このたび、10年住んだフルリノベ中古マンションから、注文住宅への住み替えを決意。夢のマイホームの完成までの実録を、隔週でご紹介しています。今回は「家づくりをどこに頼めばいいか?」について。家づくりを検討されている方や進行中の方に、少しでも参考になればいいなと思っています。
▽ 目次 (クリックでスクロールします)
家づくりをどこに頼むのか?
ハウスメーカーのメリットとデメリット
建築設計事務所のメリットとデメリット
工務店のメリットとデメリット
家づくりの専門家紹介サービスを利用してみた
家づくりをどこに頼むのか?
注文住宅を建てることに決めた場合、依頼先の選択肢は大きく分けて3つあります。
● ハウスメーカー
● 建築設計事務所
● 工務店
● ハウスメーカー
家づくりをイメージすると、まずこれを思い浮かべる人が多いでしょう。住宅展示場にモデルハウスを構えていたり、CMやチラシなどに広告をかなり出しているので、身近に感じるかもしれませんね。
● 建築設計事務所
建築家が中心となって主に設計と監理を行い、施工自体はその事務所と付き合いのある工務店が請け負います。
● 工務店
工務店内にお抱えの、もしくは取引先に設計できる建築家がいて、おもに施工に力を入れているというパターンです。
このほか、家づくりの専門家を紹介するマッチングサービスを行う会社もあります。
「建築家さんのプランを見てみたい。でも、どうやって自分の要望や予算に合う建築設計事務所を探せばいいのか? どう依頼すればいいのか?」という疑問は、誰もが抱えているかと思います。
今回、このような相談にのってくれて、中立的な立場で専門家を紹介してくれるサービスも利用してみたので、その経験も最後に書きます。
ここからは、私が実際に相談して、各社からファーストプランを出してもらい、ミーティングを重ねた経験からの考察です。
ハウスメーカーのメリットとデメリット
◆ファーストプランをプレゼンしてもらうのにかかった費用:無料
■メリット「大手ならではの安心感、コストを抑えられる」
ハウスメーカーは規模が大きいため、施工棟数も多いです。つまり、自社工場で部材を加工できたり、住設機器を大量に仕入れてさばけるため、原価コストを抑えることができます。
また、設計から施工まで一貫して行ってくれること、大手になると倒産のリスクが少ないこと、一定以上の品質が保証されていること、規格化されているため工期が比較的短いなど、安心感という面では高いといえます。
■デメリット「設計の自由度があまりない」
ハウスメーカーごとに工法や仕様を規格化しているため、建築事務所や工務店に依頼した場合に比べ、設計面の自由度は低くなります。プランニングも、ある程度パターン化されたプランをパズルのように組み替えていくといった印象。
また、基本姿勢が保守的で、こちらの要望を伝えても「可能かもしれないけれど、ここは安全ラインでここまでにしておきたい」といった姿勢でした。大手であるからこそ、あまり冒険してリスクをかぶることはできない、というのは理解できます。プレゼンテーションを受けても、正直あまりときめきはありませんでした。
建築設計事務所のメリットとデメリット
◆ファーストプランをプレゼンしてもらうのにかかった費用:10万円
(あくまで私が依頼した先の金額。見積もり設計料のうち、10%をファーストプラン提案時に支払う、という設定の事務所も多いようです。)
■メリット「デザイン性が高く、個性的な家をつくれる」
設計に特化している設計事務所が出してくれるプランは、わくわくするようなオンリーワンのデザイン。建築士が施主との対話から導きだしたプランを、CGや模型を制作して魅力的にプレゼンテーションしてくれます。
光の差し込み方、風の通り方などもシミュレーションしてくれ、感動しました。その後も対話を重ねて、施主に寄り添った理想的なプランをつくり上げていくことができます。工法や仕様に対する制限はないので、柔軟なプランが実現できます。ときめきすぎて大変です。
■デメリット「コストが高い&依頼前にコストの全貌が見えない」
まず、建築家個人に依頼する場合、その人の身になにか起きてしまった場合、白紙になってしまうという不安があります。
コスト面では、工務店に支払う施工費用とは別に、設計料と監理料を設計事務所に支払うため、工務店に直接依頼するケースと比べると金額は高くなる傾向があります。それに、デザインや部材などにこだわるほどコストは積み上がっていきますし、その後の維持管理も大変になります。
また、具体的な工事費は、設計事務所に依頼することを決め、工務店に見積もりを依頼した段階でようやく初めて確定します。このため、具体的な見積もり金額を机上に並べて他社と比較検討することが難しい場合があります。
工務店のメリットとデメリット
◆ファーストプランをプレゼンしてもらうのにかかった費用:5万円
(あくまで私が依頼した先の金額)
■ メリット「安心感、きめ細やかなアフターフォロー、コストが抑えられる」
仕様やプランに制限がない場合が多いため、施主のこだわりに合わせた家づくりに対応しやすいと思います。
最近では、独自の強みを光らせていこうと、工法や仕様にこだわる工務店も増えています。足を運ぶ前に、その工務店の得意な工法やこだわり、デザイン性などをHPや作品集でチェックするのがいいと思います。
設計から施工まで一貫して行ってくれる安心感もあります。また、地域密着型のスタイルが多いため、その土地の事情に詳しく、入居後もきめ細やかなアフターフォローが期待できるのも魅力。価格は、派手な宣伝広告費が上乗せされていないためか、比較的リーズナブルです。
■ デメリット「経営状況の不安と、工期の長さ」
ハウスメーカーに比べると小規模の店が多いので、経営が安定しているのかどうか……という不安があります。もしも倒産してしまったら、アフターフォローがなくなってしまいますから。
また、手仕事が多いため、工期が長くなりがちです。施工がメインになるのでプランニング&プレゼンテーション力は設計事務所には劣る、というケースもあり、この点はデメリットかもしれません。
家づくりの専門家紹介サービスを利用してみた
家づくりをするにあたり、「自分たちの要望を叶えてくれるプロと、どうすれば出会えるのか?」という疑問はひとつの大きな壁になります。
そんなときに助かるのが、家づくりの専門家を中立的な立場でアドバイス&紹介してくれる会社の存在。
相談は無料なので、ぜひとも早い段階で利用することをおすすめします。
・どんな家を建てたいのか?(言語化して明確にしておく)
・好きなテイストや理想(実際の画像などを用意しておく)
・現実的制約や予算(土地の情報や具体的予算)
・希望する完成タイミング(転居時期など)
などの条件を自分でまとめて、相談にいくとスムーズになります。
今回は、このサイトで連載させていただいているご縁から、SUVACOの
専門家紹介サービスに実際にメールをしアポをとって、いちユーザーとして使ってみました。
担当の方が私たちの希望を丁寧にヒアリングしてくれて、その場でもいくつか、私の要望に叶いそうな建築設計事務所さんを紹介してくれました。
一緒に各事務所の作品画像を眺めながら、「ちょっとこれはイメージと違うかな」「こっちのほうがいいかな」「ちょっと予算的に厳しいかも」など、リアルな意見をどんどんお伝えすると、担当者さんがそれを持ち帰り、後日さらに具体的に要望に添った専門家の候補をいくつか挙げてくれます。
そして、実際に建築家さんとお話をしたいときも、SUVACOの担当者さん(アドバイザー)がケアしてくれます。そのことで施主側に発生する負担は特にありません。(もちろん、実際にプランを出してもらう段階になったら、各建築設計事務所の規定に沿った費用負担が生じます)
自分自身で調べられる情報には限界があるので、プロに相談して、豊富なご経験の引き出しの中から情報をいただき、専門家を紹介してもらえるというのは、とてもありがたく頼もしいサービスです。ぜひ利用してみてください。
さて、わが家は一体、どこに家づくりを依頼することになるのでしょうか……? 実は、いま現在も頭を悩ませております。
次回は、家づくりにまつわるお金の話、銀行のローンのことなどについて書きたいと思います。