注文住宅

books and gardens

面積:

181㎡

エリア:

京都府

実施時期:

2012年10月竣工

内容:

古家付きの土地を購入し、建物を解体して新しい家を建てるプロジェクト。
伝統ある街並への敬意を保ちながら新しい住まい手の個性がにじみ出る、そんなデザインを心がけました。
アプローチのの石橋や玉石・踏み石は、旧家屋から引き継いだ街の記憶そのもの。

古家付きの土地を購入し、建物を解体して新しい家を建てるプロジェクト。
伝統ある街並への敬意を保ちながら新しい住まい手の個性がにじみ出る、そんなデザインを心がけました。
アプローチのの石橋や玉石・踏み石は、旧家屋から引き継いだ街の記憶そのもの。

門扉の内側、玄関扉と駐車スペースに通じるポーチです。
石割りを模したタイルと格子と軒天の木の質感が調和して、たおやかな印象。
北向きの方角に当たりますが三方から光が回り込み、ほどよく落ち着く明るさです。
和でもない、洋でもない、室内への期待が高まる空間となりました。

格子から際し込む柔らかい光に、外の緑が映えます。
ポーチに設けたささやかな植栽スペースに、玄関を出入りするたび癒されます。
小さな空間にバランスよく配置した自然由来の素材が、人の心にうるおいをもたらすようです

やはり一部屋は和室が欲しい・・・と思わせる、唐紙が美しい和室。
長押や床の間など伝統的な要素を取り入れながら、和でも洋でもなく、家全体の雰囲気を崩しません。
掘りコタツをとりつけることもできる、リビングの一角にある家族の憩いの場です。
太鼓張りの大きな障子を閉めれば、ゲストルームとしてプライバシーを保ちます。

床の間の方から見た和室の様子。南側は中庭に面して、光と風の入口となります。
室内の壁はリビングから続く珪藻土、天井は一部を折り上げて杉板を張りました。
真壁と柱の伝統的な要素と、天井までの背の高い建具や庭のタイルなどモダンな要素が、独特の優しい表情を作り出します。

玄関から室内に入ると、明るいリビングスペースが広がります。
正面に見えるチェリー材の家具は、この部屋のために作られたもの。
左右に中庭、奥に南の庭を臨み、吹き抜けからは2階の光が落ちて来る最高の開放感。
家族の時間を特別なものにしてくれる、贅沢な空間です。

リビングから和室方向を見ると、そこには天井までの大きな本棚。
文庫本、単行本、大型書籍まで、サイズに合わせて所蔵できるオーダー家具の本棚です。
素材はテレビボードなど他の家具同様、フローリングほか室内の素材とコーディネート。
エアコンや蓄熱暖房もスペース内に配置しています。

チェリー材の家具が美しい、広々したダイニングキッチン。
幅5mを超えるコーリアンのトップが印象的なキッチンは、壁を回ってリビングのテレビボードとつながります。
台所はアイランドとダブルIの構成で、吊り棚からカウンターまで収納もたっぷり。
アイランドと同じ幅のダイニングテーブルも、合わせてデザインしました。

吊り棚二つ、内引き出しを備えた8段の引き出しと物入れ、ガスコンロ、シンク、レンジフードを備えたキッチン。
キッチンと同じコーリアンのトップを使ったアイランドには、食器洗い器とシンク、可動式の本棚。
ほかにニッチの飾り棚と収納があり、壁の奥には冷蔵庫が隠れます。
多くのアイテムを備えた場所ですが素材や質感を統一して、すっきり豊かにまとめることができました。

キッチンもアイランドもトップは人工大理石のコーリアンと、チェリー材で作りました。
いぶし仕上げの鋳鉄の脚を持つ大きなダイニングテーブルも、一体でデザインしたもの。
このダイニングテーブルは、アイランドに取り付けたバタフライテーブルを広げて、一体で使用することもできます。
アイランドの向こう側に二人、手前に一人、バタフライに二人、テーブルに七人、合計12人が一同に食事できる、大きな食堂です。

台所の引き出しにはすべて、このように浅い内引き出しが付きます。
引き出し2段にそれぞれの内引き出しが付くので、合計4段の引き出しがある計算です。
包丁立て・カトラリートレイ・スパイスラックもあらかじめセットしています。
引き出しはソフトクローズ機能付きで、押すとスッと静かに閉まります。

アイランドの奥のニッチと小さな収納。
グラスやアイスペールを置けば、おしゃれなミニバーに変身。
飾り棚としての利用も楽しい、キッチンのオアシスです。

段板が浮いてるような軽やかな印象の階段。 段板を支える側板ごと金属で作り、強度を確保しています。 階段の下には蓄熱暖房機を取り付けてダイニングキッチンを温めます。

階段周囲の吹き抜けが開放感をもたらすダイニング。
チェリー材のダイニングテーブルは、台所の面材と合わせて作りました。

洗面脱衣室のカウンターも、この家のためにデザインしました。
カウンター・引き出し・壁付けの収納はウォールナット材、タイルの空間に暖かみを添えます。
浴室との間はガラスの扉と壁で、よく見るとガラス用のフックも2ヶ所取り付けられています。
どのスペースにもたっぷりの収納を用意しました。

浴室内部から洗面室脱衣室を見たところ。 浴室と洗面室は床・壁・天井・壁際のニッチ照明まで連続し、一つの空間を構成します。
ガラスで仕切られた大きな空間は開放感いっぱい。 浴槽の窓から中庭を眺めながら入浴できます。

寝室と書斎が集まる2階の中心に、吹き抜けとベランダデッキを擁する廊下が通ります。 この吹き抜けは1階ではリビングにつながり、ベランダから差し込む光を階下に届ける役目を果たします。 寝室はどの部屋も中庭に接し、子供室2室は別のベランダともつながります。

中庭の上部に当たる、広々したベランダデッキです。
しっとりした色目が美しいデッキ材はセランガンバツ、専用オイルで仕上げました。
デッキチェアを出して読書に昼寝にもってこいのスペース。 こういう遊びの空間が、家に奥行きを与えてくれます。

こもり感が素敵な、小さな書斎。
本棚g亜壁を覆い、カウンターの上下にLAN併設のコンセントプレートを配置しています。
カウンターの素材は、チェリーの風合いを持つアルダー。 小さく区切ったスペースが、包まれるような安心感をもたらします。

夜、アプローチの一隅を照らすスポットライト。 ポーチにも照明がともり、格子が鮮やかに浮かび上がります。 周囲は昭和初期から続くお屋敷街で、どの家も街並への配慮は並々ならぬものがあります。 美しい夜景が街の表情を生き生きしたものにしてくれます。

ポーチの一角に、隠れたスペースがあります。
夜には格子の陰が壁に落ちて、料亭の玄関先のよう。
室内ではこの低い窓から入る光が室内に外気を感じさせ、閉塞感を緩和する作用があります。。

夜、中庭から室内を見たところ。正面の窓は反対側の中庭を臨みます。
細長い敷地を生かして、奥の広い庭、まんなかあたりの二つの中庭、アプローチとポーチの植栽スペースと、複数の庭を造りました。
室内のほとんどの空間が庭に接する構成です。
室内とテラスは段差を最小にし連続させ、内外の一体感を高めています。

広い南側の庭から見たダイニングキッチンの夕景。暖かい光に誘われます。
テラスは一部を階段にして、芝生の庭まで降りられるように作りました。
手前の広いスペースにテーブルを出してバーベキューや食事を楽しむこともでき、
全開口の窓を開け放して、室内と外部が一体となったスペースをお楽しみいただけます。

宵に浮かぶ家の灯り。思わず飛び込みたくなる、温かな家庭の情景です。

妻側から見た全景、格子から浮かぶ光がぼんぼりのよう。
細長い敷地を、アプローチから奥の庭まで屋外と室内を交互に配置して、居室がいつも外部とつながる家としました。

この住宅事例を手掛けた建築家

古前極

建築家 / @京都府

住宅の空間すべてが、住む人にとっての”楽園”となるようにデザインします。 ”楽園”感の実現のための、デザインと構造。 身を置くことで、時間が止まったように、満たされる喜びを感じていただける空間づくりを大切にしています。 家は人生の舞台と考えてきましたが、いま感じるのは、家そのものが生きることの目的であり魂の安息を得る最終地点である、ということ。 家から出たくない家、それが「楽園」としての家と考えています。

古前極

建築家 / @京都府

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