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リビングスペース
赤い革張りの椅子に合わせて、居心地の良いアルコーブ（壁のくぼみ）をつくりました。座った時に空間に包まれる感覚が生まれるように、天井の高さを1850mmまで下げています。バルコニーにつながる正面の窓には、内側にスチールと木を組み合わせた縦格子を設け、窓を開け放して寝る際の防犯性に配慮しています。（撮影：松岡満男）
リビングスペース
リビングスペースから玄関を見たところです。写真の正面右側に玄関の小窓が見えます。玄関には引込戸があり、これを閉じると、玄関と廊下を区切ることができます。集合住宅において、居間から玄関の扉が丸見えにならないことは、心理的な安心感はもちろんのこと、断熱性においても大きな効果があります。 テーブルの左にある白い面は、縦型ブラインドです。このブラインドの向こうにシステムキッチンがあります。キッチンを常にピカピカに保つのはなかなか大変です。食器洗いがまだ終わっていなくても、このブラインドを閉めると空間の空間落ち着きが保たれます。（撮影：松岡満男）
ベッドスペース
ベッドスペースからリビングスペースを見たところです。ベッドスペースとリビングスペースの間には、ブラインドボックスが設けられており、仕切ることができるよう配慮しています。 ベッドスペースの床はコルクタイル貼で１段高くなっており、その下は全面収納で、スーツケースや季節物などが収納されています。 写真には写っていませんが、写真手前に浴室・脱衣洗濯スペース・トイレへの引戸があります。（撮影：松岡満男）
廊下から玄関を見る
リノベーションから17年後の玄関です。壁と天井は白系の珪藻土、土間は墨色のモルタル仕上げです。玄関は住まいの最初に出会う大切な空間で、荷物を一旦置いて身なりを整える等、様々な動作が行われます。昔の集合住宅の玄関は、極小で作られていることが多いのですが、リノベーションでは玄関を大きく広げてゆったりとした空間にしています。 左の壁がシナ合板から珪藻土に切り替わるところに引込み戸が収納されています。引込み戸には鏡が貼られており、外出直前の身なりの確認に便利です。（撮影：西川公朗）
ベッドスペースから脱衣洗面スペースを見る
リノベーションから17年後の脱衣洗面スペースです。脱衣スペースはカーテンで仕切ることができます。既存の窓の位置を活かして、各スペースを配置しています。 写真中央の窓の下には洗濯機があります。腰の高さの木製扉を設けることで、洗濯機が丸見えにならないよう配慮しています。（撮影：西川公朗）
ベッドスペース
リノベーションから17年後のベッドスペースです。コルクタイル床の風合いが美しく深まりました。ベッドスペースは床が高くなっており、その下全面が収納です。（写真に引出しの手かけ彫り込みが写っています） 写真手前左はシナ合板によるキッチン収納です。食器はもちろんのこと、引出し式の炊飯器棚、分別式ゴミ箱など、様々な機能が多様な開閉方法でおさめられています。（撮影：西川公朗）
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設計、監理、インテリアを担当
夫婦お二人が住む築20年の中古マンションリノベーションです。
全体は、間口4m、奥行き11.7mの細長い平面形です。改修前のプランは、北の端部から順に、玄関、水回り、ダイニングキッチン、一番奥が寝室でした。生活の動線は、細かく仕切られた部屋を直線的に移動するだけの単調なもので、一番奥の寝室で行き止まりとなるため、生活に変化が無く、狭く感じられました。
リノベーションにおいては、プラン全体をぐるりと大きくまわる回遊動線を採用しました。これによって、部屋の奥行きが十分に感じられ、かつ、様々な場所に居心地の良いコーナーが生まれています。
コーナーづくりでは常々「大は小を兼ねない」と考えています。小さく親密な空間には独自の良さがあり、それは大きな空間では代えがたいものです。小さな空間づくりは、素材の選定、細部の部材の大きさ、天井の高さやプロポーション等を適切に総合しないと、単に狭いだけの場所になってしまいます。そのため、設計中はもちろんのこと、工事現場にも何度も足を運び、完成まで検討を繰り返しました。
間口が4mと小さい中で、いかにして無理なく回遊動線を生み出すかが設計のポイントとなりました。その実現のために、間仕切り壁の厚さが最小限になるようミリ単位で検討を繰り返し、素材や工法も工夫しました。トイレへの引戸が2つあることも回遊動線を生み出す工夫です。これは奇をてらったのではなく、引戸の一方は寝室へ、他方は玄関につながり、実に機能的な計画となっています。
施主のご夫婦は、ヒノキの床やベイマツ集成材の収納扉に毎年オイル拭きを行い、大切に手入れを行っています。設計者とてもありがたく嬉しいです。
人に感動をもたらす空間には、どこかに「人に飼い馴らされていないもの」が必要なのではないかと感じています。現在の好みで空間を埋め尽くすのではなく、個人の趣味や便利を超えたものをどこかに備える、そのようなことが何か特別な質を生み出すように感じます。例えば古民家の大黒柱や、西欧の石積みの暖炉がそれにあたるのかもしれません。
このリノベーションで壁面収納の扉を厚さ30mmの集成材でつくり、大きく面を取っているのは、このことによります。収納の扉は、一般的には21mmのフラッシュ（中空）扉でつくります。しかしここで用いた扉は、厚く、重さのある無垢材です。経年によって反りも生じています。この長大な壁面は、彫りの深い陰影を織りなし、この住まいに「飼い馴らされていないもの」を加えていると考えています。
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様々な大きさの収納がぴったりと組み合わされています。テレビも収納されています。（撮影：松岡満男）
赤い革張りの椅子に合わせて、居心地の良いアルコーブ（壁のくぼみ）をつくりました。座った時に空間に包まれる感覚が生まれるように、天井の高さを1850mmまで下げています。バルコニーにつながる正面の窓には、内側にスチールと木を組み合わせた縦格子を設け、窓を開け放して寝る際の防犯性に配慮しています。（撮影：松岡満男）
リビングスペースから玄関を見たところです。写真の正面右側に玄関の小窓が見えます。玄関には引込戸があり、これを閉じると、玄関と廊下を区切ることができます。集合住宅において、居間から玄関の扉が丸見えにならないことは、心理的な安心感はもちろんのこと、断熱性においても大きな効果があります。 テーブルの左にある白い面は、縦型ブラインドです。このブラインドの向こうにシステムキッチンがあります。キッチンを常にピカピカに保つのはなかなか大変です。食器洗いがまだ終わっていなくても、このブラインドを閉めると空間の空間落ち着きが保たれます。（撮影：松岡満男）
ベッドスペースからリビングスペースを見たところです。ベッドスペースとリビングスペースの間には、ブラインドボックスが設けられており、仕切ることができるよう配慮しています。 ベッドスペースの床はコルクタイル貼で１段高くなっており、その下は全面収納で、スーツケースや季節物などが収納されています。 写真には写っていませんが、写真手前に浴室・脱衣洗濯スペース・トイレへの引戸があります。（撮影：松岡満男）
リノベーションから17年後のリビングスペースです。ヒノキの床材、ベイマツの壁面収納の風合いが美しく深まりました。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後のリビングスペースです。ヒノキの床材、ベイマツの壁面収納の風合いが美しく深まりました。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後のアルコーブです。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後の壁面収納です。ヒノキの床材、ベイマツの壁面収納の風合いが美しく深まりました。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後のキッチンです。ブラインドを閉めることでリビングスペースと区切ることができます。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後の玄関です。壁と天井は白系の珪藻土、土間は墨色のモルタル仕上げです。玄関は住まいの最初に出会う大切な空間で、荷物を一旦置いて身なりを整える等、様々な動作が行われます。昔の集合住宅の玄関は、極小で作られていることが多いのですが、リノベーションでは玄関を大きく広げてゆったりとした空間にしています。 左の壁がシナ合板から珪藻土に切り替わるところに引込み戸が収納されています。引込み戸には鏡が貼られており、外出直前の身なりの確認に便利です。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後のトイレです。入口が2つあり、玄関（写真手前）とベッドスペース（写真左奥）につながります。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後の脱衣洗面スペースです。脱衣スペースはカーテンで仕切ることができます。既存の窓の位置を活かして、各スペースを配置しています。 写真中央の窓の下には洗濯機があります。腰の高さの木製扉を設けることで、洗濯機が丸見えにならないよう配慮しています。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後のベッドスペースです。コルクタイル床の風合いが美しく深まりました。ベッドスペースは床が高くなっており、その下全面が収納です。（写真に引出しの手かけ彫り込みが写っています） 写真手前左はシナ合板によるキッチン収納です。食器はもちろんのこと、引出し式の炊飯器棚、分別式ゴミ箱など、様々な機能が多様な開閉方法でおさめられています。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後の洗面所です。カウンターは無垢のヒノキ厚板です。洗面カウンターの右側は収納で、様々な小物が収まっています。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後のヒノキの床です。無垢の材料は美しく年を重ねると感じます。（撮影：西川公朗）
リノベーションから17年後の壁面収納です。ベイマツが飴色になりました。厚さ30mmの面板に大きく面をとり、彫りの深い陰影を生み出しています。（撮影：西川公朗）
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