2019/12/08更新0like1833viewtennto1010

それでも必要?リビング横の個室問題を考える

広くオープンなリビングスペースは魅力的だけど、家族が増えた時のために部屋数も確保しておきたい。そんな欲張りなニーズに応える間取りとして人気なのが、リビングからつながるスペースを引き戸で仕切った個室のある間取り。でもこの個室、上手に活用するのは案外難しいお部屋かもしれません。そこで今回は、マンションリノベーションでも検討されることが多い、リビング横個室について考えます。

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「リビング横個室問題」とは

日本のマンションにおいて主流を占めてきた“田の字型”と呼ばれる間取りについては、皆さんよくご存知のことと思います。“田の字型”は、コストや合理性を追求した結果行き着いた、日本独特の間取りと言えるかもしれません。

外廊下に面した玄関から廊下が伸び、廊下の左右に個室と水回り、その先のバルコニーに向かってLDKと個室(和室)が並び、個室の数やリビングとダイニング、キッチンのつながり方に応じて、“◯LDK”と表されるおなじみのプランです。
しかし、ライフスタイルの多様化により、マンションリノベーションの主流は家族の人数に合わせて部屋数を選ぶ“◯LDK”が一般的だった時代から、規格にはまらない自由な間取りを選択する時代へと移り変わっています。

そして、近年リノベーションを行う際によく検討されるのが、「リビング横に配置された個室のスペースをどのように扱うか?」ということ。
これこそが「リビング横個室問題」なのです。

まずは先ほどの間取りの、個室の仕切りをなくしてLDKを広げたリノベ事例から見てみましょう。
以下がリノベーション後の図面です。
大きなワンルームとコンパクトな個室という潔い間取りがかっこいいですね。

リビング横個室が欲しいのはどんな時?

リビングスペースを広げるプランもあれば、もともとの個室スペースをそのままに、引き戸の開閉で間取りを変更できるフレキシブルな空間として利用するプランもあります。

「引き戸個室タイプ」とも呼べる、このタイプの主な使用用途としては、
●幼少期は子育て空間として使用し、その後は独立した子供部屋として
●来客時や趣味の部屋など予備室として
などが考えられるようです。

以下は、このように個室を残すタイプのリノベ事例です。
ただし、このタイプは用途がはっきりイメージできていれば大いに活用できるでしょうが、曖昧な使用イメージの状態のまま安易につくると、使いこなせないことも多いようです。

以下で、引き戸個室を取り入れる際の注意点や、問題解決のヒントが見つかる事例をご紹介します。

引き戸個室タイプの注意点・(1)余剰個室になりがち

例えば「来客に備えてリビング横に引き戸個室を」と考えて引き戸個室を作っても、来客頻度が少なければ、ほぼ家族のための予備室になります。

そして具体的な用途の無い予備室は、便利な何でも部屋=物置部屋になる危険性が!

物置部屋になってしまうと、せっかくの引き戸も閉じがちになったり常に散らかった物置が視界に入ったりと、リビング横にあることがデメリットになりかねません。

こちらは、バルコニーに向かってリビングとダイニングが縦に並んでいるリノベ前の間取りです。バルコニーから遠いために、ダイニングが暗くなりがちな間取りでもあります。
リビング横の和室のスペースを引き戸で仕切るプランにした場合、細長いLDと暗いダイニングのデメリットが解消できないまま、物置部屋が出現してしまいそうですが……?

リノベ後の図面を見てみましょう。
リビングとダイニングそれぞれをバルコニーに面した配置にしたうえで、元のLDの奥行分に書斎をしつらえ、室内窓により採光を確保しました。将来的には独立した部屋として機能させるために、収納も装備しています。

フレキシブルな引き戸個室ではなく、明確な用途をもつ個室をつくったことにより、開放感と有効な部屋数確保の両立に成功した事例です。

引き戸個室タイプの注意点・(2)扉を閉めても、真の個室化はむずかしい

どんな用途で使うにしても、引き戸のみでは音漏れや光漏れの問題は避けられず、個室として真の独立性を保つのは難しいもの。
「静かに過ごす個室」としての満足度において、妥協が求められる部屋となるのは承知しておくべきでしょう。

以下の事例では、個室の独立性と、家族の気配が感じられるリビング横個室のメリットを、見事に両立させています。
バルコニーに広く面したリビングダイニングに仕立てなおしたうえで、LDと子供部屋をつなぐ畳スペースを設けました。畳スペースが緩衝地帯となるため、子供部屋の独立性と家族との一体感との両方を叶える間取りになっていますね。子育てやお父さんのゴロ寝にも重宝する畳スペースが、空間と家族をつなぐ家の要となった事例です。
こちらは、リビング横個室をクローゼットにつくりかえたユニークな事例。
独立性を必要としないクローゼットなら、音漏れも光漏れも問題なしというわけです。
一家の荷物を丸ごとリビング横にまとめたことで、コンパクトな個室を必要数確保することに成功しました。

引き戸個室タイプの注意点・(3)建具問題

2つの空間を仕切るために取り付けられるのが、3枚引き、あるいはそれ以上の枚数で構成される引き戸です。3枚以上の建具が連なると部屋の印象もかなり変わりますので、建具の選定には注意が必要です。

例えば、
・壁と同系色の白いクロス貼りの建具は悪目立ちはしないけど、絵を掛けるなど普通の壁のようには使えないため、大きな白い壁がのっぺりと立っているような印象になる

・木質系は色調によってはかなりの存在感を発揮してしまう
などが注意点として挙げられます。

その他、重かったり合わせが複雑だったりと、戸を引く動作に無理があると結局開けっ放しになってしまいがち。

引き戸の場合裏面・表面ともに居室に接することになりますので、どちらの部屋にもマッチするデザインを選ぶことも大切です。
「何となく」でつくってしまう部屋ほどもったいないものはありません。
ライフステージの変化を見通すことは難しいかもしれませんが、家族にフィットする間取りを考えて、長く住まうことのできる家づくりを楽しみたいですね。

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