2022/06/21更新1like3430view

著者:岩間光佐子

フローリング、コルク、タイルetc. キッチンの床材は何を選ぶ?

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

キッチンは、調理や片付けなど日々作業を行うスペース。機器の使い勝手はもちろんですが、内装材選びも十分に検討することが大切です。特に床材は、間取りはもちろんキッチンの使い方、インテリアに適した素材を選びたいもの。ここでは、キッチンで用いられる主な床材の種類と特徴、選ぶ際の注意点をまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

キッチンの床は、水や汚れ、傷に強く、お手入れしやすいことが重要

空間のデザイン性だけでなく、快適さや使い勝手にも大きく影響する床材。壁材や天井材とのコーディネートも家づくりの楽しみのひとつかもしれません。しかし、リビングや寝室などであれば床材のイメージもしやすいかもしれませんが、キッチンや洗面など水まわりは、どんな床材を選べばいいのか、悩む方も多いのではないでしょうか。

調理や片付けなど、日々行う作業の場であるキッチン。その床材は、空間やキッチンのプランはもちろん、作業時間や使い方などに適した素材を選びたいものです。キッチンは水がこぼれることもあるでしょうし、油が飛ぶことも。また、食器やカトラリーを落とすなど、汚れや傷がつきやすい場でもあります。耐水性や耐傷性、耐汚性など、必要な機能を持つ素材であることが求められるでしょう。

その他、立ち仕事が多いので、クッション性もチェックしたいものですが、求める性能はスリッパをはいて作業をするのかによっても違ってくるでしょう。また、床暖房を予定しているのであれば、対応できる素材としなければなりません。キッチンでの作業スタイルを考慮して選ぶことが重要です。

間取りプランに適した素材を選ぶ

最近のキッチンプランは、リビングやダイニングとひとつづきの空間とするケースも増えてきています。床材選びも、LDKがオープンにつながった間取りプランの場合、キッチンだけで考えるのではなくリビングやダイニングとのつながり、統一感に配慮する必要があるでしょう。

人気の対面キッチンやアイランドキッチンでは、ダイニングやリビングと同じフローリングなどを用いるケースも多くみられます。床素材が同じことで、空間に広がりを感じることができるでしょう。もちろん、キッチン部分だけ異なる素材を取り入れるケースも。色合いや素材感を吟味することで、統一感を生み出すことは可能です。床材の張り分け部分の見切り(仕上材の変わる部分)のプランニングに注意することもポイントです。

また、独立型のキッチン(クローズドキッチン)であれば、基本的にキッチン空間内のみで床材を検討してもいいでしょう。作業性を重視した店舗のような素材を用いてもいいですし、個性的な空間とすることも考えられます。

キッチンで用いられる主な床材の種類と特徴

木質フローリング

木質フローリングは、大きく、むく材と複合(複層)フローリングに分けられます。むく材は、単層フローリングとも呼ばれるもの。複合フローリングは、合板(基材)の表面に化粧材を張り合わせたものです。用いる化粧材によって、薄く削った天然木の単板(突き板)タイプと、樹脂化粧シートなどを張ったタイプがあります。

居室で多く取り入れられている複合(複層)フローリングは、キッチンの床にも用いられます。表面加工等によって耐水性や汚れ防止、耐傷性などが高められた商品も揃い、素材や色、価格など商品バリエーションも豊富に揃っています。木目だけでなく、大理石やタイルの風合いを持つタイプなどもあり、水まわり空間の清潔さとモダンな雰囲気を生み出すことも可能です。

むく材は、その風合いや足触りの良さが魅力。水などが染み込みやすいこと、こまめなお手入れが必要なことなどがデメリットですが、素材に適したメンテナンスを行うことで、経年変化が味わいとなるでしょう。

コルク

コルク樫の樹皮を原料とし、圧縮成形をした木質系の素材。タイル状のタイプ(コルクタイル)やコルクフローリングとした商品もみられます。堅牢で耐久性に優れ、耐水性や断熱性もあります。また、適度な弾力性があるので足腰への負担も少ないのもメリットでしょう。
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クッションフロア

塩化ビニールを用いた長尺(ロールシート状)の床材。CF(シート)と呼ばれることもあります。耐水性や耐汚性が優れるので水まわりに多く用いられます。適度な弾力性があるため、足腰が疲れにくく、食器を落しても割れにくいのもメリット。価格、色や柄などのバリエーションも豊富です。比較的施工が簡単なので、リフォームでも多く用いられます。ただ、熱には弱く、また、足触りは好みが分かれるところでしょう。

Pタイル(プラスチックタイル)

塩化ビニル樹脂などを用いて、タイル状に加工した床材のこと。耐久性や耐磨耗性、耐薬品性に優れているのが特徴。色や柄のバリエーションも豊富で張り方によってイメージも大きく変わるでしょう。
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タイル

耐水性や耐久性に優れ、色やデザインなども豊富ななじみの素材。足触りの冷たさや堅さ、目地の汚れや滑りやすさなどには配慮が必要ですが、張り方によっては個性的な空間を実現できるでしょう。滑りにくいタイプや床暖房に対応しているものもあります。

モルタル

モルタルは、セメントに水や砂を混ぜ合わせて作る建築材料のこと。土間スペースなどに用いられるものです。掃除やメンテナンスがしやすく、水洗いにも対応できます。無機質なイメージも魅力ですが、木など自然素材と組み合わせてもいいでしょう。

こだわるポイントの優先順位を明確に

キッチンの床材を選ぶ際には、機能性とインテリア性を考慮して検討することが基本ですが、わが家の場合の優先順位を明確にしておくことが重要です。子供が小さいので掃除のしやすさを重視したい、来客が多いのでインテリア性を高めたい、など家族構成やライフスタイル、料理内容などを考えて事前に確認しておきましょう。

また、壁材や建具、設置するキッチンのキャビネット扉とのコーディネートにも配慮したいもの。モデルハウスやショールームの空間展示などのインテリアコーディネートを参考にしてもいいでしょう。ショールームでは、それぞれの素材見本を揃え、確認することが大切です。

リフォームの場合、既存スペースの状況によって選ぶ素材が限られる場合もあります。最近では、厳しい条件でも施工しやすい商品も増えてきているので、希望を設計者に伝え、理想の空間を実現させてください。

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