2016/11/04更新0like3694view

著者:竹村洋亮

住宅の断熱について知ろう。断熱材や断熱工法の比較と選び方

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竹村洋亮さん

こんにちは!SUVACO・リノベりすアドバイザーの竹村 洋亮(ひろあき)です。

建築業界に携わって10数年、実際に現場で培ってきた知識と経験を元に、専門家さんとこれから家づくりをご検討される皆さまとをつなぐ架け橋としての役割を担いたいと思っています。

SUVACOを「利用してみて良かった」と思っていただけるようなサービスをご提供できるように頑張ります。
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こんにちは。SUVACOアドバイザーの竹村 洋亮(ひろあき)です。
つい最近まで暖かい気候だったのが、一気に寒くなってきましたね。最近は寒くなり、断熱の話をご相談いただくことが多くなってきました。暖房器具に頼ることも一つですが、断熱を見直すことで、冬もそして夏も快適に過ごせるようになります。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

なぜ家の中が寒いのでしょうか?

家に帰ってきて、すぐにエアコン等の暖房器具を点けても、なかなか部屋が温まらないということがあるのではないでしょうか?

これは部屋から熱が逃げていることに加えて、壁や天井・床そして窓の表面温度が低いままなので、暖房機器の温度を上げていても、体感の温度は低くなるために寒く感じるんです。温めている部屋以外は暖房器具も使っていないので、外部の冷気が入ってきていわゆる「底冷え」を感じてしまいます。

さらに暖房している部屋でも、暖かい空気は上に昇る傾向にあるので、頭は暖かいけど、足元が寒いという事が起こります。家には実はさまざまな隙間があるので、断熱そして気密していくことで大きな改善ができます。

断熱をすることで、さまざまなメリットがあります。

上記のような要因は断熱する建材を取り入れていくことで、改善できます。

①夏場の暑さの軽減も可能!

冬に寒さが入り込んでくるのと同様に、夏場には外の暑い空気が内部に入ってきます。
断熱することで、その暑さも遮断できるようになり、過ごしやすくなります。

②光熱費がおトクに!

寒さや暑さを取り入れず、冷暖房も外に逃がさないようにすることで、無駄に機器をガンガン回すこともなくなってくるので、光熱費が下がります。以下の国土交通省の資料も参考にしてみてください。

③結露の抑制にもなる!

冬場、暖房で室温が暖かくなると、窓ガラスやサッシのフレームの室内側が濡れていることはないでしょうか?これは、外部の冷たい空気と内部の暖かい空気が断熱の効いていない窓部でぶつかることで、水蒸気が冷やされて水滴に変わり、付着する「結露」という現象です。
結露を繰り返すと窓ガラスの隙間に入れるゴムや窓まわりの木部にカビが生えてしまうので、衛生的にもよくありません。結露の発生は住み方にも左右されますが、窓の断熱を見直すことで、結露の抑制にもなります。結露の多い家の方は、今後リノベーションや住替えを検討の際に検討されると良いと思います。

④静音性も向上する

街にはさまざまな音が存在します。車や電車の走る音やクラクションなど、赤ちゃんがいらっしゃるご家庭や、家で集中したい時はとても気になりますよね。断熱建材と気密をしっかり行うことで静音性も向上できるんです。

家を断熱する方法

では、家の断熱はどんな方法で可能なのかをご案内していきます。

・窓の断熱
・床・壁・天井の断熱

に分けてご説明します。

窓の断熱

リフォーム・リノベーションの場合も、新築の場合も比較的取り入れやすいのが窓の断熱です。
大きく分けて3つのやり方があります。

①ガラスを断熱ガラスにする

もっともかんたんに窓を断熱できる方法です。一方でアルミ部分は既存利用になりますので、アルミ部分の結露は抑えられません。ガラスにも種類があり、2枚のガラスの間に空気層を持たせて断熱するペアガラスやガラスとガラスの間を真空状態にして断熱する真空ガラス、LOW-E仕様(特殊な金属膜の入った複層ガラスを外側で使うか、内側に使うかでそれぞれの効果が変わる)などがあります。

②サッシ自体を交換する

ガラス交換だけでできない、アルミ部分の交換も可能にし、サッシ全体の断熱が可能になりますが、サッシ本体の交換は外壁や内部の仕上げの補修も必要になるため、コストがかかります。最近では、「カバー工法」と言われる、既存サッシ枠に新しいカバー枠を入れることで、壁を傷めずにサッシの交換を可能にする製品も出てきています。新築や建替の場合は、はじめから断熱サッシ(樹脂製サッシやアルミと樹脂の複合サッシ)のラインナップがあるので、ご安心ください。

③内窓(※1)をつける

リフォーム・リノベーションの際によく行われる窓の断熱方法です。
既存サッシの内側にある枠にもう1つサッシを取り付ける方法です。ペアガラスよりも空気層が保有できるので断熱性能は高く施工も容易なため、費用対効果が高いです。内窓自体も単板ガラスと複層ガラスがあり、現状の環境に合わせてセレクトが可能です。デメリットとしては窓を2回開ける必要があるのと、掃除の手間もその分かかってしまうところが挙げられます。

※1)インナーサッシとも言う、特にリフォーム・リノベーションで取り入れる機会が多い

床・壁・天井の断熱

新築時の段階や、壁を壊すようなリノベーションの際に施工ができるのが、床・壁・天井の断熱です。理想は六面断熱(床・壁4面・天井の断熱)と窓の断熱で外周部に面する箇所を断熱材で囲ってあげることです。各社によって工法は様々ですが、大きく2つに分けられます。

①内断熱工法(充填断熱工法)

外壁と内壁の間に断熱材を充填する工法です。
これは、私がリノベーション会社に在籍していた頃によく使用していた断熱材会社の参考資料です。
外壁と内側の壁間に黄色い部分があると思いますが、これが断熱材充填が必要な部分です。
このように床、壁、天井(屋根)の6面を囲うことで、外部からの断熱が可能になります。

一般的には、「グラスウール」と呼ばれる袋に入ったガラス繊維を加工した断熱材を壁の柱間や、天井組みの上に敷き詰め、床組みには発泡スチロールのような「押出ポリスチレンフォーム」などを隙間に充填して断熱を行います。

施工で気をつけるべきなのは、壁内でグラスウールが結露して水分を含むと、重くなって下に沈んでしまい、上部が断熱されない状態になりやすいため、壁内結露が起きないように防湿シートなどでしっかりと処理を行わなければいけない点です。こうすることで外張り断熱に比べ、使う材料次第でコストを下げることができます。

資料元のデコス社製セルロースファイバーは、古新聞などの古紙を防火・防虫加工して断熱材にしたエコリサイクル断熱材です。透湿防水シートを貼った外壁と内壁下地の石膏ボードの間にブロワーという機械で吹き込む施工方法で、グラスウールよりもコンセントやスイッチ周りもしっかり充填できるため、断熱効果が高いと言われています。
リホープスタイル「Genuine」

②外張り断熱工法

先ほどの内断熱と異なり、構造体の外側に断熱材を張り、外装材施工してサンドイッチする方法です。
メリットは内断熱(充填断熱)とは異なり、コンセントやスイッチなど壁の中の障害物に関係なく断熱が図れるので、そういった隙間から熱が逃げていかない点です。また、棚を埋め込んだり、ニッチを作成したりなど、壁に大工さんで造作してもらう自由度を持たせることができます。気をつける点は、内断熱に比べてコストがかかりやすい点、断熱材と外壁の固定がしっかりしていないと、地震時に壁がずれるおそれがある点です。

いきなり全体は無理でも、要所を断熱して計画的に行うのも1つ。

そうは言っても、なかなか断熱のやり替えにはお金がかかります。

ですので、必要な部分からまず手を入れるということも一つだと思います。窓以外に関しては内壁や外壁に手を入れる工事になりますので、検討しているリノベーション箇所でついでの断熱も行うという方法もあると思います。

最後に、断熱と気密を高めたら「換気」もお忘れなく!

断熱性を高めると同時に、気密性と換気効率の向上が必要になります。
「高断熱高気密住宅」という言葉があるように、いくら断熱性のある建材を使っても、気密がしっかりしていなければ、熱が逃げたり、外部の気温に左右されてしまうためです。

さらに、気密をしっかりするということは、換気が重要となります。相互性のある「断熱」、「気密」そして「換気」を向上させて、快適に住める家をつくりましょう。

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