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延べ76坪と住宅としては大きい。オーナーは海外での生活が長く各室の規模も大きめの結果である。木造の吹き抜けをリビングに設けそこから谷戸の緑、季節感を堪能する。
吹き抜けの木組、竹すだれなどのレイヤーで和の奥ゆかしさをしつらえる。
リタイヤ後の住まいの地として、海外でも有名な日本の鎌倉を選ぶ。海外において何度かの住み替えにおいても満足できなかった落ち着きある住まいを日本の木造住宅に求め、かつ機能、感性ともにモダンな色彩を持つ住まいにこだわった。
この住まいの木製建具はアンティークなものでそろえた。
玄関の欅の蔵戸、ホールの三枚格子戸は四枚で販売していたものを建具の召し合わせを工夫して3本の引き戸に変え、エアコンの吹き出しには古欄間のカバー、光を廊下に得るステンドグラス入りのドア、吹き抜けに面する手すりの腰には左右対称の黒柿の古欄間を利用するなど。建具の高さは昔は低かったので現代に合わせるため部材を加え不自然に見えぬよう竹を間にはめている。
現在の家に移住して早丸4年になる。すっかり居住環境にも慣れ、此の家と共に日々シニアライフをエンジョイしている。
30年になる海外での長い生活に区切りを付け日本に戻ったのは5年前、帰国に当たって、私たちは今まで住んだ経験の無い、木造の和モダン住宅の新築を計画した。5軒目の挑戦である。これまで日本及び海外で4軒の家造りを経験したが、いずれも住みやすかったと言えるほどの満足感は得られなかった。何かが足りない。私たちは、それを「癒しの様な感覚」と結論付けた。妻は外国人であるが、幸いにも新築に当たってのコンセプトと基本は私と共有しており、かなり欲張ったものであった。つまり、和風建築ではあるが、間取りは出来るだけオープンでゆったりとする(特にキッチン、リビング)、それに天井は高く、窓は大きく、それにデッキは広くという、和風建築のイメージとはかなり異なるものを両立させること。最大の問題は、私たちの要求を実現する設計をどこにお願いするか。色々住宅関連図書、インターネットなどで調べたが、これぞという会社が見つからず困っている時、ある日、日本にいる息子から、偶然ネットで見つけた「鎌倉設計工房」という設計事務所が面白そうなので一度当たってみたらという連絡を受け、急遽日本に一時帰国した。そして私たちは、鎌倉設計工房の藤本社長さんとの何回かの面談し、頂いたご提案と建築実績、現場訪問を通じ同社にお願いすることにした。
実際、4年住んでみて、強調したい点は、全体設計の良さからくる「住み心地の良さ」、「快適さ」、そして今に至るまで「飽きを感じ無い」感覚など同社の仕事には満足している。細かくなるが、特に気に入っている点としては、藤本社長さんのこだわりの一つでもあるベンガラ、深みのあるベンガラ塗装を多用し、また庇を長めにすることで建物に陰影を持たせたこと。それと漆喰の白壁とを対比させ、これにより私たちの求める「静寂さ」と「癒し」を創り出すことができた点。更にもう一つ、同社が推奨する、日本のアンチークな時代家具、建具の利用ということである。玄関扉に「蔵戸」を、和室には「書院」、欄間、格子戸などなど各部屋で「和の遊び」が強調できた。ただ時代建具は、全般的に寸法が小さく、まちまちで取り纏めの鎌倉設計工房さん、建具屋さん泣かせとなった。
毎朝、庭を眺めながら広いデッキで家内と飲むコーヒーの味は格別である。
ご子息が来社し日本に帰国するご両親の住まいの設計を依頼された。一時帰国されたご両親からご希望等、お話を伺い、本格的な帰国まで何度か帰国なさるたびに重点を置いた打ち合わせを行った。工事に関しては建設会社工務店に依頼するのではなく、個別の職人さんに個別の工事を依頼する分離発注で行った。これはConstruction management(CM)といわれ
通常欧米等海外ではこの方法で施工し、クライアントが帰国前に住んでいたキプロス他でもこの方法で施工したご経験があり、また弊社も得意とする施工方法であった。
奥様は海外の方であるがインテリアのセンスは見事であり家具の選択にも遺憾なく発揮されている。工事はち密さが要求された。特に玄関の人造石研ぎ出しは、弊社傘下の左官職人と事務所のスタッフのCAD図目地製作の賜物で、手本とした埼玉県桶川にある遠山記念館(日興証券を起こした方の記念館)玄関ホールの亀甲型人造石研ぎ出しに近づけることができた。
谷戸に潜むので周りは小高い山々がつながるが、北側の個室の障子を開けると、山間のわずかなスペースに遠く富士山が見える。
建物の向きは西南で夏の西日は厳しい。 中心となるリビングには深く軒を庭に向かってはねだす外部吹き抜けを設け室内の吹き抜けと一体化させている。 また径25ミリの竹を簾として扱い夏の西日に備えるとともに、谷戸の緑を簾越しに奥ゆかしく見せる役割も担う。
屋根を支える柱、左手の空間がカーポートになります。 右手奥が玄関。屋根の軒先ラインとべんがら塗装の杉板壁ライン、および外側の塀とで水平線を強調し、玄関周りを和とモダンな印象を与えます。
カーポートの屋根。軒裏は構造体を表す木組み。 それにべんがらを塗装することで深みのある陰影を醸し出す。正面の腰壁は外部から屋根の下へと続き車を誘導するイメージ。
玄関戸は蔵で使われていたもの。 素材はケヤキ。 塀のべんがら壁は」そのまま内部へと続く。 床の人造石研ぎ出しは、左官職人の技と弊社のスタッフによるCAD目地図の賜物。埼玉桶川の遠山記念館にその範を求めている。
玄関の蔵戸を開けると正面に格子戸があり 奥への視界を柔らかく遮ります。 上の欄間は二階の廊下とつながります。 2階においても玄関の人の出入りが確認できます。
玄関ホール。正面の小窓から帰宅時の車のテールライトを確認します
玄関の上がり框板および敷居はケヤキ材。カウンターは漆塗り。
格子戸を透かして玄関を見ている写真です。 3本引きの格子戸は、購入先の古福庵では4本引き違い戸としての販売だったがそのうちの3枚を調整して使用した。建具の端部での重なり方、招合わせが異なるので引手も含めて新たに整えている。
右手に玄関に続く格子戸を見ています。 床はオーク材、壁は漆喰、天井は構造体表しの上べんがら塗。入口の格子戸、その上の欄間はいずれもアンティーク製品で昔のものを再利用しています。
右下の格子戸が玄関に続きます。 左側には暖炉があり、さらに庭へとつながります。 左奥には麻雀ルーム、黄色の襖は和室。2階は書斎手すり壁には黒柿の古欄間をはめ込みます。黒褐色の部位は 木部で全てべんがら塗装を施し陰影の美しさを楽しみます。
リビングの部分写真です。 上階が吹き抜けに張り出しています。 和室の襖をあけてリビングとつなげて見ています。 右側の漆喰壁の一部に「へこみ」が見えますが、建具で、開放すると裏手の廊下への通気、さらに階段室踊り場から外部へと風を導く役割を果たします。
リビングへの日差し。 突き当りの和室戸襖は閉じたまま。 左手は麻雀ルーム、さらにデッキ庭へと続きます。
和室の襖を開放しリビングや麻雀ルームとのつながりを見ています。 外部にの庭に明るさを合わせているので室内が暗めですが、吹き抜けのガラス面で大いに明るさは確保されています。外部デッキ上には竹製のスクリーン。
リビングの吹き抜けを見ています。この角度で眺めると屋根の出からデッキの面積、奥行きがかなりあることがわかります。また外部にも吹き抜けがありそうです。正面奥はダイニングルーム。左手の格子戸は玄関に続きます。つまり格子戸をあけると、リビングと外部庭園が広がります。
リビング吹き抜けから外のデッキに出て撮影しています。正面黄土色の壁は2階の個室バルコニーですがここからもデッキを見下ろします。早朝ランニングの後、 デッキのアウトドアリビングでコーヒーを飲むことがGさんの日課になっているとのこと。
前回の写真を反対側のダイニングからアウトドアリビングを見ています。内外リビングの関係性、特に上部吹き抜けの外につながる様子が見て取れると思います。
アウトドアリビング、デッキ上の吹き抜け部分です。 見上げたところです。 上部の竹の簾は三か所ワイヤーで横に連ねて固定しています。梁や垂木野地板には濃紫色のべんがらで塗装。 ラーチ合板野地板ですがべんがらを塗ると見違えるほど変化します。
前回の画像ではダイニングからアウトドアリビングを見ていましたが、今回はダイニングからキッチン方向を見ています。 各部屋共通するのは構造体を表すインテリアです。 ダイニング、とキッチンも同様で、通常天井裏に隠れてしまう部分を外に表します。これによって天井を張る場合のごまかしがきかなくなり、精度の高い仕事が要求されます
東側の窓から日が差しています。 床はユーロピアンオーク、壁は漆喰、天井は化粧ラーチ合板にべんがら塗装。照明は松岡信夫さんの作品
キッチンとダイニング ダイニングと暖炉のあるリビング、 そのつながりが見て取れます。
1間幅の大型戸襖でリビングと区切ります。 襖を閉じれば陰影の美、天井はべんがら、壁は漆喰。 左手の襖は廊下に通じます。黄色味に色を変えて。
和室2 正面に廊下に通じる襖を見ています。左手の襖は押入れです。 押し入れの手前には書院風のしつらえ。
和室1の画像で襖をあけ、リビングとのつながりを見ています。
これは和室とプレイルーム広縁デッキとの つながりを見ています。
北側隣家との手前建具に障子紙を張ろうかと思いましたが樹木の成長にゆだね、組子のデザインを眺めることを優先して素通しのままとしています。
洗面化粧室絵の入り口 古建具格子戸をここでも採用。 だが外の廊下とは異なり 洗面所内は現代的なつくりとしている
洗面化粧室の奥にはトイレと洗濯機 客用のトイレは玄関側に設ける。和室とは入口が向かい合うほど近い。将来、和室が寝室になる可能性を考慮、 洗面化粧室内にトイレも備えた
ホテルでも見かけるが浴室と洗面の間仕切りガラスとし 広々としている。 窓を大きくとって中庭から光あふれるバスルームもありだが近隣住宅からは良く見える位置なので、ここでは閉鎖的にし落ち着きあるバスルームとしている。
前回紹介のバスルームはこの廊下突き当り右に折れてあります。 奥の洋館建具は納戸の入り口。 手前に来るに従い、右手に2階への階段室 そして手前アルコーブ内に見える戸はトイレ、さらに右奥に玄関脇倉庫の入り口へと続く。
正面鏡の上は2階階段室からの採光が可能となっている。 外部に面していないので苦肉の策だが。
階段室を2階から見下ろします。大屋根が階段室まで下りてきて、天井が高すぎず古民家をリフォームしたかのような落ち着きを出しています。 中央の古欄間をはめ込んだ採光塔は前回の1階トイレ天井とつながります。階段室の水平窓はリビング小窓につながり換気を促進します。
階段室の踊り場はただ単に2階に行く通りすがりの空間ではなく、そこに何かの意味を重ねたい場所でもあります。前回のようにトイレへの採光の意味を持たせるのもその一つです。また1階の天井高を気にしながら上にトイレを設け独立性を高めます。扉には落ち着きのある古建具を設え家の格を整えています。
前々回の階段室内トイレの採光塔、、と説明したが 具体的にどんな感じ?と思うので今回の説明。 右と左のガラス面には古欄間、正面のガラス部が道路側の窓、それらから光を取り入れ、下の井戸上のところから落とす、、のですが、一応秘密めいた状態にしておきます。
階段室の採光塔が左に見えます。 前回の何やら万華鏡のような写真はこの古欄間がはまる採光塔のケースの中を写したしたものでした。 右奥は2階のトイレ入口になります
納戸の入口戸 部屋奥の窓から光をもらい。繊細な大阪格子を明るくしています。 古建具を利用する場合、高さが1.8mより低い場合があり、その際は下框に袴をはかせるなど部材を付け足し、高さの調整を行っています。枠はべんがらで塗られていますが古建具の場合は購入先で施した塗料のままとしています、建具の飴色と枠のべんがら色とは違和感がなく、独特ですので。
個室の入り口戸、これも昔の建具を使っています。右手の建具は前回紹介。 欅鏡板の木目が見事です。 ただ幅が狭いので、拡張しなければなりません。 右手の黒竹から白壁部分の木材を加え色味を合わせています。
天井はべんがら塗、壁は漆喰。 べんがら塗の天井で落ち着きを出している。 よく天井を合板の素地そのままを、白木がよいとしてあらわす事例を見かけるが、やはりべんがらを塗ると格が上がる、はともかく落ち着くとの意見が多い。 デザインテイスト欄の、モダン、シンプル、ナチュラル、シック、スタイリシュ、ラグジュアリーに合致する。 壁は白く、日差しを反射させて、明るすぎるくらい。 是非木部塗装にお勧めする。
2階への階段踊り場からの廊下を見た写真です。突き当りの格子戸は書斎の入り口になります。 これも古建具で廊下に面する建具は個室と色を統一しています。
格子戸をあけると書斎になります。吹き抜けに面し、庭園を見下ろし、鎌倉の谷戸の緑を楽しみます。
書斎はリビングの吹き抜けに面しているので暖炉の温かさがそのまま上ってきます。
個室2個室1からは富士山を遠くに臨むが、こちらは南や西の山の緑を楽しむに緑
べんがら塗の天井である。野地板はラーチ合板ではなく 杉板を使う。ラーチ合板もべんがらを塗れば銘木のように木目を引き立てるが杉だと木目はおとなしいイメージになる。壁も杉荒板のべんがら塗装と漆喰。白の壁を屏風のごとく見せる。
朝のランニングで汗をかきシャワーを浴びてくつろぐ場所がこのデッキ。こーひの味も格別でしょう。 谷戸の緑も近い。 右手の空が見える山際から、2階からですとは富士山が見えます。天気が良ければ。