2022/03/03更新0like5226view

著者:岩間光佐子

スキップフロアのメリット・デメリット&実例集

この記事を書いた人

岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

新しい住まいのプランニングを考える中で、スキップフロアを取り入れたいと希望する方もいらっしゃるのでは?開放的で立体感のある空間づくりは大きな魅力でしょう。ここでは、スキップフロアのメリットやデメリット、プランニングの注意点などをまとめました。

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スキップフロアとは?

スキップフロアとは、1階と2階、2階と3階などの間に、半階分程度ずらせた床面を設けたプランのこと。上下の空間の中間階となるため、中2階や中3階と呼ぶこともあります。

多くの場合、間仕切りで空間を仕切るのではなく、床面の段差によって区分するため、開放感を得られることが特徴。上下階をつなぐ階段の用い方も多様なバリエーションが考えられるので、変化に富んだ空間づくりも可能です。

空間的な魅力だけでなく、スキップフロアを取り入れるケースとしては、傾斜している敷地面に合わせて段差を設けたり、昇降を半階ずつとして移動を楽にするためなども考えられます。また、プランによっては、住まい全体をスキップフロアで構成する場合と、ひとつのフロアの中で床の高さが違う空間を設けるケースもみられます。

スキップフロアのメリット・デメリット

ひとくちにスキップフロアといっても、さまざまなプランが考えられますし、メリットやデメリットもあります。

メリット

スキップフロアのメリットは、まず、空間を有効利用できること。プランニングによっては床面積を増やすことも可能です。また、間仕切り壁を設けないケースも多く、空間が緩やかにつながるため、明るく開放的なプランを実現できること。家族の気配を感じることができ、コミュニケーションがとりやすいことなども魅力として挙げられるでしょう。プランニングにもよりますが、上下の空気の流れが生まれ、風通しがよいことなどもメリットと言えるでしょう。

デメリット

一方、デメリットとしては、開放的であることによる空調計画の難しさ。壁で仕切ることが少ないため冷房や暖房が効きにくくなり、上階は夏場暑く、階下は冬場寒い、ということが考えられます。また、プランニングにもよりますが、生活音が響き、通りやすいケースがあることもデメリットと言えるでしょう。

その他、段差が多いため、フラットな住まいに比べ掃除がしにくいということもあるようですし、家族に幼いお子さんや高齢の方がいる場合は、段差での危険が伴うことも理解しておく必要があります。

プランニングにもよりますが、階段や段差が多くなるなど、通常の建築よりも材料や手間がかかるため、建築費用は高くなりがちでしょう。

スキップフロアをプランニングする際の注意点

スキップフロアに限りませんが、プランニングの際には、まず、どんな暮らしがしたいのか、何を優先させるのか、家族構成やライフスタイルに合わせて検討することが重要なのは言うまでもありません。スキップフロアにすることでの、わが家の場合のメリットやデメリット、ソフト面やハード面のそれぞれから十分な検討をすることが大切です。

プランニングを進める中で注意したいのは、まず日常での家族の動きやすさ。生活動線の良し悪しを忘れずに確認するようにしましょう。また、スキップフロアの場合、ひとつの空間が大きくなりがちなので、空調計画は十分に配慮を。冷暖房費を抑えるためには、断熱性の高い住宅とすることが基本ですが、プランニングによっては全館空調などを検討してもいいでしょう。その他、家族にご高齢の方や幼いお子さんがいる場合は、段差や階段の昇降は日常的に可能か、手すりや夜間の移動なども含め安全面は十分に配慮することが重要です。

事前に確認したいのは、スキップフロアは、階層が明確に分かれるシンプルな建て方ではないため、工法などによっては強度や施工が難しいケースもあること。スキップフロアを希望するのであれば、依頼先の実績を確認したり、早めに設計担当者と打ち合わせをするようにしましょう。

参考になる実例集

スキップフロアのプランは多種多様。ゾーニングや空間の利用方法、階段やステップの設け方など、さまざまな実例を見ることで、自分のイメージも明確になるかもしれません。

空間全体を見渡せるつくりに

スキップフロアの魅力を生かし、空間全体の気配を見渡せ、家族の気配を感じることができるようなプランに。スケルトンの階段を取り入れることで、光と風も通り抜けるでしょう。

ダイニングとリビングを緩やかに分けて

最近では、LDKをひとつの空間としたプランも増えてきています。くつろぎの場をスキップフロアとすることで、一体感を持ちつつ、緩やかにスペースを区分することができます。
岩瀬 隆広「WoodBoxサロン(in荒尾)」

視界の変化を楽しんで

スキップフロアとすることで、それぞれのスペースから見える空間に変化が生まれます。住まい全体を楽しむことができるでしょう。

段差部分を収納に利用して

プランニングにもよりますが、段差部分を収納スペースとして活用することも可能です。季節の家電製品など、使うスペースの近くに収納すると使い勝手もいいものです。
岩瀬 隆広「シェアハウスのような家(in八幡)」

段差を利用して椅子やベンチに

スキップフロアのプランでは、リズミカルな階段やステップが設けられるケースもみられます。段差や階段を利用して、椅子やベンチとしてもいいでしょう。
スキップフロアに魅力を感じているのであれば、その理由や具体的な使い方、理想のイメージに近い実例写真などをもとに、設計担当者と検討することも大切です。打ち合わせの際の図面は、一般的な1階、2階といった間取り図に比べ、わかりにくい部分もあるかもしれません。疑問に思うことはしっかりと確認することも失敗しないポイントのひとつでしょう。スキップフロアといってもさまざまなプランがあるので、SUVACOの実例なども参考に、わが家ならではの空間づくりを実現させてください。

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岩間光佐子さん

ハウスメーカーでのインテリア設計を経て、住宅情報誌編集部に。編集長として、リフォーム誌などの創刊に携わった後、フリーエディター&ライターとして独立。住宅設備機器を中心として、家づくり情報を発信中。二級建築士、インテリアコーディネーター

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