2023/12/03更新2like63953view

著者:SUVACO編集部

リノリウムって何?床材として人気の理由と取り入れる際の注意点

近年、特にリフォーム・リノベーションの床の仕上げ材として人気の「リノリウム」。リノリウムは、現代の住まいに求められるさまざまなニーズに適した素材として取り入れられている建材のひとつです。
ここでは、リノリウムの素材の特徴やその魅力、取り入れる際の注意点について住宅事例と合わせて紹介します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

リノリウム?どうして人気が出てきたの?実は天然素材です!

リノリウムは、実は昔からあり、病院や学校などの公共施設で長年使用されていました。見た目はビニール製に見えますが、原料は、亜麻仁油や石灰岩、松脂、木粉、コルク粉、天然色素といった材料を混ぜて作られています。それらを、麻でできたジュートという布に圧着してできる床材です。

原材料や製造工程、施工技術などの理由から敬遠されつつありましたが、なぜここ数年、リノリウム床材の人気が再び高まってきたのでしょうか。

そこには、室内で化学物質が発生することで発症するシックハウス症候群といった問題から、健康住宅が求められていること。また、SDGsの観点から、環境に配慮した素材を取り入れていくことへの意識が高まっているなどの理由があります。

使う素材ひとつとってもさまざまな選択肢がある今、長い時間を過ごす住まいにも安心できるものを選びたいですね。

リノリウムって、ほかにはどんな特徴があるの?

まずは、リノリウムの特徴や魅力について挙げてみます。

抗菌・抗ウイルス作用がある

リノリウムに含まれる亜麻仁油には、抗菌・抗ウイルスがあると言われています。実際に、病院で使われている建材というのも納得です。

有害物質の心配がなく耐火性が高い

リノリウムは、発火点が高いという特性を持っているため、燃えにくい床材とも言えます。万が一の火事のことを考えると、有害物質が発生せず、燃えにくいというのは安心感があります。

耐久性に優れている

ほかにも、耐久性に優れていることも特徴です。キャスター付きの椅子や家具にも凹みが出づらいこと。また、静電気が生じにくいためほこりが溜まりにくく、掃除がしやすいなどのメリットがあります。

リノリウムはどんな場所に使えるの?

一般的な住宅では、トイレや洗面所、キッチンといった水回りの床に使われることが多い傾向にありますが、最近ではその場所も多岐に渡って採用されています。
それでは、実際にリノリウムを取り入れている住宅事例をご紹介していきます。

リノリウムとヘリンボーンの貼り分けでゾーニング

築25年のマンションリノベーション。
リビングの床材はヘリンボーンフローリング、ダイニングキッチンはリノリウムを採用し、空間をゆるやかにゾーニング。お気に入りの雑貨を飾って楽しむための工夫や、広々としたコの字型キッチン、使いたかった素材を取り入れるなど、たくさんのこだわりが詰まった住まいです。

燃えにくく掃除がしやすいリノリウムをキッチンに

共働きのご夫婦にとっての癒しの時間は、空いた時間に楽しむ音楽演唱。自宅で仕事と趣味を両立するためにプランニングされた、マンションリノベーションです。

白を基調としたキッチンは、妻が希望した自然素材のリノリウムの床とのコントラストが印象的。燃えにくく掃除がしやすいリノリウムは、キッチンに適した素材です。
家事効率も考慮された間取りの工夫や内装材選びにもこだわり、愛着のあるキッチンはそのまま活用し、コンロやガスオーブン、レンジフード、食洗機などの設備を一新しました。

畳のイメージでリノリウムを採用

築25年の建売住宅に、今の暮らしとデザインを馴染ませたリノベーション。
リビング中央の床は、普段の床座りの暮らしと趣味のお茶や着物を楽しめるよう、畳に変わる素材として天然素材のコルクのリノリウムを貼り込まれています。茶室やゲストルームとしても利用することもあり、部屋の中にもうひとつの部屋を設える発想で、布を天井から吊してフレキシブルに。現代の暮らし方にあった取り入れ方です。

シンプルインテリアに白いリノリウム

夫婦と子どもが住む、団地のリノベーション。
子どもが成長するに合わせたフレキシブルな使い勝手と、初期費用をおさえたリノベーションを目指した事例です。下地までをプロが整え、その先はDIYで自由に壁材や床材を貼ったり、付け足していけるような仕上げに。
洗面所も素材をラワン、モルタル、塗装とリノリウムと合わせシンプルな内装となっています。

サンルーム床にリノリウムを

サンルームとしても、リビングの一部として一体にも使えるプラン。
リビングの一部としても使うことができる、サンルーム・インナーバルコニーには家事室の要素も盛り込んで、床にはリノリウムを採用しています。洗濯物の水が落ちてもサッと拭き取り家事効率もアップ。

自然・天然素材に囲まれた家

化学物質や有害物質が発生せず、燃えにくく、抗菌効果や防音性にも優れているリノリウムなら、クローゼットにも最適です。

床材をリノリウムで切り替えさりげなくデザイン

延床面積77.5㎡のマンションリノベーション。室内のほぼ中心にあるパイプスペースの軸に、回遊できる動線がプランニングされています。
リビングダイニングは、天井の凹凸に合わせ、床をコルクリノリウムで切り替え。さりげないデザインで室内全体がつながるように整います。

床材ではなくデスク天板に

1階とアーチでつながるスタディスペース。
長いカウンターの天板にリノリウムを採用。耐久性に優れたリノリウムは、床材以外にも天板にも取り入れることができます。

手入れもしやすい!キッチンの面材にリノリウム

さまざまな素材をバランスよく取り入れたマンションリノベーション。
キッチンの面材にリノリウムを採用することで、濡れた手で触れても汚れたあとの手入れもラクに。
そのほか、天板はステンレスのホットバイブレーション、壁面はタイルとドイツ漆喰を採用した特注のキッチンです。

リノリウムを使ってみたい!気を付けることはある?

メリットがたくさんあるリノリウムですが、取り入れる際の注意点も考慮しましょう。

価格面では、見た目が似ているビニール製のものに比べて割高になり、品質面では、施工直後は亜麻仁油特有のニオイが出やすいことが挙げられます。さらに、紫外線によって色の変化や劣化が生じるケースがあります。

また、お手入れの注意点としては、リノリウムはアルカリに弱いという性質があるため、ワックスがけをする際には、中性ワックスを使用するようにしましょう。比較的、水回りに採用されてることの多いリノリウムですが、使用する洗剤や薬品によっては注意が必要です。

検討する際には、実際に素材に見て触れてみることはもちろん、使用する場所・環境を考慮することをおすすめします。
多くの魅力を持つ素材、リノリウム。その特性を上手に取り入れることで、より快適な暮らしを実現していきたいですね。

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