2024/11/15更新0like581view

著者:岩間光佐子

キッチンプランをする前に。キッチンパーツの名称を知っておこう

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

キッチンには、細かいパーツ(アイテム)があります。家づくりの際には、その一つひとつを組み合わせていくことで、わが家ならではのキッチンが完成します。
ここでは、一般的に用いられているキッチンのパーツを個別に解説していきます。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

キッチンパーツ(アイテム)とは?

キッチンパーツとは、調理をする加熱機器や洗い場となる水回り、収納部材など必要な役割に適したさまざまな機器や部材を指します。それらを組み合わせることで、オリジナルのキッチンが生まれます。

多くの方が取り入れるシステムキッチンの場合でも、それぞれの商品シリーズにパーツが設定されており、その中から選び、組み合わせることになります。ある程度の制約はありますが、各メーカーは多彩なラインナップをそろえています。

キャビネット・ユニットにも種類が

キッチンプランの基本となるのは、キャビネット(ユニット)の選択と配置でしょう。キャビネットには、フロアキャビネット、ウォールキャビネット、周辺収納、家電収納などがあります。

・フロアキャビネット

加熱機器(コンロ・IHクッキングヒーター)やシンク、水栓金具、基本的な収納スペースを確保したキャビネット。収納スペースの開閉方法は、引き出し式と開き戸タイプがありますが、最近では引き出し式のタイプが主流です。

・ウォールキャビネット(ユニット)

上吊りの収納のこと。高い位置に設置する場合、電動や手動で下げることができるタイプもあります。地震を感知して、扉の開閉と収納物の落下を軽減する耐震ラッチ(ロック)も取り入れておきたいパーツでしょう。

・周辺ユニット

食器や保存食品、家電製品などの収納を目的としたキャビネットです。各メーカーからは、収納するモノや使い勝手に配慮した、さまざまな「周辺ユニット」の提案がみられます。空間に合わせて高さや奥行を選ぶことができるタイプなどもみられます。

・家電収納

炊飯器、電子レンジ、トースター、湯沸かしポットなどの家電製品をしまう収納キャビネットです。家電製品をすっきりと収めることができたり、使用時に引き出すことができたり、蒸気を排出できるような工夫があるものもあります。

キャビネットを構成するもの

・扉材&面材

キッチンだけでなく空間のイメージを決めるのが扉材やキャビネットの面材です。対面式やアイランドキッチンでは、ダイニングやリビングから見える「キッチンの顔」とも言える部分となり、インテリアに大きく影響するので、選ぶ際には空間全体で検討することが大切です。

木を用いたタイプには、無垢材を用いるケースもありますが、合板などの基材の表面に化粧を施したものが多いでしょう。化粧材には、突板(つきいた)を貼ったもの、樹脂やオレフィンなどのシートを用いたもの、塗装で仕上げたものなどがあります。

また、ステンレス板を加工したものや基材の表面にステンレスを用いたものも。そのほか、ガラス質の釉薬を金属の表面に焼き付けたホーローもみられます。

・取っ手

デザイン性だけでなく、扉の使い勝手を左右する重要なアイテムです。バー(ハンドル・グリップ)タイプには握りやすく、シンプルでモダンなデザインが多くみられます。扉の上部全体にラインのように設けられた凹みで開閉するタイプは、フラットで、身体にぶつかったり、物が引っかかることがない点がメリットです。

・キッチンパネル

主に加熱機器まわりの壁面に取り付けるパネル状の壁仕上げ材。水や熱、油汚れに強く、お手入れが簡単なのもメリットです。目地が少ない大判のタイプであれば、すっきりとした印象の壁面デザインとなるでしょう。
商品としては、不燃材にメラミン樹脂加工を施したものや、ステンレス・アルミなどの金属系、ホーローを用いたものなどがみられます。

・ワークトップ(天板)

キャビネットと組み合わせるカウンタートップの素材には、ステンレス、人工大理石、セラミック、タイル、木(無垢材・集成材)などがあります。ステンレスは耐水性はもちろん、耐久性や耐熱性、耐汚性に優れています。人工大理石は耐水性や耐汚性に優れ、温かみ、色柄が豊富なことが特徴。セラミックは硬度が高いため、傷がつきにくくお手入れもラクといった利便性と、陶器のような上品な質感も魅力でしょう。

オープンなキッチンプランの場合、カウンターの素材や色柄などはインテリアのイメージを左右するため、機能性だけでなくデザイン性などにも配慮して選ぶことが大切です。

・ガスコンロ

加熱機器の主流であるガスコンロ。新築やリフォーム・リノベーションの場合は、ビルトインタイプを取り入れるのが一般的でしょう。カロリー数の異なるバーナーを組み合わせた3つ口のタイプが多く、大きな鍋を並べることもできる広いもの、メーカーによっては横に並べたものもみられます。温度調節や自動炊飯などの調理機能、過熱防止など安全機能も向上し、掃除のしやすいゴトクや天板(トップ)なども。最近では、グリルの機能が充実しています。

・IHクッキングヒーター

IH(Induction Heating)クッキングヒーターは、磁力線の働きによって鍋そのものを発熱させるしくみの加熱機器です。熱効率が高いのが特徴で、直火でないため部屋の空気が汚れないこと、凸凹がないトッププレート(結晶化ガラス)は清掃性に優れた点も魅力。
使用できる調理器具に制限がありますが、金属鍋を使用できるオールメタルタイプもあります。

・食器洗浄乾燥機

食器洗浄乾燥機は、フロアキャビネットにビルトインされるのが一般的。引き出しタイプ、前開きタイプがあります。そのほか、除菌機能など洗浄方法に工夫を持たせたものや、節水性能を高めたものなども。
選ぶ際には、扉の開閉操作や食器の設置のしやすさや、カゴの形状など、家族の人数や食事スタイルを考慮して検討することがポイントです。

・レンジフード(換気扇)

レンジフード(換気扇)は、機器のつくりとしては、換気扇の部分(ファン・システム)とフード(覆い)部分に分かれます。換気扇には、屋外へ直接排気するプロペラファンタイプ(直接排気式)と天井裏や壁などに施工されたダクトを介して、煙や湯気を排気口まで誘導するシロッコファンタイプ(ダクト排気式)があります。フードはブーツ型やスリム型などがそろい、プロペラファンにかぶせるだけのタイプや、シロッコファンなどと一体になっているタイプもあります。
最近では、掃除のしやすい商品が多くみられ、ファンやフード本体、フィルターなどの形や加工に工夫を施したものが増えています。油汚れがつきにくいものや、長期間掃除が必要のないものなどもみられます。

・シンク

キッチンシンクの素材は、一般的にはステンレスや人工大理石が多くみられます。メーカー独自の樹脂系の素材もみられます。最近では、素材そのもの工夫や形状、表面加工などによって、汚れにくく、掃除のしやすいものが多くみられ、カウンターとシンクが一体になった継ぎ目のないタイプなども。
また、水切りカゴやまな板などを2段にして、作業性を高めたアイテムも注目されています。

・水栓&シャワー水栓

キッチンで用いられる水栓金具は、ひとつのレバーハンドルで吐水・止水、湯水の量や温度を操作できるシングルレバーが一般的。センサーやスイッチで操作できるタイプや、ハンドシャワーがついたタイプ、水流に工夫するなどして少ない水で洗うことができるタイプなどもそろっています。また、グース型・グースネックと呼ばれるような形のデザイン性を高めた水栓もみられます。

・浄水器用水栓

浄水用の水栓を設置するケースも多くみられます。キッチンカウンターの下などに浄水器本体(カートリッジ)を設置するアンダーシンクと呼ばれるものや、水栓金具の胴体などに小型のカートリッジを内蔵したものがあり、また、通常の水栓金具に浄水機能を組み込んだ一体型のタイプもそろっています。

収納に関わるもの

・引き出し式収納

フロアキャビネットの収納方法としては、引き出し式が主流。内引き出しや細かなアイテムを収納できるポケット、パーツなどを設けたタイプがそろっています。ゆっくりと静かにしまる機能を搭載したタイプや、小引き出しなどにはプッシュオープンタイプも。包丁などを収納するエリアにはチャイルドロックの設定が可能なものもあります。
キャビネット内は、汚れが付きにくくお手入れのしやすい樹脂やステンレスなどが用いられ、ポケットや仕切りなどの細かなパーツは、取り外して洗うことができる工夫もみられます。

・ゴミ収納

フロアキャビネットや周辺収納にも、ゴミ箱の設置スペースを確保したプランは多くみられます。カウンター下に空間を設けたり、キャスター付きワゴンにゴミ箱を設置し使い勝手を高めたなども。消臭機能を設けたもの、扉で隠すことができるようなタイプもあるので、キッチン内の動線を考慮して取り入れるといいでしょう。

・電動昇降機

上吊り収納のウォールキャビネットには、キャビネットが電動もしくは手動でアイレベル(目線の高さ)まで下げることができるタイプもみられます。使い勝手が高まり、空間を有効に利用することが可能。高齢の方や身体が不自由な方でも利用しやすい機能でしょう。
このようにキッチンは、さまざまなパーツやアイテムを組み合わせて完成するものです。プランニングの際には、カタログだけでなく、ショールームなどでできる限り現物をチェックして、操作性と実際の作業をイメージしながら選ぶことが大切です。

それぞれの機器の機能性やデザイン性を比較検討して、わが家にぴったりのキッチンパーツを取り入れるようにしたいですね。

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