2018年10月01日更新

注文住宅HOW TO(注文住宅 その他)

使いやすいキッチンを作るために大切なこと5つ【心地よい暮らしのレシピvol.16】

料理研究家・太田みおが、10年住んだフルリノベ中古マンションから注文住宅への住み替えを決意。夢のマイホームの完成までの実録を、隔週でご紹介しています。今回は、使いやすいキッチンについてクローズアップします。


家全体を見渡せる司令塔のようなキッチン

前回の記事で間取りを大公開しましたが、新築予定のわが家のキッチンは2階に位置しています。

1階の玄関ホールから階段を上がると、すぐ目の前にキッチンがあります。
料理を仕事にする私の家は、キッチンが中心です。わが家の司令塔として、リビングやダイニング、家全体を見渡せる場所にキッチンを配置します。

子供たちがリビングでくつろいでいるときにも、キッチンで作業する私の気配を感じることができれば安心すると思いますし、私も一人孤独にキッチンで家事をするのではなく、家族の気配を感じていたいのです。

また、キッチンに立ったときに、テラスの緑や光も目に入るようにし、気持ちよく作業できるよう、視線の抜けも確保しました。

「ワークトライアングル」を意識する

キッチンの形にはI型・L型・U型などさまざまなタイプがありますが、わが家では料理教室を開くので、大勢でキッチンを囲めるアイランド型にします。

アイランド型のメリットは大人数でキッチンを囲めることですが、一方でデメリットもあります。それは、存在感があるので、少し散らかっただけでもとても目立つこと。常にキッチンを綺麗に保てるように、収納計画を工夫しなければなりません。

使いやすいキッチンを考える時にまず大切なのは、作業効率を上げるための「ワークトライアングル」と、動線を意識することでしょう。
ワークトライアングルとは、

1)貯蔵庫(冷蔵庫やパントリー)
2)下ごしらえ(シンク)
3)調理(コンロ)

の3つを結んだ線のことです。
この線のそれぞれの長さの理想は、下記とされています。

*これはあくまで理想。一般的にはさまざまな間取りの制限があると思うので、意識する程度で大丈夫かと思います。

作業動線について検討する

作業動線を考えてみました。

・まず冷蔵庫から食材を取り出し、下ごしらえするためにシンク周りへ。

・食材を刻むなどの下ごしらえを終えたら、コンロで調理。調理したら、配膳し、食卓へ。

・食事が済んだら、下げ、シンクで食器を洗い、食器棚にしまう。

冷蔵庫→シンク→作業台→コンロ→配膳→ダイニング→シンク→食器棚の流れをスムーズに行える配置が最も使いやすいですよね。

構造に重要な柱や間取りの制限などもあるので、理想通りの配置をつくるのはなかなか難しいですが、わが家の場合は考え抜いた結果、このような配置にしました。

動線は、なるべくシンプルになるようにしました。冷蔵庫やオーブンや電子レンジなどの家電製品は、美観上、基本的に奥のパントリー側にしまうことに。

・奥にある冷蔵庫(扉の向きに注意して計画)から食材を取り出し、まずは奥のサブのシンクで野菜などを洗う。

・正面の作業スペースで刻んだり混ぜたりの下ごしらえを行い、コンロで調理。

・すぐ後ろの日常使い用の食器棚から食器を取り出し、配膳し食卓へ。

・食事が終わったら、メインのシンクに下げ、食洗機やゴミ箱を使って後片付けし、背面の食器棚に食器を収納。

・生ゴミの臭いが気になるので、その日のうちに奥の窓から、テラスに置く予定の蓋つきゴミ箱にゴミをしまう。

この配置なら、一連の流れがスムーズに行えそうです。私が調理中に家族が冷蔵庫の飲み物を取りに来ても、邪魔にならない動線も確保できます。

収納計画も綿密に

何をどこに収納するのかも、だいたい決めました。

シンクの周りには、食材を洗うときに使うザルやボウル、食器を洗うときに使うゴミ箱と食洗機を。
下ごしらえ作業スペース近くには、ボウルやバット、調理器具を収納。
調理コンロの周りにはフライパンや鍋、調味料や調理器具を収納すれば、ストレスがありません。

キッチンカウンター下のダイニング側にもずらっと食器収納棚をつくります。
これは、料理教室やおもてなし用の食器をメインに収納するスペースにします。カトラリーやランチョンマットなどもダイニング側の収納に。
一方、日常使いの食器は調理後の配膳がスムーズになるよう、キッチン側に配置します。

調理道具は、使用頻度の高い第1群はメインのキッチンカウンターに。ときどき使用する第2群は、背面の棚に収納します。

素材とデザインについてこだわる

キッチンは家の中心であり、また、料理家として一日のほとんどを過ごす場所なので、デザインや素材にはとことんこだわりたいと思います。

まず、床は水シミや油汚れなどが気にならないよう、お手入れしやすい天然石にする予定。

また経験上、コンロ周りの壁面などが天然石だと、石が油や汚れを吸い込んでくれるため、お手入れがほとんど必要ありません。
現在住んでいる家のコンロ横の壁は、たまたま天然石のタイルを張っていますが、料理教室の生徒さんに「この壁はどうやってお掃除するんですか? 油が飛びますよね? とても綺麗なので、お手入れ方法を教えてください」とよく聞かれます。
が、実は10年間一度も壁の拭き掃除をしたことはありません。天然石がもたらす、素晴らしいメリットです!

現在住んでいる、リノベマンションのわが家のキッチン。コンロ横の壁が天然石タイルです。

現在住んでいる、リノベマンションのわが家のキッチン。コンロ横の壁が天然石タイルです。

ワークトップの素材はまだ迷っていますが、人造水晶石(クォーツエンジニアドストーン)に惹かれています。
これは、天然石の中でも硬く、吸水率の低い水晶石が93%以上を占め樹脂や顔料を混ぜて加工したもの。包丁より硬度が高いので、傷や摩耗に強いのも魅力です。見た目は天然石の風合いを持ち、高級感もあります。

背面収納については、カウンター下収納と吊戸棚の間の壁面には素敵なタイルを張り、見せる棚板を1枚渡したいと思っています。
この棚板に、ちょっとした季節の植物を飾りたいです。

電源コンセントの位置にも気を配る

電源コンセントの位置も気をつけて配置したいポイントです。

・ダイニング側への設置
・キッチン側の設置(フードプロセッサーやミキサーを利用するときに便利な位置)
・家電製品収納内部への設置(炊飯器やトースターを隠して収納するため、収納の内部にも)
・背面収納カウンター上への設置(コーヒーメーカーや湯沸かしポット利用のため)

などです。

まとめ

使いやすいキッチンづくりのためには、

・ワークトライアングルを意識した配置
・作業動線を検討
・綿密な収納計画
・デザインや素材にこだわる
・電源コンセントの位置は慎重に

をしっかり意識すれば、満足できるキッチンになるのではと思っています。
実際にキッチンができあがったら、またレポートしますね。

次回は、床の素材について、焦点をあてて書きたいと思っております。お楽しみに!


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この記事を書いた人

太田みおさん

料理家/ライフスタイルデザイナー。おもてなし料理とテーブルコーディネートの教室lifestyle atelier MAGNOLIA主宰。企業へのレシピ提供やコラム執筆も行い、「暮らしを美しく、心をゆたかに」をモットーに、食卓から幸せを創り出す活動を行っている。

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