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建て主はフランスに滞在経験のあるデザイナーです。敷地条件を上手く活用して、プライバシーが高く広く明るいリビングとテラスを設けることと、ビルトインガレージ、植栽のある庭の合理的なレイアウトが大きなテーマになりました。多くの樹木に囲まれた広い庭を持つ住宅の建て替え計画ですが、南側には隣家が接近して建つため、南面のプライバシー確保は難しく南側1階部分は日照もほとんど得られません。そこで、建物は南に寄せて配置し、採光の必要がないガレージを南側1階に2階にはLDKを設け、南側の住宅の屋根越しに充分な日照を確保するLOW-Eガラスのトップサイドライトを間口一杯に設けています。
また、LDKの北側には広いデッキテラスを設けテラスを囲む北の壁が南からの日照を受けるようにすることで、LDKとテラスは南と北からの充分な採光で満たされ、リビングのインテリアはテラスまで拡張します。建物を南北に寄せた代わりに東西には庭を設け植栽を施し、東西の風は緑を介して家の中を抜けて行きます。素材は質感や間接照明による表現を大切にする建て主の意向に沿って選定されています。桐の天井のリビングからホワイトアッシュの階段を下りるとシトロエンが待つビルトインガレージという構成です。