2020/03/19更新1like755viewSUVACO編集部

機能性と繊細な美が両立した造作家具はどのように生まれるか<水雅インタビュー> | 壁面収納など造り付け家具1

「ずっと長く愛せる家」には、目と心を喜ばせ、暮らしを快適にするための工夫が詰まっています。

さまざまな家づくりの工夫の中から、今回SUVACO編集部が注目したのは、「ひとつ上の暮らしやすさを叶えてくれるオリジナルの造作(ぞうさく)」。造作とは、床板・陳列棚・建具など建物の内部の仕上げ材や取り付け材、またはそれらを現場で仕上げる工事のことで、その家その部屋のためにつくられたフィット感が魅力です。

このシリーズでは、SUVACO編集部が造作を得意とする専門家を訪問し、家づくりを考えているみなさんに知ってほしい造作の魅力と知識について、各社のこだわりと共にお届けしていきます。

今回取材したのは、大型の戸建てリノベーションからオリジナル家具まで幅広く手掛ける株式会社 水雅(すいが)の皆さん。「壁面収納など造り付け家具」をテーマにお話を伺いました。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

水雅ってどんな会社?

社名の「水雅(すいが)」には、「“雅”(美しさ)を“水”が染み渡るように広めたい」という想いが込められているそうです。“社員のほぼ全員が大工さん”という職人集団でもある水雅の皆さんは、情熱を持って「長く愛される良いモノ」をつくり出しています。

豊富な経験値や素材特性への深い知識から生み出される水雅の造作は、繊細な工夫が盛り込まれ、目に心地よい洗練された美しさが魅力。

オリジナル家具にも定評がある水雅の皆さんに聞いた、家づくりの前に知っておきたい造り付け家具の知識と、注目すべきこだわりをご紹介しましょう。

壁面収納などの造り付け家具で叶えられること

―― 造り付け家具は、どのような希望に応えられるものでしょうか。

代表取締役 田代さん:
「生活に必要なさまざまなモノを収納できるスペースを確保しつつ、家全体のデザインに溶け込ませて調和がとれた空間をつくれます。収納場所に困っていたものを、すっきりと使いやすく配置できることで、収納ストレスの軽減にもつながります」

デザイナー 白石さん:
「生活感を隠せるという利点もあります。最近も“コードレス掃除機を見えないように収納したい”というリクエストを頂き、すっきりとした扉の中に片づけながら充電もできるスペースを用意し、とても喜んでいただけました」

田代さん:
「また、お部屋に張り出している梁(はり)は、その凹凸(おうとつ)が視界を分断してしまうのが難点。そこへ床から天井まで造り付けの棚を造作することで、余計なラインを隠すことができます。収納スペースを増やす目的が叶えられるだけでなく、視線が邪魔されないことで部屋を広く感じさせる効果まで期待できます。

造り付け家具の魅力は、施主それぞれのライフスタイルや収納したい荷物の量、そして全体のデザインにあわせて、最適化した収納スペースのかたちを考えられるところ。

例えば、廊下の両側に収納をつくるなら、壁と同化させて引手も見えないよう工夫したり、壁一面のテレビボード(下写真の例)なら、ランダムに“見せる収納”部分を加えて動きを出したり。そのスペースによって一番魅力的に見えるデザインを考えます。

もちろんご予算も踏まえてしっかりとヒアリングをしたうえで、ご提案していきます」

まずは新しい家に置きたい荷物の量を整理・把握しよう

快適でストレスのない収納を実現できる上、デザインの美しさも叶えられる造り付け家具。「ぜひ家づくりで取り入れたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。

でも家中にあふれる収納したいモノたちを考えたとき、「とにかく収納がたくさんほしい!」と漠然とした希望になってしまいがち。

水雅の皆さんに聞いた、「造り付け家具の相談をするときに伝えられるとよいこと」は下記です。

・持っていたいモノと捨てた方が良いモノの取捨選択をする
・どれくらいの量のモノをどのスペースに収納したいかをイメージする
・収納だけではなく、どのような空間で暮らしたいかを考える
・ライフスタイルを伝える
・家づくりで使用できる予算感を明確にする

これらを自分の中である程度整理し、しっかりと伝えて意見交換をすることで、暮らしや理想の空間によりフィットした提案がしやすくなるそうです。

田代さん:
「皆さん“収納が足りない”と考えがちと思いますが、収納スペースがあればあるだけモノって増えていくじゃないですか。本当に必要なモノと、なんとなく置いているけれど実はあまり使わないモノの判断は、実際に住まわれる方にしていただく必要があると思います。

その上で、収納したいモノのボリュームが分かる写真や、洋服はハンガーで何メートルくらいかかっている……などの情報をもらえると、提案を考えるときの参考になります。

“ライフスタイルを伝える”というのは、例えば洋服ならば、絶対ハンガーにかけたいのか、畳んでも良いかといったことです。畳んで箱に入れても良いなら収納できるというケースもあるので、可能性が拡がるかもしれません。見せていいモノと隠したいモノの区別も、教えてもらえると提案のヒントになります」

ヒアリング(=会話)をしっかりすることを通じて、予算感に応じた最適な提案を心掛けているという水雅。上に挙げた項目を前もってイメージしておけば、状況や好みをより正しく伝えることができるでしょう。

もちろん造れる内容は予算次第でも変わります。水雅ではヒアリングの内容を踏まえて、例えば建具をつくりこむことがコスト的に難しい場合は、見せる棚を上手に取り入れたり、使用する素材を変えたりなど、なるべく希望に近づける提案を考えてくれるそう。

予算感は家づくりを考える上で、とても大切な要素です。あらかじめしっかりと伝えるようにしましょう。

水雅の造作が美しいワケ

お客様に寄り添いながら、その美へのこだわりをかたちにしている水雅
なぜこのように、目に心地よい繊細な美しさを表現できるのでしょうか。
お部屋の世界観に合わせてデザイン・造作したウォールナットのテーブル。ヘリンボーンの天板も木材を組むところから始め、表面がフラットになるまで丁寧に削ったもの。「中にパソコンなどをしまいたい」というリクエストに応えて、引き出しを装備。ともすると仕上がりがゴツくなりがちな引き出しですが、枠を薄く繊細に仕上げることで軽やかな印象に。

お部屋の世界観に合わせてデザイン・造作したウォールナットのテーブル。ヘリンボーンの天板も木材を組むところから始め、表面がフラットになるまで丁寧に削ったもの。「中にパソコンなどをしまいたい」というリクエストに応えて、引き出しを装備。ともすると仕上がりがゴツくなりがちな引き出しですが、枠を薄く繊細に仕上げることで軽やかな印象に。

―― 何度見ても見飽きない美しい造作は、たくさんの工夫や技術が凝らされてこそできあがると思います。水雅のこだわりはどのように実現されているのですか?

専務 戸石さん:
「難しい納まりを考えるお仕事をたくさん経験し、“いかにディテールまで美しく仕上げるか”を追求してきたことが大きいと思います。いろいろと考え、試しながら、上手くいくやり方を蓄積して。結果、他では実現できない施工技術のノウハウを持っていると思います。

結局職人って、どういう仕事をしてきたかで決まると思うんです。きれいに仕上げるにはどうしたらいいかをすごく考えてきた。それが今のアイデアや技術力につながっています」

下の写真は、扉と枠などのクリアランス(間隔、隙間)をミリ単位で統一したことで、統一感のあるラインの美しさ、心地良さを実現した造り付け家具の例です。本来なら、扉が開くようにするために、その周囲にだけ設ければよいクリアランス。それを機能上は必要がない木と木の接合面にも一貫して設け、ライン(線)を通すことで、この気持ちの良い仕上がりを実現しています。
扉の開閉部だけでなく、木枠が隣接している部分まで同じ幅のクリアランスを設けることで、全体に気持ちの良い統一感が生まれます

扉の開閉部だけでなく、木枠が隣接している部分まで同じ幅のクリアランスを設けることで、全体に気持ちの良い統一感が生まれます

これは水雅のこだわりの、ほんの一例。

他にも「美しい仕上がり」のために、枠をなくしてシャープな印象に仕上げた建具や、正面から見える枠の幅を薄く繊細に見せるアイデア、縦枠と横枠の気持ちの良い組み方……など、その経験と美意識、発想と技術力から生み出された工夫に満ちていました。

図面上では表しきれない数々の配慮は、部屋全体を通じて造り付け家具にも踏襲され、統一感による相乗効果で、空間に足を踏み入れたときのなんともいえない気持ちの良さにつながっています。
「つくったものの結果が気になりますよね。どう仕上がるか、また、1年後・数年後にどうなっているのか。経年変化が味になるかどうか。“あ、これは良かった!” という仕上げを常に積み重ねてきました。」と田代さん。まさに「ずっと長く愛せる家」をつくるためのこだわりです。

その空間にしっくりと溶け込む美しさと使い勝手の良さの両方を、長く楽しめる造り付け家具。
ぜひ、自分の持ち物やライフスタイルなどのイメージを整理し、専門家としっかりと話し合って、あなたの暮らしにぴったりとフィットする「造作家具のある空間」を手に入れてください。
水雅のカバー画像
対応業務 注文住宅、リノベーション (戸建、マンション、部分)
所在地 東京都杉並区
対応エリア 埼玉県 / 千葉県 / 東京都 / 神奈川県
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