2021/07/17更新0like7709view

著者:tennto1010

ふたりのちょうどいい距離感は住まいの工夫でつくれる【間取り図つき】

夫婦のちょうど良い距離感は、人それぞれ、また日ごと、瞬間ごとに変わってくるもの。そんなつかみどころのない感覚を受けとめてくれる住まいなら、夫婦がずっと良い関係で過ごせるはず。お互いの生活リズムをシミュレーションしながら、自分にとって、家族にとって快適な距離感を探してみましょう。

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数値では測れない心理的な距離感

人と人との快適な距離感は、単なる数値的な距離では測れない心理的なものですよね。同じ距離をとっていても、感覚には個人差・男女差もあり、また視線の交ざり方でも感じ方が変わります。

距離の近さだけでは、コミュ二ケーションのしやすさは測れない

距離の近さだけでは、コミュ二ケーションのしやすさは測れない

住まいの中で心地よい距離感を得るためには、単純に空間を割り当てていくのではなく、その空間で過ごす自分の身体の感覚を想像していくことが大切です。

個室で過ごしていても音が気になって干渉されていると感じる人もいるし、反対に、空間がつながっていても視界から外れていれば個人の領域が守られていると感じる人もいる、というような個々の感覚です。

夫婦だって他人どうしだから

では、家族、特に夫婦の適切な距離感を保つために、住まいはどうあるべきなのでしょうか。

日々の夫婦の関係は、互いの生活リズムの違いなどから、細々とかみ合わない瞬間がたくさんあるはず。また夫婦といえども、相容れない生活習慣がありませんか?そこから生まれるストレスを気づかぬうちに結構ため込んでいるものです。

今感じているストレスは何なのか、マイナスの気分の正体を丁寧に解析することが、良い距離感の住まいづくりの鉄則です。互いのリズムや習慣を受け入れる努力で疲れるよりも、部屋の仕組みでうまくかわしていく方が、実はストレス軽減には近道なのです。

ストレス時間を極上時間に

分かりやすい例として、水まわりは、生活リズムの“重なり”でストレスを生む一方で、リズムの“ずれ”でも、プランニングの難しさが顕著に表れる場所の一つですよね。

例えば、早起きして朝のシャワーを浴びたい夫、夜はゆっくり寝室近くでスキンケアタイムをとりたい妻。互いのリズムを侵さずに、それぞれの贅沢タイムを味わえるような水まわりの配置ができれば、ストレスだった時間を、反対にリラックスの時間に変えることができるのです。

居場所づくりのメソッド

一緒に過ごす時間とひとりで過ごす時間、それぞれの時間が重なり合ったり、交差したり、すれちがったりと絶えず移ろっていく関係をストレスなく過ごすためには、家のなかにたくさんの居場所をつくることがポイントです。それには、広い部屋や多くの個室は必ずしも必要ではありません。

【プランニングのポイント】
ダイニングとリビングは視線が交差しない“ずれた”配置なので、食後すぐにテレビを見たい人、ダイニングでくつろぎたい人など、それぞれが思い思いの過ごし方をしていても気にならない。ひと続きになったワークスペースには扉を設けていないが、リビングからもダイニングからも死角に入るため、おこもり感もうまれる。

高低差で場面分け

リビングとダイニングなど、部屋の間に数段分の高低差をつけることで、つながった空間のなかで気配をつなげながら、領域ごとに場面転換をすることができます。
岩崎整人「l'air」

室内窓で場面分け

完全な壁で部屋を仕切らずに、室内窓やパーテーションなどで領域を緩やかに分けることもプランニングの現場ではしばしば検討されます。
箱デコ「育ってきた家、育てていく家。」

一緒もひとりも大切

たくさんの居場所をつくっても、それぞれの場所でどのように過ごしたいのかというイメージができなければ、快適な住まいには近づけません。食事はどんなふうに?日中の仕事はどこで?リラックスタイムは、一緒に過ごす?寝室の最適なスタイルは?と、いろいろなシーンと空間とを結びつけてみましょう。

【プランニングのポイント】
リビングとライブラリー、ダイニングとひと続きの広い空間でありながら、3つそれぞれのエリアで独立性も保たれている。死角にぽっかりおさまって快適そうなデスク、専用シアターのようなリビング、窓からの景色を独占できるダイニング、というようにそれぞれエリアの個性が際立っている。
ベッドルームと書斎のエリアは、クローゼットを挟んでつながる寝室、いわゆる「セパレート寝室」としても利用できるプラン。

気配と見通しでつながる空間

あらゆる生活シーンにフィットする心地よい居場所をたくさんつくり、その部屋どうしの関係性を適切につないでいく。そんな難しい課題に向き合うためには、既成の間取りの概念から一度離れて、自分たちの生活リズム最優先でプランニングを考えてみてはいかがでしょうか。

【プランニングのポイント】
ウッドデッキ(バルコニー)側の間仕切り壁を切り抜いて、廊下をつくるように全ての空間をつなげながら、個々のエリアは適度に棲み分けられている。「部屋はバルコニー側に大きくひらくもの」というような既成の間取りの概念から離れた発想で、居場所どうしのつながりを最適化したプラン。

ふたりの定位置

例えば、夫婦げんかをしたらしばらく距離をおきたくなります。そんな時のためには避難場所が必要ですし、「そろそろ仲直りを」と思えば、自然にいつもの会話がはじまるふたりの定位置も必要。どちらもあれば、安心してケンカができるかも?

【プランニングのポイント】
シンプルなメゾネットは、上下階でゾーン分けが簡単です。手すりのないリビング階段は部屋の一部のようで、リビングを見下ろす定位置が一番心地よい場所に。

この時間を待っていた

夫婦の共通の趣味があれば、ふたりがそろって充実した時間を過ごすための空間づくりに、とことんこだわるのも家づくりの醍醐味です。ふたりで過ごす時間があるから、ひとりの時間も頑張れる。そんな毎日が夫婦円満の秘訣のようです。

【プランニングのポイント】
店舗のようなバーカウンターをメインに据えて、ふたりがそろってキッチンに立てるスペースを確保。また、夫婦それぞれがプライベートな居場所も併せてもつことで、一緒の時間もひとりの時間も、自由に行き来できる。
夫婦円満は住まいから。心地よい距離感の感じ方はひとそれぞれですが、いまよりもっとお互いを思いやれる関係になるために、住まいの仕掛けから変えてみませんか。

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