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設計を担当
1982年に完成した集合住宅で、プロジェクトが始まった時は築36年が経っており、元々の間取りは3LDKでした。構造がRC造で壊せない壁があったので壊せる壁を壊し、リビングダイニングを広くしました。
我孫子の家1(路地裏のある家)では、玄関から続くレンガの土間と明るい水周り、見る方向によって世界観が違う壁が特にこだわったところです。
大体の集合住宅は玄関ドアを開けると狭い玄関があり、狭い廊下を通るとリビングダイニングに行けますが、その窮屈さをどうにかしたいと考え、玄関を開けた時の開放感とリビングダイニング越しに外が見えた方が気持ちいいだろうと考え、廊下とキッチンの間を壊しキッチンカウンターを作りました。また、玄関から自転車を押しながら収納できた方が便利だと考え、玄関から収納部屋まで土間を作りました。さらにその土間の壁を外壁のようにするためにレンガタイルを張り、路地裏のようにし、玄関に入っても外にいるかのような空間づくりをしました。
依頼主はアクティブな方で、自転車3台とゴルフバッグの収納方法を考えてほしい、風が抜ける広い空間にしてほしい、綺麗に作りこまなくていい、お風呂はシャワーだけでいいなどの要望がありました。
最初に物件を訪れた時に感じたのは、景色の良さと、風が南から北に抜ける気持ちよさです。その点は依頼主も気に入っていて、風が抜けるようにしてほしいということと、シャワーブースなどの水周りも風が抜けるようにしてほしいと要望がありました。そこで、シャワーブースに窓を作り、洗面所にも窓を作り、風が抜けるようにしました。さらに、シャワーブースの一部をガラスにして、シャワーブースや洗面所を明るい空間にしました。
水まわりなどの設備や家具は、依頼主とショールームを回って決めました。ショールームを回っていると、「ショールームのあの雰囲気が好き」など、イメージが膨らむようで、そういった時の感想やイメージを汲み取り、設計に反映しています。
集合住宅が古いということもあり、壁の一部に断熱が入っていなかったので、南北に通っているコンクリートの壁に断熱を入れることを提案。しかし、依頼主は壁を剥がした無骨な感じが好きということもあり、断熱材を入れて自然塗料を塗る壁と、壁を剥がしたモルタルのままの壁の2種類の壁をデザインしました。区別の仕方としては、主寝室の頭側の壁には自然塗料の壁を塗った方がいいと考えたので、各部屋の東側の壁(バルコニーを向いて右側)を自然塗料で塗った白い壁とし、西側の壁(バルコニーを向いて左側)を既存のモルタル壁を表しそのままにしました。そうすることで、主寝室から見ると灰色の壁が連なっているように見え、リビングから見ると白い壁が連なっているように見え、見る方向によって白い世界と灰色の世界を感じることができます。