中古物件を買ってリノベーションするときに、物件のどこをどう見ればいいのかをプロの目線からお伝えするシリーズです。今回取り上げるのは床。実は床がどういう仕上げなのかによって、キッチンや洗面など水まわりの間取りに大きく影響してくるというのですが、それは一体なぜなのでしょう?
こんにちは。東京・恵比寿にあるリノベーション会社のEcoDeco(エコデコ)です。この連載では、リノベーションを検討する方々へ向けて、「物件を読むコツ」について解説しています。
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都渋谷区 (ほか全2拠点)
主な対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県 / 福岡県
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リノベーションにおける物件内見時のコツ、今回は「床」です。
「二重床」と「直床」の違い
物件を読むコツとして、前回天井のことについて書きましたが、今回は目線を下にして「床」に関して説明します。
まずはこの画像を見てください。
ここで注目してもらいたいのが、「配管のところだけ溝になっている」ということ!
この配管の状況って、実はリノベーション時にプラン変更する場合はとても重要になって
くることなんです。
ではまず、床の仕上げ方に関して基本的な2種類をご紹介。
【二重床】
これは、その名前の通り「床が二重になっている仕上げ」のこと。
コンクリートスラブの上に束組みをして、床下スペースを設け、その上にフローリングなどの仕上げを貼っているような状態です。
こんな感じですね。
この床下スペースがあることで、給排水管を通すことができるため、キッチンや洗面などの設備関係の位置変更が比較的容易にできるという点が大きなポイントです。
それに対して……。
【直床】
これはコンクリートスラブに、直接カーペットやフローリングなどの仕上げ材を貼っている状態です。
一度モルタルなどでフラットにしていたりしますが、基本的にはコンクリートに直接仕上げてあり、配管などを通すスペースはありません。
この2つの違いは内見の際にスリッパを履かずに、直で歩くだけでも分かるので見分けるのはそんなに難しいことではありません。
直床の場合、設備位置のレイアウト変更をする際に、配管の処理が難しい課題として立ちはだかるケースもよくありますので、いろいろ間取りを変えたいと考えている方は、気に入ったマンションが直床だった場合は事前に設計担当者に相談していただいた方が無難でしょう!
そんな直床のマンションでたまに出くわすのが、今回冒頭で見て頂いたような「溝」になっているケースです。
簡単に説明しますと、基本は直床なのですが、水まわりの部分のみなどが二重床になるように一部分のみスラブを下げているのです。(これを「逆スラブ」と呼ぶこともあります)
こうすると、このエリア内であれば設備の移動は二重床と同じなので比較的可能ですが、このエリア外に設備を出したい場合は、床を上げたりしなくてはならない、という状況になってくるのです……。
この工事画像がまさにそれです!
直床だったキッチンをアイランドキッチンに変更するためにキッチンエリアのみ床上げしたケースです。
では、先ほどの溝になっていた解体現場の物件はどうなるのでしょうか??
それは、リノベーション工事が完了してからのお楽しみ☆ということで……。
物件の内見からリノベーションの完成までには、いろいろと検討していただくことが山盛りですが、いろいろな情報を知っておくことで、自分が求めている暮らしに確実に近づくことができると思います。