2020/10/31更新0like14075view

著者:tennto1010

細長い土地でもあきらめないで!間口の狭い家でも住み心地は良くできる

都市部でよく見られる間口が狭く奥行きが長い敷地に密集して建つ、いわゆる「うなぎの寝床」と呼ばれる住宅。隣家との距離や細長い形状ゆえに、住み心地にはどうしても懸念が生じてしまいがちです。でも、そんな懸念を解消するプロの秘策を知れば、家選びの選択肢にきっと加えられるはずですよ。

SUVACOが専門家をご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOがご要望に合ったプロを提案します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

間口が狭いってどういう家?

間口とは、道路に接する敷地や住宅の幅を指します。つまり、間口が狭い家とは道路から見える家の幅が狭いということ。この記事では、間口が3〜5m程度で奥行きが長い住宅を間口が狭い家ととらえて、事例をあげています。

間口が狭い家のモデルプランは画一的?

間口の狭い住宅では、採光や通風、床面積確保のため、

【採光・通風対策】
・2階リビング
・ハイサイドライト、天窓などの設置
【面積対策】
・3階建てなど縦方向に床面積を確保
・斜線制限などの高さ規制ギリギリまで建て、その天井高を利用したロフトや小屋裏の設置

などの対策をとるのが、プランづくりのいわゆる「定石」です。
でも、定石にしたがった最大公約数的なつくりでは、やや画一的になりがち。そのため「自分にとってベストな住み心地が望めるのか?」という不安が残り、土地や住宅の購入に踏み切る決め手に欠ける、と感じる方が多いのではないでしょうか。
定石を押さえた上で、プラスαを求めるときこそ専門家の技が発揮される場面。不安を払拭してくれる納得の住み心地を、事例を参考に探してみましょう。

想像を超えた内部空間

うなぎの寝床と聞くと連想されるのが京都の町家。そんな伝統をもつ京都市内の28坪の小さな敷地に建つ住宅です。隣家に接した窓は締め切りが必至で、ファサードにも縦長の窓が控えめに並ぶのみ。どのような住み心地なのか、とても気になります。
しかし、中に入ると想像を超える明るさです。
家の中央を大きな吹き抜け空間としてくり抜き、各部屋を吹き抜けに面した配置にすることで、家の隅々に光が行き渡るように考えられています。玄関土間からダイニングへのひと続きの空間は、ダイナミックな吹き抜けと相まったラフな開放感が最大の魅力。一方、家型にくり抜かれた開口がつくる個室の巣ごもり感が、快適な住み心地をつくりだしています。

先が見えない!視線の操作で空間を広げる

いわゆる狭小住宅と呼ばれる床面積の狭い家と、間口の狭い家とをあえて区別しているのは、奥行きを活かしたプランニングに特徴があるから。

「道のような」と題されたこちらの住宅は、間口わずか3m。この間口の幅を広げたり狭めたりと操作することで、単調な一本道ではなく、変化に飛んだ道のりを進んでいくような躍動感を生みだしています。豊かな緑に通じる路地のような住宅は、間口が狭いからこそ実現したもの。
こちらも、視線の広がりを利用したユニークな事例です。
長方形に対角線を引いたような仕切りを設け、長辺よりも奥行き距離を伸ばして、空間の広がりを強調しています。

縦横無尽に広げる

縦へ縦へを積み上げていくのが間口の狭い家のセオリーだとすれば、こちらは縦に積んだら次は横へと、縦横無尽に空間を広げたセオリー以上の手法かもしれません。

横に連なる窓が展望デッキのような印象のリビングダイニングは、窓の水平ラインが横方向の広がりを感じさせ、天井高を低めに抑えることで、その広がりを一層際立たせています。天井高は、斜線の制約上から高く取れないケースが多く、こちらの事例も同様ですが、そこを逆手に取れば広がりにも変えられるということではないでしょうか。
アトリエハコ 七島幸之+佐野友美「トールハウス・フルハウス」
間口の狭い家は外観にも個性が強く表れます。斜線制限の影響を受けて削り取られたようなシルエットは悪目立ちしやすいものですが、こちらは周囲にしっとりなじんだ佇まいが印象的です。特に2階の連窓は、端正なファサードの表情の中でも特に目を惹きますね。
アトリエハコ 七島幸之+佐野友美「トールハウス・フルハウス」

王道のスキップフロアを取り入れる難しさ

床面積を広げる手法としては、王道ともいえるスキップフロアですが、理想どおりの空間の広がりをつくるのは簡単ではありません。

十分な収納、ゆったりした水まわり、明るい吹き抜け、料理を楽しむキッチン……。住まいに欲しいたくさんの要素を、「これでもか!」と詰め込んでも窮屈になっていない、懐の深さが圧巻の事例です。家族の視線の交わりや生活動線が考慮されたスキップフロアなら、床面積の広がり以上の豊かな住み心地を提供してくれそうです。

家具も設備も、大きさ以上の豊かさを

ギャラリーのような静かな空間のなかに造作ベンチをはめ込むことで、コンパクトな居場所と安心感が生まれています。ダイニングはテレワークなど多目的に使用でき、心地よい絶好の居場所になっているそうです。
また、水まわりを1階と、3階の寝室横に分割して設けるなど、動線にも配慮しています。広さだけに価値をおかず、生活スタイルにフィットすることを優先させました。
こちらは、細長い家だからこその発想の転換から生まれたユニークなバスルーム。短手側から入り奥に進むにしたがって、リラックス空間に次第に誘われていくような、不思議な幸福感がありますよね。
子供たちのロフトベットを造作しています。家具を置かないことでスペースをフレキシブルに、かつ広々と使用することができます。

知っておきたい、工事の難しさ

間口の狭い家は密集地での工事になるため、大型の工事車両の出入りはもちろん、足場スペースの確保だけでもひと苦労。隣家への影響も大きく、新築工事の際は当然のこと、将来的にメンテナンスが必要になった時にも同様の支障がでてきます。設備や建材なども長期的な視点で検討すべきでしょう。
外観からではうかがい知ることができない豊かな住み心地、想像できましたか?食わず嫌いを解消させて、住まい選びをもっと楽しみたいですね。

SUVACOとは?

SUVACOは、自分の価値観と合うリノベーション・注文住宅の依頼先に出会えるサービスです。


また、SUVACOアドバイザーがあなたのご要望をお聞きして、ぴったりの専門家を提案するサービスもあります。


専門家を紹介するだけではなく、おつなぎした後もご相談に乗るなど、完成までサポートいたします。ぜひご利用ください。
お気に入りに追加

SUVACOは、自分らしい家づくり・リノベーションをしたいユーザーとそれを叶えるプロ(専門家)とが出会うプラットフォームです。

家づくりについて学ぶ

「自分らしい家づくり」に大切な、正しい家づくりの知識が身につくHowTo コンテンツ集です。

専門家を無料でご提案

家づくり・リノベーションはどこに頼むのがいい?SUVACOの専任アドバイザーが全国1,000社以上からご希望に合うプロをご提案します。

住宅事例をみる

リノベーション・注文住宅の事例を見たい方はこちら

家づくりの依頼先を探す

リノベーション会社や建築家、工務店など家づくりの専門家を探したい方はこちら

会員登録を行うと、家づくりに役立つメールマガジンが届いたり、アイデア集めや依頼先の検討にお気に入り・フォロー機能が使えるようになります。

会員登録へ

同じテーマの記事

住まいの記事 カテゴリー一覧

専門家探しも、家づくりのお悩みも
SUVACOのアドバイザーに相談してみよう

専門家紹介サービスを見る