2022/11/02更新0like1671view

著者:岩間光佐子

窓の形状もここまで多様化!住まいの窓選びで知っておきたい種類と特徴

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

窓は、光を取り入れ換気をするためだけでなく、さまざまな形状は日々の使い勝手やデザイン性にも影響するものです。ここでは、一般的な住宅に用いられる窓の形状(スタイル)の種類と特徴、選び方のポイントをまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

開閉方法によってもさまざまな形状がある

サッシとガラスで構成された窓には、数多くの形状が揃っています。プランニングの際には、設置する場所や部屋に適したタイプを選ぶことが基本。採光や通風、換気はもちろん、断熱性や防犯性、操作性なども含めて検討することが大切でしょう。

数多くの形状がみられる窓ですが、開閉方法や形状、設置する位置、その目的などによっていくつかに分類することができます。まず、開閉方法からみていきます。

横引き窓(引き違い・片引き・引き分け)

横に引いて開閉する(スライドする)窓には、左右どちらからも開閉できる引き違い、中心から左右に開ける引き分け、一方だけの片引きのタイプがあります。引き違いは最も馴染みのある形状でしょう。サイズも豊富に揃い、さまざまな場所に取り入れることが可能です。

全開口型(大開口)の窓

テラスやデッキ、ベランダなど屋外空間とのつながりを重視したプランに用いられるのが開口部を大きく開くことができる窓。引き込みタイプや片引きタイプ、折れ戸のような窓もみられます。

上げ下げ窓

2枚の窓を窓枠に沿って上下にスライドさせて開閉するタイプ。上下2枚とも動くダブルハングが一般的でしょう。壁の厚みのスペース内で開閉できるので、場所をとらないのも特徴です。

滑り出し窓

滑り出し窓には、横滑り出し窓と縦滑り出し窓のふたつタイプがあります。窓枠の左右の溝に沿って動くタイプが横滑り出し窓。ガラス部分がひさしのようになるため、雨が吹き込みにくく通風を確保することが可能。縦滑り出し窓は、上下の溝に沿って横に 滑り出すタイプで、角度によって風を調整することができます。

内倒し窓・外倒し窓

内倒し窓は、窓の下部を軸として部屋の内側に倒すタイプ。水まわりの天井近くや手の届きにくい場所に用いられます。逆に外側に押して開くのが外倒し窓。外に向かって空気が流れやすいので、高所に設置するケースが多いでしょう。

開き窓(外開き窓)

開き窓は欧米でよく用いられるタイプ。左右どちらかを軸に開閉する窓で外開きが一般的でしょう。1枚の片開きや2枚の両開きなどがあります。

ツーアクション窓

内開きと内倒しなど、ハンドルの操作によって2つの方法で開閉できるタイプで、海外のホテルなどでもみられるスタイル。開きの少ない内倒しは通風や換気も可能です。

回転窓

窓の中央を回転軸として、縦軸回転と横軸回転のタイプがあります。室内から窓の外側が掃除しやすいのもメリットです。

フィックス(はめ殺し)窓

はめ殺し窓とも呼ばれる開閉できないタイプで、採光が主な目的の場合に用いられます。丸型や正方形、細長いスリットなど多様な形状がみられます。小型のタイプをいくつか並べることで個性的なデザインも実現できるでしょう。

ルーバー窓

ジャロジー、ガラリ窓とも呼ばれる窓。水平に重なった複数の細長いガラス板のルーバーを、ハンドルやチェーンなどで開閉するもの。通風や換気が必要な洗面やキッチン、納戸などに用いられるケースも多くみられます。

出窓

窓の開口部を外に突き出したタイプ。長方形や多角形(ベイウィンドウ)、弓形(ボウウインドウ)などがみられます。室内側を広く使えることも特徴です。

オーニング窓

縦に並んだ複数の横滑り出し窓が同時に開閉するスタイルのこと。ひとつのハンドルですべて一緒に開閉操作をするものです。

取り付ける位置や場所、設置方法などによっても多様な窓がある

窓サッシそのものというよりは、設置する位置や場所によって、もしくは設置方法などによって呼ばれる窓のスタイルもあります。

トップライト(天窓)

天窓やルーフ窓とも呼ばれる窓。屋根に取り付けられたタイプで、壁面に設置された同じ大きさの窓と比べて3倍の採光が得られるとされています。固定式(フィックス)と開閉式があり、開閉式には、手動と電動のタイプが揃います。雨センサーや熱センサーによって自動開閉するタイプもみられます。

ハイサイドライト

目の高さより高い位置、壁の上部や天井近くに設け、採光を得るプラン、もしくは設けられた窓のこと。高窓採光とも呼ばれます。
前見建築計画一級建築士事務所「休耕地に建つ女性のための住宅」

高所用窓

吹き抜けや階段上部など、高い位置に設けるための窓サッシ。開閉操作用のチェーンを設置できるなどの特徴があります。

テラス窓

庭やテラス、デッキなど屋外に出入りしやすい、掃き出しタイプの窓のこと。テラスドアと呼ばれることもあります。

コーナー窓

空間や部屋のコーナー部分に設けた窓のこと。二方窓とも呼ばれることも。空間に広がりが生まれることが特徴でしょう。

デザインウィンドウ(装飾窓)

丸や四角の小さめの窓、細長い窓のこと。もしくは、それらをいくつか組み合わせたプランを指す場合も。アクセント窓と呼ばれるケースもあります。複数の窓を用いたり、いくつかの窓を連続させることで、取り入れる光を楽しんだり個性的な外観デザインを実現することができるでしょう。

連窓

同じ窓をいくつか並べて設置することを指します。縦に並べたタイプを段窓と言うこともあります。

地窓

窓の下枠部分が床面に接する窓。通風を確保するために取り入れるケースが多いでしょう。

ピクチャーウィンドウ

絵のように好ましい風景や景色を枠で囲うように設けた窓。眺めを楽しむことが主な目的です。

リフォーム向けタイプ、雨戸やシャッター付きなども揃う

窓サッシに工夫を施すなどして、使用する場所や条件に適する機能を持たせたタイプもみられます。

後付け(リフォーム向け)サッシ

リフォーム向けの施工しやすいタイプも充実しています。既存サッシの外側に設置が可能なタイプ、室内側に設置する内窓として取り付けられるもの、既存の枠を利用できるタイプなどがみられます。

シャッター付・雨戸付サッシ

異常気象がみられる中、窓シャッターが注目されています。防犯性を高め、雨や風から住まいを守るシャッターと組み合わせた商品もみられます。リモコン操作が可能な電動タイプもあります。

面格子付窓

防犯性に配慮した面格子を組み合わせた窓も揃っています。裏手の窓や水まわりなど、引き違い窓やルーバー窓などにみられます。

住まい全体で検討する。ショールームで実物をチェック

このように窓には多くの形状があります。選ぶ際には、それぞれの特徴を理解した上で、使う場所、目的に合わせてプランニングすること。外観を含めた住まい全体、間取り全体で検討することが重要です。

実際に家づくりを進める中では、窓プランは設計担当者からの提案を確認し検討していくことになるでしょう。窓を含めた開口部の計画は、構造はもとより断熱性や換気計画など専門的な知識が必要です。敷地条件や地域性なども含めて、設計担当者と相談しながらプランニングを進めるようにしましょう。

具体的に窓サッシを選ぶ際には、可能な限りショールームで実物をチェックし、操作方法などを確認したいもの。今まで使用したことのないスタイルの場合は特に注意が必要です。窓まわりの建材である、網戸やシャッター、面格子なども同時に確認しておきましょう。

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ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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