗濯モノを干すサンルームにもなり、外で使うモノの置き場所にもなる。 意味ある余白になっています。
家に帰りたくなる・・・家の玄関が見えるとほっとする。照明はそんな雰囲気をつくってくれます。 淡い光で、目立たず手元だけを照らした照明。 落ち着いたあかりで、扉の鍵穴が見え、不便なく使えますが、主張はせず自分たちだけが、分かる照明の使い方です。目立ちまでせんが、雰囲気のある灯りです。
ちょっとした、小さな収納があると、生活するのに凄く便利です。リノベーションでは、柱梁をどうしても動かせない場合があり、そんな時に小さなスペースが出来てしまうことがあります。そんな時は、収納を作ってしまいます。
天井の高さに変化をつけるのは、ゆったりした余白ができて開放感が出来るから。 特に斜めの天井は、空間に流れが出来て気持ちの良い場所になります。 場の動きって、けっこう大切なんですよね。 部屋が小さくても、意外と気にならなく、親密感が出て来たりもしますよ。
水廻りを近くに纏めると、動線が効率的になります。キッチン・トイレ・浴室・洗面、全て近くに纏めました。
外壁:屋根材を外壁に使う、建築素材の、魅力が増す素敵な使い方!
外壁の板が重なった仕上げ材は、本来屋根に使うコロニアルという材料を、壁材に使っています。 コロニアルは一枚一枚、一部分を重ねながら貼っていく素材で、重なりしろ部分に小さな段差ができます。光があたると、小さな影が重なりしろに出来、独特の素材感が生まれます。
木の部屋って、全部木にすると良いかというとそうでも無く、全部木のすると圧迫感なんかも出てきます。 マットな感じに、壁と天井を構造用合板で貼ってみました。 白い壁は塗装で。 フローリングの柾目・壁天井の合板・白の壁との色のトーンのバランスが中々良いです。 自然素材使った家ですが、針葉樹のラーチ合板の印字をサンドがけして消したら、マット質感に仕上がりました。
小屋のような質感の家は、程良くコンパクトで、圧迫感無いおこもり感があります。 守られている安心感を感じる家です。
3角形の屋根の切妻にすると、とたんに「お家」感がでます。分かり易く「家」っていうイメージに。 折角な住宅、外観も素敵にしたい。切妻はそんな時に、意外と色々な方向で整えられる万能感ある形かなと考えています。 右側のレンガの様なウロコの様な壁と、塗装の壁の比率。いろんな事情があってこうなったけれど、中々良い感じのアクセントになってますね。
ラーチ合板は、本来構造用に使う合板で、仕上材としてつくられていない材料。ちょっと荒いけれど、針葉樹系の木材で木目の質感がサラッとした風合いが主張し過ぎない空気感をつくってくれます。 ちょっと加工する事で、上品に 表面をサンダー(ヤスリ)をかけると、板表面の粗さが削れ、優しい質感になります。保護用の浸透系の塗料で塗ると風合いを変える事もできます。
プライバシーに配慮して、開口部をハイサイドライト(高い位置の窓)にした寝室です。道路側からは覗かれない様、小さな窓にしています。
リビングとキッチンの間のカウンター上の開口には、引戸を設置して閉める事も出来ます。
天井の間接照明から照らされた、玄関ポーチ全体が、一つの照明の様になり、前を歩く道を照らしています。外壁のオレンジ色が反射し、黄色い光があふれ、街の中の道しるべの様になり、我が家の場所を遠くからでも気がつくことが出来ます。タイマーで着いたり消えたり・人感センサーで反応させたりします。
キッチンとダイニングをつなぐカウンター上の開口部に、引戸を設置する事で、キッチンとダイニングを繋げたり開けたり出来る間取りです。
お子さんが、帰ってきた時に、直ぐ手洗いをする習慣づけにも。 新型コロナ予防の為にも。 家に入ったらすぐに手を洗える様に、玄関に洗面器をつけます。子供に家に入ったらすぐ手を洗わせたいと、子育て中のママさんは、考えます。 その為には、玄関に手洗いがあるのが一番です。 洗面器と一緒に、子供の学校グッズなどの荷物置き場を設えると、自分でお出かけの身支度をする習慣づけになり、自分の事は自分ですることを教える事ができます。 防疫と子育て、両方に効果のある玄関洗面器は、これからの住宅では、必要な設えかも知れません。
階段前の、ちょっとした土間玄関:アウトドアモノや自転車置場に
あえて作り込まずに、場を開けておく事で、何でも置ける土間空間です。棚を置いて、水や米を置くもよし。アウトドアの道具を置くもよし。自転車置いておくも良し。トランクを置くもよし。
外壁に、素材を感じる材料を使うと独特の雰囲気になります。コロニアルの微細な凹凸が写し出す光と影と質感が、個性のある存在感を持ちます。 細かい形が繰り返す姿が、綺麗なデザインになります。
ウロコの様な壁が他にない、個性を生み出しています。
全体を同系統の質感の仕上にする方法もありますが、場所場所で違う設えによる変化を楽しむ家も良いものです。廊下は白のマットな場所で、リビングの扉を開けた瞬間に、木で作られた小屋の方な空間が現れると、わっと感じる場にワクワクします。
2種類の違う素材の壁の階段は、移動の場を楽しむ場にしてくれました。
トイレの壁はどうしても汚れやすいです。そこで、床から腰の高さまでの壁をキッチンパネルを貼り、汚れてもサッと綺麗に出来る仕上です。
リノベーションでは耐震性に欠ける戸建ての場合は、構造補強・耐震補強をします。基礎が弱かったこの家では、ベタ基礎を新たにつくり構造補強を行いました。
築50年以上の戸建て住宅だと、耐震性に欠ける場合が多いです。戸建てリノベーションでは、柱梁を増やし、耐震壁を増やす事で、構造強度を確保します。床も構造用合板を貼って剛性をとりました。