2023/06/28更新0like1994view

著者:岩間光佐子

知っておきたい。健康・環境に配慮した自然素材の種類と特徴(床材編)

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

天然素材の床材といえば、無垢のフローリングが最も馴染み深いものですが、それ以外にもコルクやココヤシ、竹といったさまざまな素材があります。いずれも自然素材の持つ魅力から、取り入れたいと希望する方も多いでしょう。
ここでは、知っておきたい自然素材を使った床材の種類と特徴、プランニングする際の注意点をまとめました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

自然素材が注目されているわけ

家づくりの際に、こだわる方も多いのが床材でしょう。床材は、室内の中でも広い面積を占めるため、インテリアイメージを左右するだけでなく、素足で歩いたり、直接座ったりと肌が触れることが多く、快適さにも大きく影響する素材のひとつ。そのため、健康面や環境面から自然素材を取り入れたいと希望する方も多いようです。

自然素材の床材もさまざまですが、一般的にその魅力は、何といってもその素材感でしょう。色味や風合い、経年による変化を楽しめることも。また、「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」への不安も軽減し、有害物質を含まないことで環境にも優しいというメリットもあります。特に、子育て世代などを中心に自然素材は注目されています。

自然素材の床材の種類と特徴

無垢材

無垢材は、広葉樹と針葉樹のふたつに分類することができます。床材に用いられるケースが多い広葉樹には、オーク、チーク、ウォールナットなど。針葉樹には、スギ、ヒノキ、パインなどがあります。

無垢の床材は、一般的に保温性や断熱性が高いこと、調湿作用があることが特徴。夏は素足で歩いてもべとつかず、冬は静電気を抑えることも。柔らかい樹種であれば弾力性もあるので、足腰への負担が少ないのも魅力です。また、経年によって色味や艶など、より深い表情が生まれ、時間とともに楽しむことができる素材といえるでしょう。

ただ、湿度の変化によって、膨張と収縮を繰り返すため、反りや割れなどが生じるケースも。特殊な加熱処理を施して、耐久性や寸法安定性を高めた商品もみられますが、基本的に、素材や塗装方法に合わせたお手入れや傷などへの配慮は必要でしょう。

コルク

コルク樫の樹皮を原料とした木質系の床材です。コルクを粒状にし、加工しながら焼き固めたもので、コルクタイルと呼ばれるタイル状のものや、フローリングとした商品などもそろっています。木を伐採せず、再生する表皮を利用するため、環境保護の観点からもエコロジーな素材といえるでしょう。

特徴は、堅牢で耐久性に優れ、吸音性、断熱性も高いこと。適度な弾力性もあり、足腰への負担も少ないでしょう。また、耐水性もあるため、リビングや寝室、子供室だけでなく、キッチンや洗面室などの水まわりに使用することも可能です。

建材メーカーからは、無塗装や天然オイル仕上げ、耐久性や耐摩耗性を高めたウレタン仕上げなどの商品もあり、色味もナチュラルだけでなく、ブラックやホワイトなどのカラーもみられます。また、床暖房対応のタイプもあります。

ココヤシ・麻

熱帯地方に育つココヤシや麻の天然繊維を原料にした床材です。

ココヤシの繊維は、リグニンが多く含まれたセルロースの繊維なので、丈夫で水にも強く、腐りにくく、カビも生えにくのが特徴。また、サイザル麻は、耐久性や防音性、断熱性や調湿性などに優れ、汚れや水に強い素材です。いずれも、ざっくりとした独特の風合いが特徴で、洗面室などの水まわりなどに向いています。

商品としては、タイル状が多くみられ、色味や繊維の織り方によって、さまざまなタイプがそろっています。

木材よりも弾力があり丈夫と言われている竹は、繊維の方向が一定で反りにくく、曲げ強度や圧縮強度がある素材。竹の繊維を組み合わせ、圧縮成形した床材は竹(バンブー)フローリングと呼ばれ、強度があり、傷がつきにくく、収縮膨張も少ないことも特徴です。成長するサイクルが早い竹は、持続可能な資源として注目されています。
竹浪 由里「目黒区リノベーション」

畳には、畳床(畳の芯部分)が天然素材の稲わらを用いた本畳のほかに、畳床に天然木質繊維やポリスチレンフォーム板を用いたものなどがあります。また、畳表(ござ部分)は、通常イグサで織ったものを使用しますが、最近では和紙を用いた商品もみられます。

畳表や畳床にもよりますが、一般的に畳は、調湿性や断熱性、防音効果などが高いのがメリット。抗菌作用や脱臭作用、弾力性も魅力です。

リノリウム

リノリウムは、亜麻仁油や石灰岩などの天然成分で作られる自然素材。リフォームの際に、洗面室やトイレに用いることが多いでしょう。化学物質や有害物質が発生せず、燃えにくく、抗菌効果があるのが特徴。また、防音性にも優れています。商品としては、木目調や大理石調などがそろっています。

取り入れる際の注意点

床材を選ぶ際には、まず、空間の使い方や取り入れたい目的を明確にすることが大切です。リビングであれば心地よさやデザイン性を、キッチンや洗面室なら耐水性やメンテナンス性など。空間に必要な性能の優先順位を明らかにしてプランニングを。床暖房を設置したり、犬や猫を飼うのであれば、それぞれ対応した素材を選ぶことになります。

また、これらの天然素材は、日々のお手入れやメンテナンスのしやすさなども素材によって異なるので事前にチェックしておくようにしましょう。

いずれの床材を選ぶ場合でも、実物をショールームで確認することは重要なポイント。広い面積に取り入れる素材なので、できる限り大きなサンプルで、色や柄、素材感や風合いなどの確認することが基本です。

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