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設計、監理を担当
横浜市にある築60年ほどになるマンションのリノベーションです。内井昭蔵さんという建築家が設計したこのマンションは、東西に桜の見える大きなテラスを持っていることが大きな特徴です。
ご夫婦とお子さんが移り住むにあたり、間取りを一新し、いただいたご希望を踏まえながら、マンションの特徴を最大限に活かすことを心がけて設計しました。
お客さまはこのマンションのことを元々ご存知で、将来は移り住むことを願って近くの同じ建築家のマンションに住んでおられましたが、マンションに空室が出たことを機に購入されました。
そのこともあり、元々このマンションが持つ特徴を活かすことを前提として考えました。
床面積は65㎡ほどと、お住まいになる人数を考えると決して広くはないこと、東西に気持ちの良いテラスがあるので、それを活かすように設計してほしい、とご要望をいただきました。
既存の間取りは東西のテラスに繋がる場所を、それぞれリビングと寝室として割り当てられていました。普通に設計するとそうなるのですが、気持ちの良い場所を家族で使えるようにして、居場所がたくさんある方が家での生活が豊かになるのではないか、と考え、東西のテラスに面した場所を少し性格の違うリビングにする提案をしました。
寝室は、キャビンのようなカーテンで仕切られたベッドを置けるほどのコンパクトなスペースにして、周りを回遊できるようにすることでそれぞれのリビングに距離感を生んでいます。また、その壁に棚や収納、場所によっては光がもれる障子を設けるなど、動線が豊かになるように様々な工夫をしました。
限られた空間を有効的に使い、家族の居場所がたくさんあることでとても住みやすい、とご感想をいただきました。お子さんがデスクワークをするときにはご夫婦は反対側のリビングにいたり、音楽を聴くリビングとテレビがあるリビングを分けて使われており、気分によって居場所を変えられるようにお客さまも工夫しながら使われている姿を見て、私たちも大変嬉しく思います。
最初は直接webサイトからご連絡をいただきました。芸術を学ぶ学校に通われているお子さんが弊社の事例をご覧になられて、「窓周りのつくり方が良いと思って」と感じていただいたことがきっかけだったそうです。
マンションのことは私も存じ上げており、様々なプランが思い浮かんだので、ファーストプレゼンで何案もご提案しました。その中でも私たちとお客さまが最も良いと感じた案が一致し、お打ち合わせは順調に進みました。
ときには、お客さまの家の近くのレストランで美味しいお酒を交わしながら、ざっくばらんに意見交換をしたのもとても良い思い出です。
お客さまはデザインや芸術に携わるお仕事をされていることもあり、こちらの意図をすぐに汲み取っていただけたことや、高い理想に設計面と施工面の両方でそれ以上のもので応えたい、という思いがあり、プレッシャーを感じる反面、大変力がみなぎりました。たくさんの時間を共に過ごし、デザインについて議論させていただけたことがしっかり形に現れて、豊かに過ごされている姿を見て、大変感慨深い気持ちになりました。
大きな造作棚がある窓辺のリビング。 造作棚には趣味のレコードや本が並びます。 西側に面しているので、西陽対策として断熱ブラインドを設置しています。 それにより、明るくて落ち着く縁側のようなスペースとなっています。
東側にあるテラスに面したリビングです。横にキッチンがあり、ダイニングのように使うことができます。 テレビもあり、家族みんなで団欒をしやすいつくりになっています。 東側にあるので桜の木越しに朝の光が入ってくる、明るいリビングです。
西側にあるリビング。テラスと繋がり、開放感のある場所です。 床のフローリングはちょうな加工をしており、一緒に暮らすペット(中型犬)の足にも優しい仕上げとしています。 大きな造作の棚をつくり、家族の趣味である音楽を聴いたり、ゆっくり読書をしたり、デスクワークができるスペースです。 テラスも広く、趣味であるガーデニングもしやすいよう、一体的に使えるようにしています。
西側にあるリビングです。大きな造作の棚をつくり、家族の趣味である音楽を聴いたり、ゆっくり読書をしたり、デスクワークができるスペースです。 棚の下には、お気に入りのキャビネットをおき、必要なときに出せるようにしています。 夕方の西陽を遮れるように断熱ブラインドを設置しています。閉めると光が拡散し、明るく落ち着ける場所となっています。
東側のリビングをキッチンからみた写真です。 このリビングに面したテラスからは桜の木をよく見ることができます。 ダイニングテーブルだけでなく、小さなデスクやソファなどを置き、たくさんの居場所を散りばめています。 ペニンシュラ型のキッチンには、ステンレスと竹を使用しています。
リビングには、大きな造作の棚に囲まれています。 趣味のレコードや本などたくさんのものがおけて、鑑賞できるようにしています。 床のフローリングはちょうな加工をしており、一緒に暮らすペット(中型犬)の足にも優しい仕上げとしています。
キッチンからダイニングを見た写真です。 キッチンはステンレスの部分が製品で、竹でつくった部分が造作部分、というハイブリッドなつくりになっています。 造作の部分には最大限機能的に使えるように、ゴミ箱や家電製品に合わせて寸法を決定しています。
ダイニングからキッチンをみた写真です。 キッチンは、ステンレスのキッチンと竹の集成材とし、水汚れに強い素材を用いています。 ダイニング側からちょっとしたものが取り出せるように、小さな棚を設けています。
西側のリビングにはカウンターデスクをつくっています。 落ち着いたリビングで仕事や勉強ができるようにしています。 寝室を介して、奥のキッチンやダイニングへとつながります。 風が通り抜けるひと繋がりの空間でありながら、距離感を生むつくりとしています。
玄関から廊下を見た写真です。 玄関には大きな土間収納があり、靴や外着などをゆったり収納しておくことができます。 突き当たりは寝室とを仕切る棚で、趣味のミニチュアカーなどを置く飾り棚となっています。 背面は麻布で仕切っており、夜は光がやわらかく漏れます。 棚の下には、元々キッチンの扉として使われていたオーク材を再利用して、収納の扉としています。
個人の寝室はコンパクトなスペースですが、ベッドの下が収納になっていたり、小さなカウンターでちょっとした書き物をしたりすることができる場所になっています。 廊下の棚との境界には麻布を施し、柔らかく繋がる空間となっています。