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ホームページを見てご連絡頂き、家造りが始まりました。敷地は静かな住宅街にあります。玄関は道路から「引き」を取りました。出来たスペースは、安全性の確保と将来子供と遊べることを期待しています。インナーガレージ+2台の外部駐車場。簡潔に家事が処理できる動線とユーティリティが求められました。LDKと各個室は必要最低限の大きさとなっており、狭さを感じさせない為に階段を中心として、回遊性のあるプランとしています。階段により動線と用途を明確に分離。階段も2つある為、上下方向にも回遊可能。行き止まりの無いプランは広がりを感じます。室内も造作部材+自然素材で「味わいのある経年変化」を目指しています。空間に溶け込んだ薪ストーブと北欧家具は、あるべきところに納まった雰囲気になりました。
家事動線との連携を考えて配置されたキッチン。キッチン→ユーティリティ→洗面→お風呂と一直線の動線になっている。洗濯物もキッチン隣のユーティリティに干せるようにして家事動線を短縮しています。キッチンのデザインだけでなく、他のスペースとの関係性も計画すると家事が楽になります。キッチンの意匠は、ショールームのキッチンを元に造られています。しかし、機能はYMさん仕様。
背面家具の天板奥行きを広くしたのは、奥様のアイデア。天板の奥行が狭いと、炊飯器の水蒸気で吊戸棚が痛んでしまう。しかし、機械式の蒸気処理機は故障と廃盤の心配がある。スペースが取れたので、背面家具天板の奥行きを広くしました。蒸気処理機を付ける必要がなくなり、炊飯器を吊戸棚下からずらして使えば、棚は痛まない。ベストな選択だったと思います。このようなことができるのが、オーダーキッチンのメリットです。広くした背面家具天板の奥行きは75cmで、奥行きがあるのでいろいろと物が置けます。シンク下はゴミ箱置き場。それだけでは足りないので、背面家具のキャスターワゴンにもゴミ箱が置けるようになっています。ゴミの量も打ち合わせしてスペースを確保しています。
YMさんは、最初から薪ストーブを希望していました。機種はバーモントキャスティング社のアンコール。設置場所は無駄なく暖気を循環させる為、吹抜けで2階と繋がるリビングになりました。暖かい空気は、上へ昇り、冷たい空気は下に下がる。薪ストーブで、効率良く暖房を行うには、熱が上手く循環することがポイント。設計時点で、薪ストーブ上には吹抜けを設けました。暖気は上に上がり、吹抜けに面した2階個室→2階ホール→階段を下がり→1階リビングと計画どおり循環するようになりました。薪ストーブをリビングに設置する場合、テレビ中心でなく、薪ストーブ中心の配置にしたほうがバランスが取れる。ショールームのストーブと同じように、背面のレンガを白い耐熱塗料で塗装。薪ストーブは存在感が大きいので、その廻りは出来るだけシンプルにしたほうがすっきり見えます。薪ストーブを設置する場合は、ストーブ屋さんでなく、我々のような工務店に依頼したほうが、家全体の機能とデザインが調和した空間が出来ると思います。
2階個室より吹抜け部分を見る。壁の白と観葉植物のグリーンのコントラスト。吹抜けに面する建具は4枚引き戸、開ければ空間が1つになる。
ダイニングからキッチンを見る。シンプルな白いキッチンが違和感なく納まっている。カウンター下に足が入るので、キッチンカウンターで食事もできる。
キッチンを見る。シンク下は扉とせず、ゴミ箱を入れた。機能性を重視し必要最低限で構成されたシンプルな形。
キッチンから玄関ホール及びユーティリティを見る。階段を中心に回遊できるのが分かる。
東側道路より建物を見る。
南側隣地より建物を見る。隣地は空き地。しかし、将来、家が建っても、トップライト、ベランダスチール手摺等の効果で採光を確保できるよう計画。