2023/02/27更新0like1343view

著者:岩間光佐子

家族との団欒、コミュニケーションを図る空間づくり

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

家族団欒のスペース、みんなで過ごすくつろぎの場と言えばリビングですが、コミュニケーションを図ることができる空間は多様に考えられます。自然と家族が集まるスペースと取り入れた住宅事例と合わせて、誰もが心地良く感じる空間づくりのアイデアやポイント、注意点をご紹介していきます。

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▽ 目次 (クリックでスクロールします)

ベランダやデッキを活用する

住まいは屋内空間だけで完結するものではありません。屋外空間を上手に取り込むことで、快適さも高まるものです。日常の暮らしの中でも気分転換の場として、もうひとつのリビングとしてベランダやデッキなどを活用するケースが多くみられるようになりました。

プランニングのポイントは?

家族みんなが居心地のよいデッキやテラスとするためには、まず、そこでの過ごし方や使い方をイメージすることから始めましょう。「休日に朝食をとりたい」「子供が遊ぶ場所にしたい」「ペットも一緒に過ごしたい」など、目的に合わせて、設置場所や広さ、素材やデザインなどを考えていくことが基本です。

ゾーニング(配置計画)や動線は、リビングからつなげるプランが多くみられますが、お茶や食事を楽しみたいのであれば、キッチンからの動線が短い方がいいでしょう。バスルームや洗面室とつなげれば、湯上りにくつろぐことも可能です。また、行き来する窓サッシには、引き込みタイプや折れ戸タイプなど、開口部を広くとることができるスタイルがおすすめ。屋内からつながるひとつの空間とすることで、使い方も広がるでしょう。屋内外の床材の素材や色合いをそろえると、より一体感が生まれます。

配慮しておくべき注意点

屋外に適した建材選びはしっかりと!ベランダやデッキの床材として人気があるのが「ウッドデッキ」です。天然木や木粉・樹脂を混ぜた人工的な建材を使用するケースが多くみられます。天然木は、その素材感が魅力。樹脂製のデッキは素材としての均一性、耐久性、メンテナンス性が高いのが特徴です。

また、くつろぎ感を高めるためには、夏場の日差しも意識しておきたいものです。水平にせりだす日よけや雨よけであるオーニング、外付けスクリーン(シェード)などを設置するなどの配慮も検討しましょう。テラス屋根を設ければ、雨を遮ることも可能です。

食事も勉強もできるダイニングプラン

最近、新築やリフォームで多くみられる、キッチンとダイニング、リビングをひとつの空間とした間取りプラン。家族とのコミュニケーションがとりやすいことなどから人気となっています。その中でもダイニングは、食事はもちろん、くつろぎの場であったり、子供が宿題をしたり、仕事の場ともなるケースもみられ、さまざまな用途に用いられる空間として重要性が増しているようです。

プランニングのポイントは?

コミュニケーションを図る場所としてダイニングを考えた場合、みんなで調理や配膳、片付けがしやすいように、短く行き来しやすい動線を確保することが基本。最近では、キッチンで作業中の親との会話もしやすい対面キッチンも人気です。キッチンカウンターに並べてテーブルを配置する、キッチンカウンターを伸ばしてテーブルとするなどのプランもコミュニケーションが図りやすいでしょう。

配慮しておくべき注意点

家族の多様な使い方に対応しなければならないダイニングとして、テーブルやチェア選びはもちろん、収納スペースや照明などにも配慮しておきたいもの。キッチン収納やリビング収納とコーディネートするなど、使い勝手のいい収納スペースを確保しておきましょう。

また、照明プランは食事や作業くつろぎなどに対応できるような工夫を。均一にテーブル面を照らすペンダント照明を複数個設置したり、スポットライトやフロアスタンドを取り入れるなど、目的をしっかりとイメージして空間全体を含めて検討することが大切です。調光機能を取り入れるといった対策もあります。

ごろっとできる小上がりを設ける

リビングにつながる空間として、畳を床材に用いた和のスペースも人気です。その中でも、床面を少し上げ、他の床と段差を付けた小上がりスペースをリビングの一角に設けるプランも注目されているようです。

プランニングのポイントは?

小上がりをリビングに設けた場合のメリットは、段差の寸法(高さ)によっては、腰を掛けることができ、ソファに座る人とのコミュニケーションもとりやすいこと。ダイニングテーブルと組み合わせて、ベンチの役割を持たせてもいいでしょう。小上がりの段差を利用して掘りごたつを設けるケースもみられます。間仕切り扉などの建具を設置すれば個室としても利用することも可能。家族それぞれのくつろぎのスタイルも多様に広がるでしょう。

配慮しておくべき注意点

プランニングの際に注意したいのは、ある程度のスペースを確保しないと中途半端な空間となってしまうケースも。隣接するリビングなどからの動線にも注意が必要です。床下部分を収納とすることも考えられますが、段差があるため安全面に十分に注意を。幼いお子さんがいる場合などは配慮が必要です。

ファミリーライブラリーを設ける

家族みんなが使うことができ、集まりやすいスペースとして、ファミリーライブラリーを設けるプランもみられます。ホームライブラリーと呼ばれることもある家族の図書館のことで、家族が所蔵する本を一か所にまとめ、みんなで利用できるようなスペースです。本棚だけでなく、読書スペースやワークスペースを設けるなどすれば、くつろぐことはもちろん、本を通じてコミュニケーションを図ることもできるでしょう。

プランニングのポイントは?

プランニングの際には、誰が・いつ・どのように利用したいのか、をイメージすること。本棚のみなのか、読書や勉強のスペース、ワークスペースなどを設けけるのかを検討を。同時に、将来を含め収納する書籍の種類や量を把握することも重要です。そのほか、出し入れのしやすさ、安全性や掃除のしやすさも検討しておきたいものです。

配慮しておくべき注意点

コミュニケーションを図るためには、設置する場所も重要です。たとえば、リビング壁面を利用するのであれば、食事の後や休日などでもくつろぎながら楽しむことができるでしょう。本棚近くに小椅子や置き畳などを置いて、読書スペースをプランニングしても。また、子供室や寝室などプライベート空間につながる廊下などに設けるプランも考えられます。階段の壁面や手すり、踊り場などを利用してもいいでしょう。日々行き来しながら楽しむことが可能ですし、階段に座って本を読むことも可能です。

家族で入浴できるお風呂

幼いお子さんとのコミュニケーションの場として浴室も重要なスペースではないでしょうか。

プランニングのポイントは?

親子でのお風呂タイムを快適にするためには、浴槽大きさ、楽しむ仕掛け、安全性などに配慮することがポイントです。

お湯につかりながら会話を楽しむのであれば、浴槽の大きさや形状にも配慮したいもの。ゆったりとした大きさの浴槽、子供との入浴もしやすい段差やステップのある浴槽もみられます。多くの方が取り入れるシステムバスであれば、ショールームで実際に体感することができるので、浴槽に入って確認することをおすすめします。

配慮しておくべき注意点

間取りプランにもよりますが、可能であれば浴室全体も開放感のあるプランとしたいもの。物理的な広さを確保できなくても、窓の大きさや屋外とのつながりなどに配慮して。庭やデッキなどとつながりがあれば、より楽しいバスタイムとなるかもしれません。
浴室本来の目的を忘れずに、清潔で安全にかつプライバシーをしっかりと考慮したプランニングを検討し、より快適な浴室空間をつくりたいですね。

吹き抜けでつながる空間づくり

空間は平面的なつながりだけではありません。立体的なつながりを重視することで、家族の気配を感じながら緩やかなコミュニケーションを図ることは可能です。

プランニングのポイントは?

1階のリビングに吹き抜けとして、2階の子供部屋などとつなぐことで、上下の気配を感じることができるでしょう。開閉できる室内窓を設ける方法もあります。家族それぞれの動きや話し声、料理の香りなどを感じることで、安心できることもあるでしょう。また、2階リビングであれば、1階の玄関と吹き抜けでつなぐことで、家族の外出や帰宅時の様子を確認することが可能です。

配慮するべき注意点

吹き抜けは、家族の気配を感じることができますが、空調計画には十分に配慮が必要です。建物の断熱性能を高めることはもちろん、空間に適した冷暖房機器を取り入れ快適な環境を整えられるようにしましょう。

部屋を仕切る建具の工夫

プランニングだけでなく建具などの選び方でも、気配がわかる、緩やかなコミュニケーションを図ることはできるでしょう。

プランニングのポイントは?

LDKや子供部屋などの開口部の建具を引き戸を取り入れ、普段は開放しておくことでひとつの空間として過ごすことが可能です。
扉の一部にガラスやルーバーを組み込んだタイプを用いてもいいでしょう。部屋の灯が漏れることで気配を感じることができます。

また、最近では、部屋と部屋の間仕切壁に室内窓を設けるプランもみられます。デザイン性の高い室内窓はインテリアのポイントにもなるものです。

配慮するべき注意点

隣接する部屋をつなげるプランを取り入れる際は、集中したいときに扉を閉めることで個室としても使用できるなど、空間をフレキシブルに間仕切れるようにしておけると良いでしょう。ライフスタイルや家族の成長に合わせたの変化にも対応できると、より使い勝手の良い住まいとなります。
住まいのプランニングや工夫などハードな部分だけで家族とのコミュニケーションが高まるわけではありませんが、家族が集まりやすい、家族がくつろぎやすいような空間とすることは可能でしょう。どのような暮らしをしたいのか、わが家にとって団欒とは何かをじっくりと考えながらプランニングを進めてみてはいかがでしょうか。
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この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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