2021/12/16更新0like6742view

著者:岩間光佐子

家族みんなが料理・片付けしやすいキッチンプラン&設備選びのポイント

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

働き方の多様化などにより、多くのご家庭では、家での食事の回数が増えてきているのではないでしょうか。新しい住まいでは、家族で一緒に食事をするだけでなく、調理や片付けもみんなで楽しく協力して行いたいと思っている方も多いのでは?ここでは、家族みんなが使いやすいキッチンプラン、設備選びなどのポイントを実例をご紹介しながらみていきます。

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アイランド型や対面式、回遊動線を確保して

新しい住まいを検討する中で、どんなキッチンにしようか、あれこれ悩む方も多いでしょう。多様なプランが考えられますが、最近では、リビングやダイニング、キッチンをひとつの空間とした間取り、キッチンが暮らしの中心となるような空間づくりも多くみられるようになりました。

また、在宅ワークも一般化し、家で食事をとる回数も増え、食事だけでなく家族で一緒に調理や片付けをするご家庭も。家族でキッチン作業を行うことで、家事の負担が分散するだけでなく、コミュニケーションが深まるというメリットもあるようです。

家族みんなが使いやすいキッチンプランとするためには、空間の考え方、広さや動線などに配慮が必要です。

広めのキッチンスペースを確保したい

夫婦で、もしくは子供と一緒に、キッチン作業がしやすいプランを考える際のポイントは、まず、キッチンスペースそのものの広さ。夫婦や親子など2人以上で同時に動いてもお互いが邪魔になることなく、両方が同時にスムーズに作業ができ、かつ1人の時でも使いやすい空間を確保するようにしましょう。

特に作業の際に行き来する通路となるスペースの幅は広めに確保したいもの。一般的に、大人がすれ違うことができる幅は90~120cm程度。体形など個人差もあるので、調理道具を持って移動できるように、ゆとりをもった幅としたいものです。

キッチン内、キッチン周辺との動線に配慮

作業しやすいプランとするには、動線計画が重要です。キッチン内では、複数での作業でも動線が重ならずに動くことができるようなプランにしておくこと。それぞれの作業ができるスペースを確保した上で、別のルートで動くことができるゆとりがあると使い勝手がいいものです。また、キッチン内だけでなく、ダイニングやリビング、パントリーや勝手口などとの行き来が楽な動線も考慮しておくようにしましょう。

ダイニングなどとも行き来しやすい回遊動線

広い空間が確保できれば問題はありませんが、奥が行き止まりとなっているキッチンでは、複数での作業の場合、キッチンスペースから出にくくすれ違いがしにくいケースもあるようです。

動線の面から複数でも使いやすいプランとして、回遊動線を確保できるアイランド型や対面キッチンなどが注目されています。回遊動線とは、周囲を回ることができる(行き止まりがない)動線プランのこと。キャビネットや作業台の左右が壁面から独立したプランは、どちらからもアクセスしやすいのが特徴です。また、キッチンそのもののスペースの広さを確保することが難しい場合でも、回遊動線を確保できれば、ダイニングも含め全体が開放的な空間となるでしょう。

夫婦や親子で使いやすいカウンターやシンクに

夫婦や親子など、複数でのキッチン作業をしやすくするためには、キッチンのつくりにも配慮が必要です。たとえば、カウンターの高さ。一般的に長い時間キッチンを使用する人に合わせてその高さを決めますが、夫婦で使用するのであれば、どちらも使いやすい高さとしておきたいものです。ショールームではいくつかの高さのキッチンを展示してあるので、体感してみることをお勧めします。

また、切ったり、混ぜたり、こねたりと作業も同時進行ができるように、作業カウンターを広めにとっておくのもひとつの方法ですし、作業できるスペースを2カ所に分けてもいいでしょう。アイランド型のキャビネットを作業カウンターとすれば、どちらからでも作業することが可能です。

その他、加熱機器(コンロ)やシンクも大きめのタイプを設置しておくと、並んで作業していても窮屈にならないでしょう。メーカーによっては、3口コンロを横並びのレイアウトとしたタイプもみられます。並んで調理をしていても、ほどよい距離感で作業できるのが魅力。

また、作業カウンターなどにシンクを配置することで、前からだけでなく対面、もしくは横からでも使用できるプランも考えられます。どちらからでも使いやすいように、水栓金具をコーナーに設けるなどした提案もみられます。

出し入れしやすい収納スペース

家族で作業しやすいキッチンとするためには、誰もが分かりやすく、使い勝手のいい収納プランとすることも重要なポイントです。

たとえば、毎日使用するお茶碗やお椀、お箸を準備する、取り皿を並べたり調味料を用意するといったお手伝いを子供に頼む場合、ダイニングに近い場所に日常使いのものをまとめておくことで、調理の邪魔にならずに準備することが可能です。ダイニング側から出し入れできるような収納スペースを用意してもいいでしょう。ダイニングテーブル近くであれば、すぐに並べることができるので使い勝手がいいものです。

また、電子レンジやトースターなども、無駄な動線が生まれず、調理などの作業に邪魔にならない場所に設置しておくことで、使いやすさはアップします。場所の確保と同時にコンセントの数や配置にも配慮すること。最近のシステムキッチンには、家電収納向けのキャビネットも多様なタイプが提案されているので、上手に取り入れてもいいのではないでしょうか。

また、いつも置いてある家電製品だけでなく、作業を行う時に必要になるハンドミキサーなどを使うスペースやコンセントなども配慮しておくことも必要でしょう。家族で作業するのであれば、複数の家電を同時に使用することもあるもの。使用時をイメージして余裕のある計画が必要です。

キッチン家電の上手な収納術

その他、ゴミ箱の収納スペースも誰もが使いやすい位置に設けておくと作業がスムーズに進みます。くつろぎの場から見えない場所に確保することも考えられますが、キッチンの奥まった場所に設けてしまうと、複数人では使いにくい場合も。どこで作業をしていても使いやすく、また、キッチンだけでなく周辺での使い勝手を考慮して配置を。キッチンの真ん中、キッチンの入口付近に設けてもいいでしょう。ゴミの分別をお子さんに任せることで、ゴミ問題への関心を持ってもらうこともできるかもしれません。

キッチンのゴミ箱置き場はどうすべき?使い勝手のよいレイアウトプラン

子供でも使いやすい設備機器を取り入れても

子供と一緒にキッチンでの作業を行いたい場合は、子供の年齢にもよりますが、安全性や使い勝手には十分に配慮したいものです。

幼いお子さんに、調理を体験させたい、という目的であれば、カウンター作業に適した高さを確保できるように踏み台などの用意を。食材を洗ったり切ったり、お鍋の様子を見ることができるように工夫をしておきたいものです。年齢などにもよりますが、火の扱いに不安があるのであれば、IHクッキングヒーターを選んだり、作業効率を図るために、 食器洗浄乾燥器を取り入れるのもひとつの方法です。

また、設備機器には、誰もが使いやすいような工夫を施したアイテムが多くみられます。たとえば、水栓金具では、吐水口の下に手や食器などを近づけるとセンサーが感知し吐水し、遠ざけると自動で止まる水栓や、上部のセンサーに手をかざすだけで吐水止水するタイプなど。また、水栓の先端などにあるスイッチで吐水・止水するタイプもあります。幼いお子さんでも使いやすく楽しみながら作業をすることができるのではないでしょうか。

キッチン水栓の種類と特徴・選び方のポイント

その他、家族それぞれに、専用のキッチンツールを用意することで作業の楽しさも生まれるものです。子供用の包丁やピーラー、まな板など、年齢に適したもので一緒にキッチン作業を行うことで、食への興味もわくのではないでしょうか。

最近の設備機器は、誰もが使いやすいユニバーサルデザインの製品が多くみられます。家族構成や調理のスタイルに合わせて、上手に取り入れることも家族みんなで使いやすいキッチンをプランニングするポイントのひとつでしょう。
キッチンプランを検討する際には、住まい全体の間取りに配慮することが基本。ダイニングやリビングとのつながり、インテリアコーディネートなど、モデルハウスやSUVACOの実例を参考にするといいでしょう。最新の機器やアイテムは、ショールームで実際に操作するなどして確認を。家族構成やライフスタイル、将来の変化なども含めトータルに検討することが大切です。

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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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