家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討に役立つ機能や情報が満載!
アカウントをお持ちの場合
2022/12/21更新|0like|7365view
この1年間で、SUVACOに新規公開された住宅事例は約1,000件。そのなかでも、特にユーザーからの反応が大きかった人気実例TOP15をランキング形式でご紹介します。今年の1位はどんな事例でしょうか?
SUVACO「いい家・オブ・ザ・イヤーとは?」
【1位】光帯の家【TV建もの探訪 放映作品】|新築 [鹿内健]
【2位】overstory 既存住宅のポテンシャルを引き出す縁の下のリノベーション[エキップ]
【3位】オグハウス[インクアーキテクツ]
【4位】「シンプルモダン×素材感」マンションリノベーション。[CLOCK]
【5位】久が原のコートハウス [小嶋良一|こぢこぢ一級建築士事務所]
【6位】凹凸の多い間取り/庭付きマンションのポテンシャルを引き出すフルリノベーション [植村康平]
【7位】清澄白河の家~中と外の関係を生むリノベーション~ [333architects]
【8位】GLA/森の素形 [一級建築士事務所 GLA]
【9位】Spectrum 光をあやとる|清瀬の家 [白崎泰弘・治代]
【10位】丹生川の古民家 [烏野良子]
【11位】ペッタンコハウス2 / 広い庭と薪ストーブのある暮らし [株式会社田邉雄之建築設計事務所]
【12位】和色〜和モダンマンションリノベーション [モナトリエ株式会社]
【13位】HAUS_M|新築 [R.E.A.D.& Architects]
【14位】平和の家|新築 [WORKS・WISE 大桑博彦]
【15位】朝霞の家 / ずれとつらなり|新築 [アソトシヒロデザインオフィス/阿蘓俊博]
「いい家・オブ・ザ・イヤー2022」を振り返って
以前は低層住宅や工場、今は大きな倉庫・高層集合住宅・オフィスが立ち並ぶバス通りに挟まれた三角地、中2階がダイニングキッチンとなっている2階建ての住まい。道路沿いの2面が閉じたデザインの外観からは想像できない、光を取り込んだ美しい室内空間です。
お昼どきには壁をつたい、テーブル面に差し込む光。また、冬場と夏場によっても色々な光の表情を美しく演出する左官仕上げの壁。ダイニングからリビングへ降りる時には視界いっぱいに庭の緑が広がるなど、毎日の何気ない時間のなかで「人生を楽しむ家」のための仕掛けのひとつである陰影が、光や景色をみずみずしく引き立たせています。
専門家はかたちになる前に思い描いた暮らしと、施主のその後の生活の中で実感するこの住まいの魅力が、同じ時と同じ場所で重なっているように見えます。
Sデザインファーム株式会社 鹿内 健さん
建築家
眺望の良い丘の一番高い場所に建つ、木造2階の戸建てリノベーション。施主は、敷地内のモミジや木蓮、柿の木など自然が豊かな環境と、既存の家の持つ雰囲気が気に入って購入したという。
築43年ということもあり、まずは断熱性能と耐震性能の向上、段差と仕切りが多く使いにくいつくりを、段差解消をしつつ開放感がでるように間取りを整理しました。
フォーカルポイントである玄関は、デザインはそのままに木製ドアやペアガラスといった断熱仕様に変更。リビング外にあった小さなバルコニーを、柿の木と木蓮を取り込むような配置で、リビングからそのまま続く広いウッドデッキに大変身。1階部分のデッキは、敷地の関係上、隣地の2階以上の高さになることで日当たりもプライバシーも最高!
断熱性能はHEAT20のG1相当、耐震改修は評点1以上を確保しつつ、瓦屋根を金属瓦にふき直すというこだわりも。住まいの資産価値を維持・向上させつつ健康的で快適な空間。大人はもちろん、二人の男の子がこれから家の中でのびのびと過ごせることは間違いありません。
株式会社エキップ 柳本英嗣さん
設計
近くに両親や親戚も住んでいる、祖父母から引き継がれた土地。近隣との付き合いも古く、プライバシーを守り適度な距離感を保つ方法や、どのような住まいにするのかを探りながら計画。施主家族に向けて「未条件(顕在化していない要望や条件)を引き出すプログラム」が行われたそう。
LDKを1階に設けたパターン、2階や3階に設けたパターン、1階と2階に分けるパターン、そのほか、吹抜けの有る無しや両親や親戚との関わりなど「例えば○○の場合」という場面に応じたプランが作られました。それぞれのプランで家族全員が1日、1週間、1年の生活シーンをイメージしながら粘り強く話し合ったそう。
理想や希望、問題点などを整理するためのフィールドワークやケーススタディでもあるワークショップを経て、どのようなプランになったのか?笑顔あり涙あり(かは分かりません)の手に汗にぎるストーリーは、じっくりと事例をご覧いただきたい!
既存建物の柱で使われていた、柿(こけら)板を活用した外壁や、柿板づくりと柿葺き(こけらぶき)は施主家族がセルフビルド。「思い出のある古材を再利用した外壁の柿葺きです。ガルバリウムとのコントラストが美しく、面白い!」と大満足。
合同会社インクアーキテクツ 金谷聡史 さん
建築家
一般的によく見る既存の間取りを活かしながらコストを抑え、造作家具やハッとするような素材によって、オリジナリティあふれる住まいとなったマンションリノベーション。
L型キッチンと作業台付きテーブルのある個性的な配置は、コンパクトながらも充実した収納と、そろえた折戸に隠された冷蔵庫など、作業黄金比とも感じる効率動線をもとに、キッチンからダイニング、また逆にダイニングからキッチンへの家族の関係性もまるっとデザインしたよう。
高さをなくすことで圧迫感を軽減した4.2mの収納家具をリビングにしつらえて、座ることはもちろん子供の遊び台としても大活躍。天井にむき出しのコンクリートや配管、TVのあるモルタル壁など、ザラつきや素材感をそのままに「きれいすぎない。」仕上がりとなっています。
専門家名からイメージする、時を感じさせないタイムレスなデザインに、カラースキームの基本となったモノトーンは、単に無彩色ではなく奥深い複雑な色合いや色の温度が見え隠れしていると教えてくれる印象的なもの。
CLOCK株式会社 前田 響さん
代表・設計デザイナー
23年前に義父が建てた二世帯住宅を、5人家族が2人となった今、古希を目前にこれからの人生をより豊かなものにしようと一念発起し、親と子のための住まい建て替え。
中庭を真ん中に、そのまわりをLDK~水回り前の廊下~寝室に沿ってコの字に囲うように設計。中庭と室内の段差をなくしているので、ほぼ広いワンルームのようなしつらえです。その日の天気や気分によって、コの字に移動してみたり、リビングダイニングから真っ直ぐ寝室に行ってみたり、季節によって太陽の角度や植栽の変化も感じることができます。
中庭に面した窓には断熱性の高い木製サッシを使用することで開放感を保ち、床下空間には暖かい空気を循環させる暖房レガレットを採用。
その時々に合わせた楽しみ方が備わり、住めば住むほどにあたたかい気持ちや思い出が、その土地に優しく宿っていく住まいです。ご近所さんとの茶会や食事会を楽しんでいるとのことですが、施主のしなやかさを体現したような住まいから、あふれる活力や勇気が伝心しているはず。
こぢこぢ一級建築士事務所 小嶋良一さん
代表・建築家
物件探しから、リノベーションの向き不向きやその建物が持つ可能性など、専門家と一緒に複数の候補を見たうえで、暮らしのイメージに合ったマンションを購入した施主。傾斜地にあるため、上層階なのに庭のある羨ましいロケーションを、十分に引き立たせる広々とした印象の住まいが叶いました。
細かく部屋が区切られて、明るい部屋と暗い部屋が二分されていた既存の間取りを、ライフススタイルに合わせて、和室をなくしてオープンキッチンを採用した広いLDKに。寝室と洋室も同様に庭を意識した工夫により、光と風が通る気持ちの良い空間になりました。大型マンションの宿命でもある大きな梁や柱型も、そのまわりに施した魅力的なデザインの造作家具や建具で使い勝手も向上しています。
凹凸が多く難しいのでは?と思いがちな住まいをあえて選び、経験値と提案力で、ひらりと快適で魅力的な住まいへと変えてゆく。専門家と物件探しの段階から十分なコミュニケーションが取れていたことももあり、スムーズなリノベーションだったそう。
植村康平建築設計事務所 植村康平さん
建築家
築38年のマンションは、川が流れて高い建物もな環境の良い立地にもかかわらず、内部の天井高は220cmほど、バルコニーに面するサッシも高さが低いため、せっかくの開放感を感じられずにいた住まいを、躍動感あふれる形にリノベーション。
室内の空間の中で、水まわりやパントリー部分は天井を低く抑えた“ケース”に収めるようなイメージでまとめ、リビングやダイニングなどの居室はコンクリートあらわしにした最大限の天井高で構成。まるで、室内と外のような感覚が住戸内で演出されています。日々の生活の中で空間を渡りあるく時、体感的に居室空間を開放的に感じることができて、「狭さを感じさせない」仕掛けとなりました。
ハンガーラックや玄関脇のソファなど隙間空間の工夫、高低のメリハリだけでなく、既存のコンクリートあらわしと新しい素材での仕上げの対比が、お互いを引き立たせる相乗効果となっています。
株式会社トリプルスリーアーキテクツ(333architects) 宇津木喬行さん
代表・建築家
山や岳、表情豊かな森など借景に恵まれた環境。専門家が何度も森の中を歩くうちに、生命力に満ちた木々のある森の延長のような空間となった自邸。グレーに退色した様子は、キャンバスの白とも違う、雑木群の力強さを引き立たせたりまた逆に、住まい自身が浮き上がってくるような佇まい。
迫力のある吹き抜けにそろえた縦ラインの外観が、外と内という境界線をなくしそのまま室内でも演出されています。出窓のように壁がはみ出たり、予想外の場所から浮遊するように吹き抜けが出現したり、夏は緑、秋は黄、冬は白と四季折々の色を映し出す仕掛けの2階廊下の銀盤天井があったり...複雑な森の中のような構成となっているそう。
天板の薄さを強調した大きなキッチンテーブルは、まるで外の中で食事をしているかのように森に面した配置に。冬にはこの窓の外に鹿が出現することもあるとか!
窓の配置や照明計画にもこだわった夜の雰囲気はたいへん美しく、キッチンダイニングスペースの一部として、そこに色づくイサムノグチの作品のように、自然と真摯に向き合った住まい。
一級建築士事務所 GLA 高野現太さん
代表・建築家
両親を見守ることのできる距離で“終の棲家”を建てたいと願う施主は、長年あたためてきた「プリズム」を取り入れたプランで理想の住まいを叶えました。
原寸大の模型をつくってまで勾配のついたルーバーにプリズムを仕込んで虹を映し出そうと考えたのは施主。家の中に虹をつくるという未知の世界を実現するために、覚悟をもって現場に臨んだ専門家。虹の最高の表情を映しだすために、水平のこて跡だけ残し、縦のこて跡を一切見せないという神業のような珪藻土の壁をつくった職人。三位一体の「熱量」からこの住まいが叶いました。
「10年以上温めていた様々なアイディアを、時折渋い顔をしながらも、辛抱強く図面にまとめ見事に実現してくれました。」とは、施主の談。
せわしない日常の中で、トップライトとプリズムルーバーからの光と影、そして正午の1時間あまり発生する虹の重なりは、ナゼ?ナニ?に出会った子供のころのワクワクした気持ちを思い出しそう。
シーズ・アーキスタディオ 白崎泰弘さん・白崎治代さん
建築家
家具工房を営む家族のための二世帯が住む、丘の上の住宅兼家具のショールーム。
持続可能な生活を体現したいという施主の強い意志から、古い建物を木や土、紙、断熱材の羊毛といった地球に還る材料と、ガラスやサッシなど工業製品で構成すること、日々工房から出る木片を熱源に利用することをプランに取り入れました。
眺望を生かすために北にも大きい窓を配置し、内側には断熱性のあるスクリーンを採用。窓まわりの気密性や内部障子の追加など寒さ対策も万全です。主のような薪ストーブが鎮座するLDKを挟んで、親世帯の座敷と子世帯のスペース、古民家の個性的な木構造を尊重しながら、補強・再生することで、展示物の家具と一体となる建物に。
古民家独特の、目で見えるものだけではない、まとう圧倒的な存在感やゆとりは、西欧建築にみられる重厚感のある「積み上げ式」とは違う、放ったりつながったりが可能な日本建築の軽やかな「組み立て式」だからこそ。
烏野建築設計室(UNO ARCHITECTS)烏野良子さん
建築家
植栽家・ランドスケープデザイナーである施主が自らの庭をつくれること、この八ヶ岳の山々がそびえる雄大な景色に惹かれて移住。施主と建築家、2人の専門家の共作により住まいが完成しました。
「ペッタンコハウス」地元のカラマツ材で使用する木材全てをまかない、規格の長さから設計したため、一般的な流通無垢材1本でつくることができる『木取りを知るフォルム(つまりペッタンコ)』と呼ぶようになったことが由来なのだそう。材の無駄がないだけでなくコスト削減につながるといった、何とも時代にふさわしい仕組みです。
軒下での作業や食事ができるように外観の軒は深く、室内には大きなドーマーからの光が、階段まわりのスチールルーバーを通して1階に降りそそぎます。断熱性能を活かした薪ストーブの暖かさと建物内からの雄大な景色を日々感じられるそう。
この素晴らしいペッタンコハウスの建築的な特徴を守るための「厳かなる5原則」。事例よりぜひご確認ください。これからも、シリーズ3・4...と作品が生まれることを願います!
「友人を招いてのホームパーティや趣味の洋裁を広々とした空間で楽しみたい。」と、デザイン性と収納力を重視したスケルトンリノベーション。
間取りは大きく変更せず、収納や来客、作業スペースなど目的を明確に反映。細かいデッドスペースや使っていない箇所をなくした高級感と安心感のある「和」を取り入れながら、既存家具に合うようなモダンな雰囲気となっています。
リビングの組子障子は施主の家紋にもある「竜胆」をモチーフとし、枠が全く見えないよう工夫した納め方で上部には強化ガラスを配置。それに負けない表情をもつ1枚物のミャンマーチークの無垢材を、贅沢に床や壁面に採用しました。
高級感がありながらもくつろげる空間となって、訪れる方に「高級旅館に来たみたい!」と言われるそう。「どこに」「どのようなものを」「どれだけ必要か」ということを何度も打ち合わせた完璧な収納計画で、整理整頓や掃除が格段に楽になったとは、本当にうらやましい。
美術館や博物館なども多く手がげてきた専門家が、大切にしていることのひとつである「環境」の「丁寧に読み解き」を感じる職住一体の空間。
両隣に家が立ち並ぶ住宅地。桜の巨木が印象的な公園と、立派なクスノキが植えられた日本風の庭という緑の環境を住空間に設計。2つの吹抜け空間からは桜の巨木を見られるよう、家族全員が座れる造作ソファを配置したり、ダイニングまわりのどこからでも庭を見ることができるようにプラン。
プライバシーを確保しつつ、光・風・眺望を住空間に取り込む方法として、住宅の4つの出隅を切り取って45度方向に開けた窓を採用。そうすることで、全ての部屋から隣家の気配を気にすることなく眺望が開けて実際以上の広がりを感じられるようになるのだとか。
一見、モルタルの床に白の壁で無機質な印象を受けそうですが、大きな窓からの風にゆれる桜やグレーチング越しに映り込む光や影、家族の様子など、季節が何度めぐっても色鮮やかに眩しく記憶のどこかに残るような、そんな心に残る住まい。
敷地は市郊外の田畑が広がる場所で、まわりがゆったりとした雰囲気のある広い敷地。シャープなラインのファサードが印象的なスマートな佇まいの住まいです。
適度なプライバシーを保つために、ルーバーや白い壁面のような囲いで目線を遮り、LDKとつながるオープンな外スペースを確保しました。
ウィスキー好きな夫が家飲みを楽しむことができるように、中庭とつながるリビングのタイル貼りの壁と窓部分に、その時間を貪欲に楽しむための本気度を感じるバーカウンターを。中庭テラスやデッキスペース、キッチンからも楽しめるバスコートをもうけて連続性のある続き間のようにプランに。
シンボリックな雰囲気が目を惹きますが、室内から、玄関ドアやタイルに、ぼんやりと明かりが灯りはじめる夕方にかけての時間帯が特に美しい。
街なみに対してずれた平行四辺形の平面をそのまま立ち上げた家。これまで長く集合住宅生活をしてきたこともあり「静かに安心してくつろげる」「庭があって開放的に暮らしたい」との思いを専門家に託した施主。
住宅密集地でありながらも、リビングダイニングは大開口と吹き抜けで構成。庭に屋根と同じ高さの外壁をもうけて、その外壁には室内にならうように同じアーチ形状の開口をデザイン。内と外にアーチが連なることで庭が室内のように、リビングダイニングが庭のように感じられる効果が。
天井にも外と合わせるようにトップライトを採用。アプローチから続くモルタル仕上げの玄関から、室内廊下を通じて真っ直ぐの先に見える庭の景色にときめきます。室内と外との狭間は、まるで光と風が行き交うヨーロッパ建築の回廊のよう。
今年のランキングで印象的だったのは「光」。1日の中で繰り広げられる自然光の移ろいが、住まいという場所を隔ててさまざまな形に変化していく様子が見られました。
また、外とのつながりや半野外の空間を取り入れた住宅事例も引き続き人気となっています。
住まいを小さな空間として捉えるのではなく、季節や光、風という自然の移ろいに住まいが足並みをそろえるような感覚。これが住まいの豊かさには大切なことだと感じます。
SUVACOには、こうした素晴らしい住宅事例がたくさんそろっています。
コンセプトやデザイン、エリア、面積など、さまざまな「こだわり条件」からも検索できますので、ぜひ自分らしい家づくりの参考にご覧ください。
SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。
住宅事例をみる
リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら
家づくりの依頼先を探す
リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら
会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。