2021/04/29更新3like8426view

著者:佐藤ゆうか

無垢フローリングの特徴とおしゃれな張り方事例

この記事を書いた人

佐藤ゆうかさん

2級建築士。
工業高校卒業後、中小規模の建設会社に勤務。
木造住宅を中心に新築やリフォームの設計に携る。
現在は3児の育児を中心に在宅ワークに励み、いつか現役復帰を夢見ながら建設業界にしがみつく日々。

木のぬくもりそのままを活かした単層フローリング(無垢フローリング)は、おしゃれで温かな部材なので、使ってみたいという人は少なくないでしょう。

単層フローリングは、樹種によって雰囲気が全く異なります。種類や特徴、張り方を知ることで、理想の住まいづくりに近づくことができるでしょう。この記事では、そもそも単層フローリングとは何なのか?ということから、樹種ごとの特徴、張り方の事例について紹介します。

▽ 目次 (クリックでスクロールします)

単層フローリングとは?

フローリングには、「単層フローリング」と「複合フローリング」があります。

単層フローリングとは、一般的に「無垢フローリング」と呼ばれます。

単層(無垢)フローリングの3つの形状

単層フローリングは、大きく分けて3つの形状があります。

・ソリッド、ワンピース…木材を継ぎ目なくフローリング形状に加工したもの。1枚板の美しさがあり、施工が難しく、比較的高価
・ユニ…短いフローリング材料を継いで、フローリングの形状に加工したもの。比較的安価で材料の狂いが少ない
・FJL…細かいフローリング材料を幅方向に3~6枚、長さ方向に5~8枚継いで作られたフローリングで、さらに材料の狂いが少ない

単層(無垢)フローリングに共通する特徴

単層フローリングの共通の特徴として、次のものがあります。

・調湿性、断熱性に優れる
・木材特有の温かみがある
・削るなどの補修ができる
・使うほど味わいが増す
・樹種によって表情や色合いが異なる
・樹種によって硬さや防水性などの特徴が異なる
・割れ、反りなどの変形をしやすい
・伸び縮みしやすい
・節がある
・無塗装品は汚れが染みやすく、傷つきやすい

単層フローリングは、木材の持つ美しさや、天然素材ならではの素材感があります。
デメリットとしては、変形が起こりやすく、傷がつきやすいことが挙げられます。
単層フローリングを選ぶ際は、これらの特徴を理解した上で選択しましょう。

樹種別フローリングの特徴

フローリングに使われる樹種には、針葉樹と広葉樹があります。
その中でも材質はいろいろありますが、針葉樹と広葉樹の特徴をあげると、次のことが言えます。

針葉樹

・軟らかいため、足腰に優しい
・傷つきやすい
・節が多い
・いい香りがする
・比較的安価な商品が多い

広葉樹

・硬く重く強い
・傷がつきにくい
・比較的収縮が少ない
・比較的冷たく感じる

広葉樹の方が、フローリングとしては優れた特徴がありますが、どちらも一長一短ありますので、よく検討できるといいですね。

ここからは、単層フローリングに使われる代表的な樹種と特徴をお伝えします。
・腐りにくい
・カビに強い
・水分に強い
・虫除け効果がある
・抗菌効果がある
・強度に優れる
・香りが良い
・傷がつきやすい
・白く美しい木目

スギ【針葉樹】

池田 郁夫「杉床と広々とした造作キッチンのある部分リフォーム」
・節の量や、色合いによって上から、無節、特選上小節、上小節、小節、特一等とランク分けされる
・カビに強い
・虫に強い
・菌に強い
・香りが良い
・軟らかい
・傷がつきやすい
・やや黄色がかった木目
・針葉樹の中ではやや硬め
・比較的リーズナブル
・熱伝導率が低く、触った際の温度感が年間で一定
・ナチュラルで優しい木目
・針葉樹の中では硬め
・針葉樹の中では傷に強い
・耐水性に優れる
・ねじれやすい
・赤みがかった色合い
・ブナ科コナラ属の木材をひとくくりにしたもの
・強度に優れる
・耐水性に優れる(樽などにも使われる)
・傷に強い
・柔軟性に欠ける
・比較的リーズナブル
・優しい色合い

チェリー【広葉樹】

鳥山敦生「『OK-house』アメリカンブラックチェリーの家」
・肌触りがいい
・扱いやすい
・強度に優れる
・経年変化が特に美しい
・薄く赤みがかった色合い
・硬く強靭
・シロアリに強い
・ウォルナットに似ている
・傷に強い
・均一性のないワイルドな色合いと木目
・硬い
・腐りにくい
・湿気に強い
・濃くはっきりとした木目をもつ
・強度に優れる
・硬い
・乾燥が甘いと反りやすい
・優しい雰囲気でインテリアの邪魔をしない
・クセのない優しい木目
・硬さがある
・塗装と相性がいい
・木目の個体差が少なく統一感がある
・傷つきやすい
・白っぽく主張しない木目

メープル【広葉樹】

リノベ不動産|Beat HOUSE「無垢材“メープル”から北欧を感じる『Nordic Style リノベーション』」
・硬い
・傷やこすれに強い
・弾力性がある
・肌ざわりがいい
・白く主張の少ない美しい木目
・耐久性に優れる
・水に強い
・菌に強い
・防虫効果がある
・反りやすい
・優しい色合いでやや主張が強い木目
・広葉樹の中では軽い
・弾力性に優れる
・衝撃に強い
・重厚感がある濃く落ち着いた木目

フローリングの張り方

単層フローリングの代表的な張り方と特徴、施工事例を紹介します。

「ていじゃくばり」と読みます。
同じ長さの材料を一定間隔で少しずつずらして張る方法です。
規則性があり、シンプルで落ち着いた空間演出ができます。
いろいろな長さの材料を張る方法です。
端材が出ないので無駄がなくリーズナブルで、シンプルながら、遊び心があり、親しみやすい空間演出ができます。
壁に対して45度程度傾けて張る方法です。
おしゃれでモダンな印象になり、空間が広く見える効果があります。
床の主張が強くなりますので、こだわりの床材を目立たせたい時に役立ちます。
V字に組み合わせて張る方法です。ニシンの骨に形が似ているため、この名前になりました。
上品でクラシカルな印象になります。

フレンチヘリンボーン張り

V字の組み合わせ部分を頂点から半分にカットして張り合わせる方法です。
ヘリンボーン張りより洗練されて、すっきりとした印象になります。
同じ長さの材料を木目が揃わないように組み合わせて張る方法
ひとつの四角を囲むように木材を配置する方法もあります。
床材の選び方によって、レトロな印象になったり、可愛らしくなったり、さまざまな表情が楽しめます。

朝鮮張り

同じ長さの材料を揃えて張り、長い材料が横切るように張る方法です。
おごそかで、落ち着いた印象になります。

すだれ張り

同じ長さの材料の接合部分を揃えて張る方法です。
朝鮮張りと似た雰囲気ですが、より伝統的でシンプルな空間になります。
単層フローリングの特徴や、代表的な樹種、張り方についてお伝えしました。無垢フローリングは、木のぬくもりや美しさを楽しむことができますが、傷がつきやすい、変形しやすいなどの特徴もあります。

また、樹種によって見た目が異なり、優れた特徴もそれぞれありますので、サンプルや事例をよく確認した上で選べるといいですね。
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