2023/08/07更新0like2106view

著者:岩間光佐子

網戸の種類と基礎知識。換気・通風・虫の侵入も防ぐ!心地のよい住まいの必需品

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

換気や通風を確保しつつ、虫が室内に侵入しないように用いる網戸。家づくりの際にはあまり気にしないアイテムかもしれませんが、夏の季節を中心に日々の心地よさを左右する大切な建具のひとつです。ここでは、網戸の種類や選び方のポイントをまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

快適さを生み出す重要な建具。窓プランと同時に検討を

網戸は、虫の侵入を防ぎつつ、風を通し、換気を可能にする大切な建具のひとつです。普段、あまり意識しないかもしれませんが、換気が重視される昨今、日々の暮らしの快適さに関わる重要なアイテムでしょう。

新築やリフォームの際には、窓サッシ選びと同時に、設計担当者等が適するタイプを提案してくれるケースがほとんどです。どのような種類があり、特徴があるのか、イメージしにくいかもしれませんが、日々使用し、日常的に目にする建材なので、防虫効果や使い勝手、眺望性などを意識して選ぶようにしましょう。

最近では、各メーカーからさまざまなタイプの網戸が提案されています。窓計画と同時にしっかりと検討を。ショールームで窓サッシを確認する際に、網戸に関しても実際に確認し、操作性などもチェックしておくことが大切です。

写真協力/YKK AP [クリアネット]

写真協力/YKK AP [クリアネット]

網戸の構成と素材

網戸は枠と網(メッシュ)で構成されています。住宅の網戸の場合、一般的な枠の素材は、窓サッシと同様にアルミ形材ですが、木製サッシに合わせた木枠のタイプもみられます。アルミ枠のカラーバリエーションには、メーカーや商品によって異なりますが、シルバー、ステンカラー、ホワイト、ブラック窓など。窓サッシに合わせることができる色合いがそろっています。
網(メッシュ)の素材には、多く普及しているのが比較的安価な化学繊維のポリプロピレン。合成繊維のポリエステルは、強度がありポリプロピレンに比べると耐久性も期待できます。犬・猫等、ペットが引っ掻いても破れにくい素材でしょう。また、熱に強いグラスファイバー(ガラス繊維)などもあります。
網(メッシュ)の色は、主にグレーとブラック。ブラックの方が眺望性を得ることが可能です。そのほか、耐久性の高いステンレス製もあります。

樹脂でコーティングされた、ペットの引っ掻きに強い商品、薬剤を練り込むことで虫がとどまりにくい網戸などの商品を取り入れるなど暮らし方に合わせてさまざまな工夫を取り入れることができます。

網目の大きさと機能

網目の大きさ(細かさ)は、「数字」で表示されています。これは、「1インチ(2.54センチ)あたりの網目の数」のことで、数字が大きいものほど網目が細かいということになります。18メッシュもしくは20メッシュは、一般的なハエよりも網目が小さいもので、通気性が確保できます。24メッシュや30メッシュなどであれば、網の太さがより細くなるので、眺望性が高く、小さな虫の侵入も抑えることが可能です。

写真協力/YKK AP [ブラックネット クリアネット眺望イメージ]

写真協力/YKK AP [ブラックネット クリアネット眺望イメージ]

網戸の形状と種類

網戸は、いくつかのタイプに分類することができます。
形状には、パネル式、固定式、ロール式、プリーツ式といった種類があります。また、設置する場所で分けると、窓サッシの開閉方法やスタイルによって屋外側に設置するものと室内側に設置するものがあります。通常、引き違いや片引き窓であれば屋外側、滑り出し窓やジャロジー窓の場合は、室内側に設置するケースが多いです。

パネル式:スライドタイプ

屋外側に設置する、一般的な引き戸タイプの網戸です。引き違い窓などに用いられる、最も身近なパネル式の網戸でしょう。脱輪防止の工夫などは、チェックしておきたいポイントです。

パネル式:上げ下げ/縦スライドタイプ

パネル状の網戸を上下に操作する上げ下げ窓用の網戸です。

パネル式: 内開きタイプ

室内側に開くタイプの網戸。

固定式

外開きや突き出し、ジャロジー(ルーバー)窓の内側に固定するタイプ。取り外しも簡単なので掃除やメンテナンスもしやすいでしょう。(内倒し窓の場合は、室外側に設置)

ロール式:上げ下げ/横引きタイプ

室内側に設置するタイプ。チェーンなどを引くことでロール状に巻き取る形状で、使用しない季節は、上部や側部に収納可能です。
写真協力/YKK AP [上げ下げロール網戸]

写真協力/YKK AP [上げ下げロール網戸]

プリーツ式(固定)

横方向(左右)に折りたたんで開閉できるプリーツ状のタイプ。

網戸の最近の傾向

網戸の最近の傾向は、虫の侵入を防ぐことや通風を確保することはもちろんですが、眺望性が高められていることが挙げられます。小さな虫も防ぎつつ風を取り入れると同時に外の景色を楽しむことができるように、細い糸を用いた網を用いるなど、工夫を施したタイプがそろっています。

また、掃除やお手入れのしやすさに配慮もみられます。たとえば、糸と糸の交差部を融着する技術で、ホコリがすき間に入りにくく、お手入れのしやすい商品なども提案されています。

写真協力/YKK AP [スライド網戸XMH クリアネット]

写真協力/YKK AP [スライド網戸XMH クリアネット]

玄関や勝手口に設ける網戸

網戸は、 窓だけでなく玄関や勝手口扉などに設置するケースもあります。後付けで取り入れる場合もあるでしょう。

形状は、下にレールを設けた横引きのロール式やプリーツ式、中折れ式などがみられます。
ロール式やプリーツ式は、使用しない時はすっきりと納めることが可能。取り外しできるタイプであれば、お手入れがしやすく、冬場は物置などに収納しておくこともできるでしょう。玄関扉や勝手口扉の開閉方法や形状、スペースの有無などに合わせて選ぶことが大切です。

新築やリフォームで網戸を選ぶ際には、網戸単体で考えるのではなく、窓サッシの開閉方法や配置、カーテンやブラインドなど、設置する空間の使用方法などを考慮して、検討することが大切です。また、網戸は、ホームセンターやネットショップなどにも、DIYで設置できる商品もあります。購入する際には、開口部のサイズ、取り付け方法やメンテナンス方法など、しっかり確認した上で選ぶことがポイントでしょう。


一部写真協力/YKK AP

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