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2023/06/23更新0like873view

著者:岩間光佐子

知っておきたい。健康・環境に配慮した自然素材の種類と特徴(内壁編)

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

空間のイメージを左右し、日々触れることも多い内壁材。健康にも環境にも配慮した自然素材を取り入れたアイテムが注目されています。各メーカーから多様な商品が展開されていますが、ここでは、まずは知っておきたい自然素材を使った壁材の種類と特徴をまとめます。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

自然素材が注目されているわけ

住宅に取り入れられる内壁材は、クロスや塗壁、木、タイルなど。各メーカーから豊富な商品バリエーションがみられますが、その中でも最近では、健康面や環境面から自然の素材を用いた商品が充実しています。

一口に自然素材といっても、さまざまな素材がありますが、一般的にその魅力は、色味や風合いといった素材感。また、「シックハウス症候群」や「化学物質過敏症」などの不安も軽減、有害物質を含まないことで、環境にも優しいというメリットもあります。

また、内壁材としては、乾式工法と湿式工法に分けることができます。
乾式工法は、クロスやパネルといった豊富な商品バリエーションがそろい、一般的に施工時間が短く、手間が少ないのがメリットでしょう。
湿式工法には、伝統的な左官塗工法である塗壁があります。塗壁には、一般的に仕上げ(上塗り)に塗るものによって分類され、漆喰(しっくい)を塗ったものが「漆喰壁」です。日本の気候・風土にも適応しており、調湿性や断熱性、防火性、防音性などに優れているのが特徴。クロスと異なり仕上がりに継ぎ目が無いこと、刷毛やコテなどで多様な表情を生み出すことができるのもメリットでしょう。

自然素材の内壁材の種類と特徴

漆喰(しっくい)

漆喰壁は、消石灰に砂と糊などを混ぜて土壁の上に塗るもので、滑らかな表面が特徴。耐久性や調湿性、断熱性、防火性などに優れています。色は白が基本ですが、色土や顔料を加えた商品もみられ、通常の塗装仕上げだけでなく、漆喰を用いたクロスなど施工性を高めたタイプもあります。

珪藻土(けいそうど)

海や湖などに生息していた単細胞の植物プランクトンの死骸が堆積して出来た土層から採取されるもの。多孔質である(スポンジのように多くの小さな穴を持つ)ことから、吸湿性や吸放質性、保温性、断熱性に優れる素材です。

仕上げのパターンや色柄も豊富、施工性を高めたタイプなどもみられ、商品バリエーションは豊富になってきています。石膏ボードに直接塗り付けられるもの、クロスの上に塗ることができるリフォーム向けの商品などもあります。

そのほか、塗装壁/シラス壁 ・エッグペイント・ホタテ貝殻塗料など

そのほか、各メーカーからさまざまな特徴を持つ塗装商品が展開されています。

シラス壁は、シラス台地の土を用いたもの。調湿機能や消臭機能が高く、紫外線に強いため色あせや劣化もほとんどないのが特徴です。
また、エッグペイントは、塗料の主成分である卵の殻に珪藻土などをブレンドした機能性塗料。生活臭などや余分な湿気を吸収する働きがあります。

その他、化学物質を分解軽減したり、抗菌・除菌機能、防虫・消臭機能を持つホタテの貝殻の微粉末を基材とした塗料、サンゴや海洋藻類の化石などを取り入れた商品もみられます。

(参考)あの食品が、高機能な壁材に!人と地球に優しいペイント材はDIYにもおすすめ

紙クロス・和紙・月桃紙・ケナフ

パルプが原料の洋紙を原紙に、プリント加工やエンボス加工を施したものが紙クロス。欧米では多く用いられ、独特の模様やデザインが魅力の輸入品も多くみられます。
光の届かない暗い廊下に、光があふれるリビングに面した引き戸に美しい光のグラデーションが生まれる和紙を採用しました。
そのほか、沖縄などで栽培される月桃の茎から繊維を取り出しパルプにした月桃紙は調湿性に優れた素材ですし、一年草のケナフなど主原料とした壁紙もあります。

板張り

板張りの壁としては、無垢材を用いるケースがみられます。ログハウスのようにすべて木の内壁としてもいいですし、ひとつの面に用いて部屋のアクセントとしたり、腰壁として取り入れるプランも考えられるでしょう。パネルタイプだけでなく、タイルやモザイク状の商品もあります。

タイル/エコカラット

耐久性や耐水性に優れるタイルは、主に水まわりに用いられる素材ですが、最近では居室の内装材にも取り入れられるケースもみられます。壁面に用いることで空間のアクセントにもなります。
デザイン面だけでなく、調湿や消臭などの機能を持つタイル商品は、リビングやダイニングなどで用いるプランも増えているようです。ペットがいるご家庭にも向いているでしょう。テクスチャーやデザインバリエーションも豊富に揃い、さまざまな空間に合わせることが可能です。

取り入れる際の注意点

内壁材は、空間の使用方法に合わせて選ぶことが基本。取り入れる空間はどのような目的で、誰が使うのか、そのためにはどのような機能が必要かを明確にした上で検討すること。それぞれの素材の特性を理解し、適材適所で採り入れることが大切です。また、空間の中でも大きな面積を占めるので、床材や天井材と一緒に選ぶことも大切なポイントでしょう。

自然素材の場合、施工性を高めた商品も増えていますが、どうしてもヒビやクラックなどが入ってしまったり、色ムラがあるケースなどもみられます。均一な工業製品とは異なるということを理解して、素材選びをすることが大切です。また、お手入れ方法やメンテナンスに手間がかかる素材もあります。事前に確認しておくようにしましょう。

色合いやパターン、柄などは、大きめのサンプルなどでチェックするか、ショールームを利用して。空間や光によってもイメージが変わってくるので、サンプルを実際の現場に持ち込んで確認するのもいいでしょう。

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